2006年10月04日

「年金基金のための資産運用入門」

つかみはOK!なのだが・・・90年代初頭の名著

年金基金のための資産運用入門年金基金のための資産運用入門
山田 正次

東洋経済新報社 1992-11
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序章「ある運用委員会での議論」における、とある年金基金の運用委員会でのやりとりを綴った描写が圧巻。

「(運用機関は)プロなんだから下落局面でも何とかしろ!」
「年金は老後目的資金。元本保証・安全確実が第一だ。」
「年金は長期運用なんだから、リスクを取るべし!」


↑といった理事の面々がぶつける疑問は、運用初心者ならば誰もが「そうだそうだ」と思うものばかり。これに対して基金の常務理事は、上記の質問に親切丁寧かつ熱心に答えて一同納得、詳細は次章以降で──という"つかみ"で、読者はグッと本書の世界に引き寄せられるのだが・・・

ところが、その甘言に期待して次章以降をめくると、期待ハズレもいいところ。前述の生々しいやりとりとは裏腹に、教科書的な通り一遍の解説が羅列するのみで、これでは前出の理事たち(=運用初心者)を納得させるのは至難の業ではないか(教科書的な解説としては及第点の出来だが)。とはいえ、1990年代初頭に刊行された書籍にしては整理されており、また年金基金の役職員向けに書かれたおそらく最初の「運用入門本」という先駆者的な役割に敬意を表して★3つを献上する次第。



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posted by tonny_管理人 at 20:30 | Comment(0) | TrackBack(0)
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