2007年12月28日

2008年の最低責任準備金の予定利率

厚生労働省は12月21日、厚生年金基金の最低責任準備金の算定に用いる2008年の利率を3.10%と告示した(厚生労働省告示第422号)。最低責任準備金に付与する利率は、厚生年金本体の実績に基づき設定されることとなっており、今回の利率は、2006年度における厚生保険特別会計の年金勘定にかかる積立金の運用実績に基づき定められたもの。なお、特例解散における最低責任準備金の分割納付に用いる利率も、同様に3.10%と告示された(厚生労働省告示第423号)。

厚生年金基金の代行部分の予定利率については、1999年9月までは一律5.5%という固定利率だったものの、1999年10月以降は、厚生年金本体の運用実績に準拠した変動利率を用いている。08年利率が3.10%となるでであろうことは当BLOGでも既に報告済みであるため繰り返さない。99年10月以降の利率の推移は以下のとおり。

 <暦年>  <利率>
 1999年  年4.66% ※10〜12月のみ
 2000年  年4.15%
 2001年  年3.62%
 2002年  年3.22%
 2003年  年1.99%
 2004年  年0.21%
 2005年  年4.91%
 2006年  年2.73%
 2007年  年6.82%
 2008年  年3.10%



<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/8/15): 公的年金決算から見る代行部分の予定利率の動向
The企業年金BLOG(2007/3/16): 企業年金の予定利率の算出根拠とは
The企業年金BLOG(2006/12/14): 代行部分の予定利率は5.5%に非ず



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2007年12月25日

NHK「日本の、これから」に出演

日本の、これから 〜 どうなってしまうの? わたしの年金
◆2007年12月22日(土) 19:30〜22:29
5000万件の“宙に浮いた”加入記録の問題や、社会保険庁職員による横領問題など、年金制度への信頼が、かつてないほど揺らいでいます。少子高齢化が進む中で、今後、現役世代の負担はさらに増える一方、受け取る年金の水準は低くなっていきます。年金の“空洞化”も問題になっています。国民年金の保険料の未納率は33.7%に達しています。
どうすれば、安心で信頼できる年金制度をつくることができるのでしょうか。 今年最後の「日本の、これから」は、"年金"について、一般視聴者や有識者の皆さんをお招きして、徹底的に討論します。
(番組ホームページより引用)

実は当BLOG管理人も一般視聴者として出演していた次第。もっとも、発言機会は前半1回だけで、その後はちっとも当ててもらえなかった。やはり前半での発言内容が問題視されたか・・・(汗)
それにしても、設問が両極端に過ぎるので、見識のある者が考えあぐねているうちに、威勢の良い連中が好き勝手言いはじめて、気が付くと議論がしょーもない方向に流れがちであった(特に後半)。事前取材の段階で「これは良い意見だから是非言って欲しい」という論点を2つ用意していたが、これも結局披露できず。滅多にない経験をさせてもらったものの、いささか消化不良であった。企業年金ブログの管理人ふぜいが公的年金を語るのは畑違いだったか(汗)。



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2007年12月20日

HP-17BU

こちらも金融電卓の定番

HP-17BUHP-17BU

Hewlett-Packard

以前当BLOGで紹介したヒューレット・パッカード(HP)の金融電卓HP-12Cの上位機種がこのHP-17B2。12CはRPN(逆ポーランド方式)という入力方式が最大の売りだったが、17BUではRPNのほか通常の入力方式も選択可能。桁数表示や処理速度なども改善されており、仕事用としてはこちらの方が実用的か。

なお、2003年にHP社の電卓部門が日本から撤退したため一時は入手困難だったが、現在は復刻版であるHP-17BU+が販売されている。

HP-17BU+HP 17bII+ 金融電卓

ヒューレット・パッカード
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また、17BUについても日本語マニュアルがHP社サイトにupされている。

HP-17BU日本語マニュアル HP-17BU 取扱説明書 (pdfファイル)

横河・ヒューレット・パッカード(株)
1989


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/11/9): 「HP-12C 日本語マニュアル」
The企業年金BLOG(2005/12/9): HP-12C



