2006年10月06日

特定業種退職金共済の概要とその運用方針

(独)勤労者退職金共済機構は、中小企業退職金共済(中退共)の他に特定業種退職金共済なる制度を運営している。
特定業種退職金共済とは、中退共と同様の退職金給付を行う制度で、現在、建設業・清酒製造業・林業の3業種で実施されており、それぞれ建退共清退共(酒退共)林退共と呼ばれている。当該業種に属してさえいれば企業規模(人数・資本金)は問われないものの、被共済者(加入対象者)となれるのは期間雇用者のみである。
さて、そんな建退共・酒退共・林退共の基本ポートフォリオを中退共も併せて比較したのが以下の表である↓

      国内債券 国内株式 外国債券 外国株式 その他
 建退共  86.2%   5.3%   2.6%   2.6%  3.3%
 清退共  91.9%   4.1%   2.0%   2.0%  0.0%
 林退共  95.6%   2.6%   1.8%   0.0%  0.0%
 中退共  79.0%  10.0%   5.0%   6.0%  0.0%


以前当BLOGで「中退共の資産運用は公的年金よりも保守的」と書いたが、中退共の弟分である建退共・酒退共・林退共はそれを上回る保守っぷりであることがわかる。安全重視と言えば聞こえは良いが、ところが(基本ポートフォリオから導出される)期待収益率と予定利率とを比較すると、思わぬ姿が見えてくる↓

     @期待収益率 A予定利率  @−A
 建退共   1.62%   2.70%  ▲1.08%
 清退共   2.04%   2.30%  ▲0.26%
 林退共   1.67%   0.70%   0.97%
 中退共   2.60%   1.00%   1.60%


中退共・林退共は期待収益率が予定利率を上回っている一方、建退共・清退共は期待収益率が予定利率を下回っているという姿に二分している。中退共・林退共は累積損失を抱えているため、現在「累積欠損金解消計画」に基づきその解消に努めている。予定利率を低い水準に抑えているのもその一環だと思われる。
一方、理解できないのは建退共・清退共。いくら現在は累積欠損金が存在しないとはいえ、この状態(期待収益率<予定利率)では「逆ざやをどんどん出します!」と宣言しているようなもの。給付建て(確定給付型)ならまだしも、掛金建て(確定拠出型)制度でこの運用方針は果たしていかがなものかと。よく監督官庁(厚生労働省)が認めたものだ。

※中退共・建退共・清退共・林退共各制度の運用基本方針はこちら
※中退共・林退共の累積欠損金解消計画はこちら


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/9/29): 給付費からみる中退共と企年連の運用スタンスの違い






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posted by tonny_管理人 at 12:10 | Comment(0) | TrackBack(0)
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