2009年05月27日

適格退職年金の2009年3月末の状況

毎年5月下旬に公表される「企業年金の受託概況」が、今年も信託協会生保協会JA全共連の連名によりリリースされた。

 ◆企業年金の受託概況(平成21年3月末現在)

 20090527nenkin-jutaku2008.jpg

  ■信託協会のリリース
  ■生保協会のリリース
  ■JA全共連のリリース
 (注)上記3つのリリースはいずれも同じ内容。

上記の3団体が公表している「企業年金の受託概況」では、適年の他にも厚生年金基金と確定給付企業年金の状況も掲載されている。この2制度については厚生労働省や企業年金連合会からも精緻な統計数値が公表されるが、適格退職年金に関する統計は、事実上この「企業年金の受託概況」でしか把握できない。適格退職年金の監督官庁は国税庁だが、この辺の監督体制はかなりアバウト。適年が他の企業年金制度への移行を余儀なくされたのも、この点が問題視されたとの説もある。

さて本題に入ろう。上記によると、適格退職年金は2009年3月末で契約件数25,441件(前年度比▲7,384件)、加入者数348万人(前年度比▲94万人)となった。以前紹介した「年金情報」誌の記事では25,464件と書かれていたがどうやら修正が入った模様。契約総数は3万件の大台を下回ったとともに、減少数も3年ぶりに7千件台に達した。なお、過去2年間に比べて、加入者数の減少幅が大きくなっているのが目立つ(06年度は▲63万人、07年度は▲64万人)。加入者数の多い大規模適年が移行(あるいは廃止)に踏み出しつつあるのだろうか。
一方、資産残高は8兆1,319億円(前年度比▲3兆6,114億円)と、こちらも10兆円の大台を割り込んだ。しかし、08年度は前年度以上に資産運用環境が低調だったにも関わらず、減少幅は前年から若干低下した程度(07年度の減少幅は▲3兆8,820億円)に収まっているのはやや不可解。適年は生保一般勘定による運用が主体であることと関連があるのかもしれないが、ここでは深く論じない。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/5/28): 適格退職年金の2010年3月末の状況
The企業年金BLOG(2008/5/30): 適格退職年金の2008年3月末の状況
The企業年金BLOG(2007/5/25): 適格退職年金の2007年3月末の状況
The企業年金BLOG(2006/5/26): 適格退職年金の2006年3月末の状況



 ←気が向いたら是非クリック願います

posted by tonny_管理人 at 16:47 | Comment(0) | TrackBack(0)
| データで見る企業年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月26日

HP電卓を快適に使いこなすための2冊

当BLOG管理人御用達の金融電卓HP-12CおよびHP-17BU。今回は、そんなHP金融電卓を使いこなすための書籍を幾つかご紹介しよう。


カッコのない国カッコのない国 (はじめて出会うコンピュータ科学)
村井 宗二

岩波書店 1990-05
売り上げランキング : 323,927
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

1990年に岩波書店から刊行された「はじめて出会うコンピュータ科学」シリーズの第4冊目。HPの金融電卓は、逆ポーランド方式(RPN)と呼ばれる独特の入力方式が特色で、複雑な式でもカッコを全く使わずに計算することが可能である。このRPNの仕組みを、本書では「ほら穴式計算法」と称して解説している。


HP12cによる ときめきひらめき金融数学 (mag2libro)HP12cによる ときめきひらめき金融数学 (mag2libro)
木村 弘之亮

パレード 2008-10-15
売り上げランキング : 31,720
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

一方こちらは、昨年刊行したばかりのHP-12Cに特化した解説書。入力方法そのものよりは、CFやIRRやNPVなど各種ボタンの使い方を指南するといった趣き。もっとも、HP-12CHP-17BUの日本語マニュアルを既に手にしている向きにとっては、敢えて買いに走る必要性は薄いかもしれない。あと、「ときめき」「ひらめき」というタイトルは正直恥ずかしい(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/12/20): HP-17BU
The企業年金BLOG(2005/12/9): HP-12C



 ←気が向いたら是非クリック願います

posted by tonny_管理人 at 23:31 | Comment(2) | TrackBack(0)
| こだわりグッズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月23日

学会デビューするも・・・_| ̄|●

本日は、日本年金学会主催の2009年度第1回研究会に初めて発表者として臨んだ。内容は、先頃執筆した専門職学位論文の要旨。この研究会はプレゼン後の質疑応答が凄まじいことは以前にも述べたが、当BLOG管理人も本日その洗礼を嫌というほど受けた次第。いくら表やグラフなど見てくれを整えたところで、30分以上も質疑応答に晒されると全て丸裸ですわホント。まあ、自分では気付かなかった点を指摘して貰ったことにより今後の改善点が見えたことに対しては、率直に感謝申し上げる次第。本日の唯一の収穫は、いつもより余計に回して笑いを取れたことくらいか(謎)。



