2006年04月29日

企業年金の積立不足が解消? マジっすか!?

それにしても、2005年度の株高は凄まじいものがあった。当BLOG管理人がコンサルを手がける幾つかの年金基金においても、積立状況が軒並み改善しており、現在集計中の05年度決算では一気に積立余剰に転じる見込みだ。

それにしても、2000年から2002年までの3年連続マイナス利回り時代の悪夢を考えると、まずは一息といったところだ。当時は基金の代議員会で株式投資比率の拡大を主張しようものなら、それこそ白痴呼ばわりされたものだ(汗)。また、この頃に刊行された書籍によると、当時の企業年金関係者の合言葉は「アンダーファンディング(積立不足)」だそうな。つうか、書面では何度か目にはしたが耳にした事はねえな(苦笑)。

そんなわけで、今年度以降は「積立余剰」が誌面を賑わす日も多くなるやもしれぬ。しかし今後の資産運用の方針を巡っては、@引き続き株式を含めた分散投資を行う派A債券比率を高めてリスクを抑える派に2極化している。前者は、運用難の時期を乗り越えたことを実績に、分散投資の更なる徹底を画策している。一方後者は、2000年のITバブルなどの教訓から、余剰が生じた今のうちに下方リスクを抑えようという方針だ。自分の会社の企業年金が積立余剰に転じた時に、果たしてどのような資産運用方針を執るのか──サラリーマンならば注目しておいて損はない。 



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2006年04月27日

「新会計基準と厚生年金基金の対応」

新会計基準と厚生年金基金の対応新会計基準と厚生年金基金の対応

社会保険広報社 2000-05
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僅か20ページ少々のリーフレットではあるが、退職給付会計を扱った古今東西の書籍の中では最も敷居の低い一冊。著者は某大手食品メーカーの年金基金の元常務理事だけあって、企業財務と年金制度の双方に精通しているのが強み。そのため、新会計基準の経緯やあらましだけでなく、年金基金サイドから見た退職給付会計の留意点についても上手くまとめられている。後者が充実している書籍はそうサラにはない。

当BLOG管理人は、本書のおかげで退職給付会計のイロハを理解することができた。特に、新会計基準における企業のB/S・P/Lと退職給付制度のB/Sの連関を図示した(図ー2)は必見。それに比べて、本来専門家であるはずの監査法人が出している書籍の小難しいことといったら・・・(汗)



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2006年04月25日

年金加入記録の記載ミス・記録漏れにどう対応すべきか

厚生年金、加入者リストに一部記載漏れ・代行返上で手続きミス (NIKKEI-NET)
企業の厚生年金基金が厚生年金の代行部分を国に返上した際、一部で提出した加入者リストに記載漏れがあったことが明らかになった。厚生年金の受取額が本来より少ない受給者が発生している可能性があり、厚生労働省は企業や業務を受託している信託銀行などに記録の再点検を呼びかけた。
関係者によると、定年を迎える前に退職した人などが加入記録から漏れているケースが多いという。基金が代行返上の手続きを進めている途中で死亡した人の情報が反映されていない例もあるもようだ。
(2006/4/2 日経朝刊)

厚生年金基金が代行返上を行った際に、加入者データの記録ミス・記録漏れが相次いで発見されたという。今回はたまたま代行返上というイベントがあったから問題が表面化したわけだが、これはわれわれ一般の公的年金被保険者にとっても対岸の火事では済まされない。つまり、社会保険庁が管理している国民年金・厚生年金の被保険者記録データベースにも、同様の記録ミス・記録漏れが存在する可能性は否定できない。

公的年金被保険者の加入資格記録が社会保険庁のデータベースに反映されるまでには、企業の人事担当者や社会保険事務所など複数の組織・人間の手を介する。企業側が間違った届出記録を提出することもあれば、社会保険庁側が入力ミスを犯すこともあるだろう。これは何も年金に限った話ではなく、人間が行う行為にミスが付き物であることは致し方ない。こうした記録ミスを発見・修正できる機会は、われわれ一般の被保険者には与えられないのだろうか!?

おそらく唯一の機会となるのが、裁定請求時(年金請求時)である。
通常は社会保険事務所に赴いて基礎年金番号、氏名、生年月日などを照合するわけだが、ここで「自分の記録があった、ワーイ!」などと喜ぶのはまだ早い。
@その記録は正確なものなのか
A他にも自分の記録が漏れていないか

についても確認しなければならない。参考までに、当BLOG管理人が遭遇した事例を一部列挙しよう。
 年金加入記録によくあるエラー



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2006年04月20日

基金脱退を誘った社労士に注意勧告

都社労士会、厚年基金脱退を誘った社労士に注意勧告(年金情報)
インターネット上で「厚生年金基金を脱退しよう」などと宣伝し、顧客を勧誘していた都内の社会保険労務士に対し、東京都社会保険労務士会が昨年12月に注意勧告していたことがわかった。宣伝で使われた表現に不正脱退を連想させるなど不適切な部分があった。都社労士会によると「厚年基金関連の不正で会員を処分したのは初めて」という。
(2006/4/3 年金情報 22ページ)