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2007年12月15日

単なる「金持ち優遇税制」要望は通用しない

401kは「ゼロ回答」 特法税凍結3年延長 税制改正大綱 (jijicom)
13日公表された与党の2008年度税制改正大綱で、企業年金税制の改正要望に関する検討結果が分かった。運用実績に応じて将来の給付額が変動する確定拠出年金(日本版401k)の見直しについて、大綱は従業員負担で掛け金を上乗せする「本人拠出」解禁などの要望をすべて見送った。
一方、年金積立金に課税する「特別法人税(特法税)」については、今年度で凍結の期限が切れた後も3年間、凍結を延長することが認められた。
(2007/12/13 時事通信)

企業年金に関する税制改正要望でよく話題に上るのが「確定拠出年金(DC)の税制優遇の拡大」「特別法人税の廃止」だが、今回公表された与党の税制改正大綱ではそのどちらも叶わず、現状維持となった。
とりわけDC関連では、「拠出限度額の引上げ」「本人拠出(いわゆるマッチング拠出)の解禁」など例年にない力の入れようだったが、あえなく長期検討事項(という名の先送り)に。DC業界関係者の嘆きが聞こえてくるようで、当BLOG管理人にとっては実に心地良い(笑)。

よく「月額4万6千円の拠出限度額は低い」と言われるが、果たして本当だろうか。4万6千円とはいえ、30年間掛ければ1656万円(4万6千円×12月×30年)、40年間では2208万円もの貯蓄が可能だ。拠出限度額を引上げたところで、その恩恵を享受するのは(多額の拠出が可能な)高額所得者のみである。それに、企業型では限度額いっぱいまで掛けている人間が加入者全体の5%にも満たない状態(←出典:コチラの2ページ)な上に、企業拠出でカバーできない分を「マッチング」だのと称して加入者に自腹切らせようってところに、業界および企業サイドの本音が見え隠れする。
このように、特定の高所得者・高収益企業のみを利するような税制改正は、わが国では到底容認されない(そういう意味での良心は、意外にもわが国には根強く残っている)。DC関連の税制優遇要望が一向に認められないのは、その点への配慮が著しく欠けているからである。そもそも、終身給付すら義務付けられていない制度を他の金融商品よりも税制優遇しなければならない理由って何だろうね?


<関連資料>
平成20年度税制改正大綱・予算編成大綱・予算重要政策(自民党)
平成20年度税制改正の概要(厚生労働省)



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2007年12月09日

赤字の時だけ大騒ぎ2

公的年金の市場運用利回り、7―9月期はマイナス1.8% (NIKKEI-NET)
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(年金運用法人)が5日発表した2007年7―9月期の市場運用実績によると、運用利回りは1.80%のマイナスで、1兆6328億円の損失が発生した。運用利回りがマイナスとなったのは06年4―6月期以来、5四半期ぶり。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響で、株安や円高が進んだことが主因だ。
(2007/12/6 日経朝刊 5面)

2006年度は3兆7千億円の黒字を叩き出した年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)だが、2007年7-9月期は運用利回りがマイナス1.80%と5四半期ぶりの赤字となった。今回の報道を受けて、例によってWebの世界では「役人にギャンブルをさせるな!」(注:厳密には役人じゃないんだけどねw)と怒り心頭のブログが散見されるが、はて、GPIFの成績は言われるほど酷いものなのだろうか? つうことで、過去の四半期ごとの運用収益を以下にプロットしてみた。

  年  四半期  運用収益(億円)
 2002 4-6   ▲8,343
      7-9  ▲11,768
      10-12 ▲1,419
 2003 1-3   ▲4,347
      4-6    20,855
      7-9     3,597
      10-12  10,469
 2004 1-3    12,304
      4-6     3,900
      7-9     ▲572
      10-12   9,934
 2005 1-3    10,581
      4-6     8,591
      7-9    31,240
      10-12  34,509
 2006 1-3    12,455
      4-6   ▲20,032
      7-9    23,609
      10-12  23,795
 2007 1-3     9,032
      4-6    23,752
      7-9  ▲16,328


