退職者の企業年金 NTTの減額認めず (NIKKEI-NET)
「経営悪化なし」東京地裁判決
NTTグループ67社が、退職者の企業年金減額を厚生労働省が承認しなかったのは違法として、国に処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁の定塚誠裁判長は19日、「減額がやむを得ないほどの経営悪化はない」などとしてNTT側の請求を棄却した。
法律に基づく企業年金の国の処分を巡る初の司法判断。定塚裁判長は年金を減額できる条件として「経営悪化により、企業年金を廃止するのを避けるためやむを得ない場合」との厳格な基準を示した。その上で、2004年度までの3年間、NTT東日本とNTT西日本で合計約1000億円の当期利益を継続的に計上したことを挙げ「給付減額がやむを得ないとはいえない」と結論付けた。
(2007/10/20 日経朝刊 1・5面)
NTTの確定給付企業年金を巡る訴訟については当BLOGでも何度か取り上げたが、このたび地裁レベルではNTT側が敗訴した模様。NTTが給付減額を画策した2002年当時の年金・退職金の積立不足は3兆円超と言われていたが、
直近の財務諸表(←81ページ参照)を見ると積立不足(未払退職年金費用)は1兆5000億円にまで減少しており、こうした環境の変化も作用したように思う。
ところで、本件について
「一民間企業の労使合意に行政がいちいち介入するな」とする見解が散見される(
ココとか)。確かに一面的には正しい指摘である。かくいう当BLOG管理人もかつては
そんなふうに考えていた時期があった。しかし、税制優遇を伴わない社内預金制度や自社年金制度ならそうした理屈も成り立つが、
確定給付企業年金制度は掛金の損金算入をはじめ数々の税制優遇措置を享受していることを見過ごしてはならない。税制優遇(実質的には国から補助金を受けているのと同義)を受ける以上は、民間企業であっても公的な責任を背負わざるを得ない。年金支給のために税金を減免して貰いながら本来の目的を果たさないというのは、補助金の不正受給と同じである。給付減額の要件が厳格なのは、受給権保護も然ることながら、税制優遇の不正利用を防ぐためでもある。
それに対して
「年金制度のために企業が潰れたら元も子もないではないか」という反論が予想される。しかし、企業年金は借入金や社債と同様、後日他人に対して支払うべき債務(他人資本)である。契約社会で「借入金返済のために企業が潰れたら元も子もない」「社債の利払いのために企業が潰れたら元も子もない」という抗弁が通用する筈もないのに、企業年金に限ってそれを認めろというのは珍妙な話だ。契約変更の自由とは、後出しジャンケンまで容認するものではあるまい。
それでも「労使の好きにさせろ」「行政は口を挟むな」と言うのなら、
税制優遇とは無縁な社内預金制度・自社年金制度に移行すれば良い。これらの設立・廃止はそれこそ企業の自由だし、行政からも余計な介入はされまい。
規制されたくないが税制優遇は欲しいというのは企業のエゴに過ぎない。まあ、本件については企業にも受給者にもどちらにも与するつもりはないので、あとは当事者同士で勝手にやってくれ(汗)。
<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/5/6): 企業年金減額、NTTが行政提訴The企業年金BLOG(2006/2/23): NTTの年金減額、厚労省認めず
posted by tonny_管理人 at 12:03
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年金ニュース