という訳で早速検索してみると・・・あった

件の社労士のサイトはコチラ(いまだ運営中)。士業の日常を綴った日記はなかなか面白い。ただし、上述の記事にもあった「総合型基金脱退勧誘」のエントリは、すでに削除された模様。そこで残ってるログやキャッシュを探索したところ、以下のエントリを発見した(下図)。

20060420atsuryoku.jpg

今回の処分はつまり「不正脱退をそそのかす行為を国家資格者たる社労士が行うとは何事か」つうことに尽きる。おそらく国家資格とは関係ない一民間コンサルタントであれば問題視されなかったように思う。こうした行為の是非はここでは敢えて問わないが、件の社労士の言動を見るに「社労士会は所詮、行政の飼い犬。でも俺は犬にはなりたくない。」「困ってる人間を助けて何が悪い」とまあ正義感溢れること頼もしい。しかしその割には「余計な争いは避けた方が無難」とサッサと削除に応じるさまは、まさに忠犬そのものであった(汗)。

まあ、せっかく苦労してGETした社労士資格だ。そう易々と手放したくない気持ちはわかる。たとえ飼い犬に堕しようとも(苦笑)。



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2006年04月16日

「厚生年金基金法令通達集」平成18年版

3年ぶりにリニューアル

厚生年金基金法令通達集(平成18年版)厚生年金基金法令通達集(平成18年版)

法研 2006-03

厚生年金保険法に始まり、政令、省令、告示、通知に至るまで、あらゆる関係法令通達が収録されている便利な一冊。企業年金制度に関しては、政令レベルで根拠規定が見つかることはまず無く、通知レベルまで掘り下げて調べる必要がある。そのため「社会保険六法」「年金六法」「社会保険労務六法」といった定番の法令集ではイマイチ対応しきれず、本書のように通達レベルまで網羅している書が必要となる。

なお従来は隔年出版であったが、今回は2004年の厚生年金保険法改正を手当てしたこともあり、改訂に3年のインターバルを要した。なお姉妹版「確定給付企業年金・確定拠出年金法令通達集」もこのたび併せて改訂された。

確定給付企業年金・確定拠出年金法令通達集(平成18年版)確定給付企業年金・確定拠出年金法令通達集
(平成18年版)


法研 2006-03


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/9/6): 「確定給付企業年金・確定拠出年金法令通達集」平成22年版
The企業年金BLOG(2010/5/24): 「厚生年金基金法令通達集」平成22年版
The企業年金BLOG(2005/11/9): 「厚生年金基金法令通達集」平成15年版

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【2007.3.22追記】
正誤表が版元Webサイトに掲載されています。
○正誤表(厚生年金基金法令通達集)
○正誤表(DB・DC法令通達集)




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2006年04月14日

「ビジネス・ゼミナール 経営財務入門」

「証券分析」と「財務分析」の橋渡しに

ビジネス・ゼミナール 経営財務入門ビジネス・ゼミナール 経営財務入門 第3版
井手 正介 高橋 文郎

日本経済新聞社 2006-04
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かねてよりコーポレートファイナンスの定番書として親しまれてきたロングセラーの改訂版。イマイチとっつき難いコーポレートファイナンスの概念を、証券投資と財務分析の両面から紐解く解説は相変わらずお見事。さらに今回の第3版では、M&Aの本格化や会社法施行といった最新のトピックについてもキッチリ手当てされており、その完成度は益々高まった。ファイナンスを志す学生や経営幹部必携の書とされているが、実は証券アナリスト試験(特に2次)対策の隠れた名著でもある。

余談だが、旧版刊行時はバブル崩壊後の右肩下がりの時期だっただけに、本書に対して「所詮は机上の空論よ」と斜に構えがちな向きが多かったように思う。そんな不遇の時代を脱却し、日本経済が回復しつつある現在(2006年)に改訂版が世に出たのは、まさに時宜に適ったものである。景気の後退・回復の両局面を体験した今こそ、本書が広く世に受け入れられる土壌が整ったと言えるだろう。



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2006年04月12日

「年金財政シリーズ8 年金財政Q&A」

だんだん分厚くなってます

zaisei8年金財政シリーズ8 「年金財政Q&A」(第4版)

企業年金連合会 2006-01

年金数理にまつわるあらゆるトピックを扱った年金財政シリーズの第8巻。企業年金の財政運営に関するトピックをQ&A方式で解説している。初版は厚生年金基金に関するトピックが少々掲載されているだけで、Q&A方式という形式以外に存在意義を見出せないチンケな造りだった。ところが、2000年以降の度重なる基金制度改正とともに改訂を重ねるにつれて質量ともにボリュームを増し、現在のページ数は約230と初版のじつに3倍に膨れ上がった。

今回の第4版では、厚生年金基金連合会から企業年金連合会に組織改組した後の刊行だけあって、厚生年金基金のみならず適格退職年金、さらに確定給付企業年金・確定拠出年金などの新制度にも対応している。ただし厚生年金基金と確定給付企業年金の記述は重複が多いのが気になる(汗)。つうかコピペやんけ。



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2006年04月10日

年金問題は企業の重要な経営課題ではなくなった!?