上記のデータを参照した限りでは、おおむねマーケットに準拠した動きとなっており、累計では莫大な黒字を確保している事がうかがえる。それにしても、運用が好調なときはウンともスンとも言わないくせに、低調なときに限ってギャアギャア騒ぐ輩が後を絶たないのはどうしたことか。こうした態度は、子育てて言えば長所を誉めることなく欠点ばかり指摘して悦に浸っているダメ親そのものである。マスメディアの報道を鵜呑みにしている様をわざわざネットで公言することもあるまいに(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/8/1): これぞ分散投資の威力!?
The企業年金BLOG(2006/9/6): 赤字のときだけ大騒ぎ



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2007年12月06日

「ズバリ図解 年金と税金」

仔細ではなく「体系」の理解に適している

ズバリ図解 年金と税金 (ぶんか社文庫)ズバリ図解 年金と税金 (ぶんか社文庫)
田中 章公

ぶんか社 2007-12
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たまたま年金と税金の両方を研究しているので本書を手に取ってみたが、制度の細部よりも「体系」を理解させようとする構成が秀逸。著者は会計士・税理士畑出身だけあって、とりわけ税制に関する解説は分かり易くまとめられている。反面、年金については通り一遍な記述に終始しているのが残念だが、本書全体の価値を損なう程ではない。総合評価は★3(年金:★2、税金:★4)とさせていただく。



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2007年12月01日

自己責任原則の敗北を意味するDCの「自動化」

前回に引き続き、日経ビジネス2007年11月12日号の附録「変わる企業年金」を教材にした記事の検証を行うこととする。

最後に言及する記事は、大川洋三東北福祉大学特任教授による米国401k制度のレポート。2006年の年金保護法の制定により、401kでは、@従業員が非加入を選択しない限り強制的に加入させる「加入の自動化」、A加入者が拠出率を設定しない限り強制的に一定上限まで掛金を引上げる「拠出の自動化」、B自動加入した者が運用商品の選定をしない限り強制的にバランス型投信等を選定する「運用の自動化」などの措置が講じられたことは、当BLOGでも何回か取り上げた(ココとかココとか)。
大川教授は、こうした米国の動向に何ら疑問を投げかけることなく、嬉々として「これぞ確定拠出年金の進化した姿。It's Cool!」とばかりに舶来礼賛思考ぶりを晒している。だがちょっと待ってほしい(by朝日新聞社説)。401kがわが国に紹介された90年代後半当時、401kはどのように喧伝・賛美されていただろうか。曰く、

 「自分の手で自分の未来を設計する」
 「加入者に選択肢や権限を与える」
 「米国では投資教育が小学校から根付いている」


──06年の制度改正は、これらの賛美がみーんな嘘っぱちだったことを白日の下に晒したわけだ。まあ考えてみれば、アメリカ人とて同じ人間。皆が皆投資知識に詳しいわけではない。かのエンロンの社員ですら401kで自社株一点買いしてたわけだし。今回の401kプランの制度改正が示唆するもの、それは自己責任原則の敗北である。

それにしても噴飯モノなのは、執筆者の大川特任教授。自動加入やファンドの自動選定などの措置を「より簡便に適切な投資機会の普及が図られた」と賞賛しているが、逆に加入者からは"選択する機会"を奪っているやんけ。挙句に、さんざん「自動化マンセー!」を唱えておきながら、最後は「自立意識を醸成し、自らの手でつくり上げたライフプランをもとに、自分の老後を確立していく風土づくりが急がれる」だと。もはや正気の沙汰ではない。欧米信奉者、マーケット信奉者にありがちな単細胞ぶりを見事に体現化した、ツッコミ所満載の記事であった。これでは"特任"教授の肩書きが泣くぞ(汗)。


<シリーズ:日経ビジネス別冊>
The企業年金BLOG(2007/11/29): リスク分散に逆行する「公的年金のDC化」
The企業年金BLOG(2007/11/26): いまさら「会計基準」「適年廃止」でDC化が加速ですか(苦笑)

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/1/25): 反面教師(セミナー講師編)
The企業年金BLOG(2006/11/17): DC運用は「自己責任」から「委託責任」へ?
The企業年金BLOG(2006/11/14): 『米国人は投資上手』なんて幻想?



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