企業年金 利回り最高19.2%
 株高・円安が追い風
 (日経新聞)
企業年金の運用成績が好調だ。格付投資情報センター(R&I)によると、2005年度の企業年金基金の運用利回りが19.2%と過去最高を更新したもようだ。国内株式相場が大幅に上昇したほか、海外株式・債券も好調で円安も追い風となった。運用利回りは03年度から3年連続のプラスとなり、年金運用難に悩まされた企業も一息ついた格好だ。
(2006/4/7 日経新聞朝刊 3面)

企業年金の運用状況は、2000年度から3年間は大幅なマイナスをつけたものの、2003年度から3年間は平均でプラスを確保した(下表参照)。

20060410rimawari.jpg

03年度以降のプラス運用利回りには、国内株式市場の回復が大きく寄与している。ほんの数年前は株式運用する奴は白痴呼ばわりされたものだが、時代は変わったものだ(汗)。ただ、標準偏差(年度間のブレ)は年々大きくなっており、企業経営に与える影響は依然として無視できない。一業界人としては、相場に一喜一憂せず、引き続き年金運用のコントロールに注力せねばなるまいて。

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さて余談だが、本記事の某シンクタンク研究員氏のコメントに脊髄反射しているブログが幾つか散見された。何でも、「年金問題は企業の重要な経営課題とは言えなくなった」というのは誤解を招く表現で楽観に過ぎるとの事。
あれ、そんな表現あったっけか!? そこでさっそく記事のコメントを読んで見た。
ニッセイ基礎研究所の臼杵政治上席主任研究員は、「運用環境好転を受け、年金問題は企業の重要な経営課題とはいえなくなった。だが、年金運営のリスク管理をおろそかにすると市場環境次第で業績に悪影響を及ぼしかねない」と指摘する。
(以上、前出の記事より抜粋)

・・・どこをどう読んでも、楽観的なコメントには見えませんが?

何のことはない、記事のコメントのうち前半だけ切り取って「事実誤認だ」と叫んでいるのだ。企業年金の今後に警鐘を鳴らしていただけるのは結構なのだが、自説に都合の良いように記事を曲解する輩に「新聞報道に疑問を感じる」だの「報道が全てだとは思わないが」と論じられても説得力ゼロ。むしろ疑問なのは彼らの読解力だ(汗)。本題から外れたが、今回の新聞報道に関する一部ブログの反応には大いに疑問を感じた次第。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG: 企業年金の運用利回り報道に関する留意点



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2006年04月04日

「投資家のための金融マーケット予測ハンドブック」

マクロ経済指標の概要をサラッと掴むのに最適

投資家のための金融マーケット予測ハンドブック投資家のための金融マーケット予測ハンドブック 第3版
住友信託銀行マーケット資金事業部門

日本放送出版協会 2006-02
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金利・為替といった金融市場の分析に必要な基礎知識が上手くまとめられている良書。国内外の経済・金融統計の見方から、過去の金融政策や為替政策の動向分析までコンパクトかつ幅広くまとめられている。また米国・欧州など海外の景気指標に関する記述も厚く、海外関連だけでページ数の半分を占めるほど。個人的には、経済指標の解説で@公表元A公表頻度B他の指標との相関──がキチンと網羅されている点が好印象。うろ覚えな際にサラッと概要を把握するのに最適この上なく、手元にあると何かと重宝する一冊。

なお、終章にテクニカル分析の解説を掲載していることを理由に「テクニカル分析を有効視するような書籍は信用ならぬ!」と脊髄反射的に本書を過小評価する輩(ファンダメンタル分析至上主義者に多い)が稀に存在する。「手法の有効性」と「解説の分かり易さ」を混同したおマヌケな議論である(汗)。



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2006年04月01日

「年金生活への第一歩」改訂版

「請求もれ年金」をなくすための指南書 一段とパワーアップ

年金生活への第一歩(改訂版)ちょっと待った! これから年金の50代の方
年金生活への第一歩(改訂版)

高野 義博

2006-04

当BLOGとリンクしている「@年金」の高野氏による、これから年金が気になりだす50代のための「請求もれ年金」をなくすための指南書が一段とパワーアップした。

前版の完成度の高さについては以前のエントリで述べた通り。今回の改訂版では、請求者本人の視点から年金請求手続きの留意点が書かれた「終章 年金生活の実際」が新たに加わり、読者にとって親切度が一段とUPした。単に請求手続きを行うだけなら市販の書籍でも事足りるが、「請求漏れを無くす」という観点で書かれているのは日本狭しと言えども本書だけ。一般の方には勿論、年金相談を生業とする社労士・FP・金融機関職員にもオススメ。

※ 著者の高野氏のサイトはコチラ


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/2/2): 「年金生活への第一歩」



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