 ←気が向いたら是非クリック願います

posted by tonny_管理人 at 22:39 | Comment(0) | TrackBack(0)
| イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月21日

適格退職年金の移行に係る実態調査結果

本年1月に設立された適格退職年金の企業年金への移行支援本部では、その行動計画(案)において「(中略)適格退職年金を行っている事業主の移行に係る状況調査を取りまとめ〜」と明記していたが、今般、その実態調査の結果が公表された。ざっと見渡した限りでは、業界内で半ば常識として語られていたトピックが数値的にも裏付けられた格好であった。

 ○適格退職年金に関するアンケート結果について(厚生労働省)

ところで、当BLOG管理人が意外に感じたのは、適年廃止の認知状況および移行検討状況(事業主版p.2)。適年廃止は企業の96%が認識しており、また89%が適年移行を前向きに検討しているとの事だった。残り3年弱で適年移行が一気に進むかの如き印象を受けるが、これはあくまでも有効回答企業数に占める割合である旨留意されたい。本調査は2008年12月時点における適年実施事業主27,953社を対象としているが、有効回答数は11,308社と調査対象の約40%である。未回答企業を「適年移行に後向き」と仮定すると、実際の検討状況は89%(=9,979/11,182)ではなく36%(=9,979/27,953)程度と捉えるのが妥当かもしれない。なお、回収率40%という水準はこの種の統計調査にしては高水準であり、サンプル数も統計分析上差し障りない数量である旨付記しておく。



 ←気が向いたら是非クリック願います

posted by tonny_管理人 at 13:22 | Comment(0) | TrackBack(0)
| データで見る企業年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月20日

「第一生命 年金通信」

現在最もホットな受託機関ニュースレター

第一生命 年金通信第一生命 年金通信

第一生命保険相互会社

企業年金の受託金融機関が顧客企業・年金基金向けに発行しているニュースレターの一種。法律改正等のタイムリーな話題から用語解説といった基礎的な内容まで、さまざまなテーマについて解説されている。また、表紙右上にインデックスが制度別(DB・厚基・適年・DC・退職金など)および内容別(年金財政・事務サポート・法改正・PBOなど)に表示されており、内容の速やかな把握に有用。バックナンバーは2005年度から開示されている。
なお、本レポートでは連載記事が何本か交互に掲載されているが、当BLOG管理人のイチオシは「数理室だより」。年金数理・年金財政に関する用語解説および事例解説が上手くまとめられており、Web上で無料公開するとは実に太っ腹である。



 ←気が向いたら是非クリック願います

posted by tonny_管理人 at 16:21 | Comment(2) | TrackBack(0)
| 書評:雑誌・連載記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月14日

労組系NPOの研究会を観覧

本日は、NPO法人金融・年金問題教育普及ネットワーク主催の研究会を観覧した。「生保受託の適格退職年金は廃止後は個人年金と同じ税制に」「中退共は旧通産省所管」「中退共は掛金助成あり!」など的外れな解説も若干みられたものの(汗)、講演内容自体はごくごくオーソドックスであった。とりわけ、適格退職年金への移行について「労働組合から働きかけないと企業側が時間切れを狙って制度を廃止しかねない」との指摘には深く考えさせられた。
ところで本日の研究会では、かつて当BLOGでも何度か紹介したことのある「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」の最新版(2009年版)を期せずして入手することができた。気が向いたら感想をupしてみる。


労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック(2009年版)労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック(2009年版)

日本労働組合総連合会
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク 共編
2008-11


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2008/2/25): 「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」2008年版



 ←気が向いたら是非クリック願います

posted by tonny_管理人 at 23:48 | Comment(2) | TrackBack(0)
| イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月08日

2009年3月末時点の適格退職年金は25,464件25,441件

─────────────────────────
【2009.5.27追記】
2009年5月27日に公表された「企業年金の受託状況」2008年度版によると、2009年3月末の適格退職年金の件数は25,441件に修正された模様です。お間違えのないようご注意ください。

─────────────────────────


格付投資情報センター(R&I)発行の「年金情報」2009年5月4日号によると、先月28日に開催された「適格退職年金の円滑な移行の推進に関する連絡会議」に関する記事が掲載されていた。その記事中に、なんと2009年3月末時点の適格退職年金の件数が25,464件と掲載されていた。適格退職年金の件数といえば、従来は毎年5月末に発表されるのみであったが、最近は社会保障審議会年金部会や企業年金政策研究会などの場でも公表されるようになっている。適年移行が始まった2002年以降の件数の推移は、以下のとおりである。

  <年月> <件数> <減少数>
  2002.3  73,582   ──
  2003.3  66,741 (▲6,841)
  2004.3  59,163 (▲7,578)
  2005.3  52,761 (▲6,402)
  2006.3  45,090 (▲7,671)
  2007.3  38,885 (▲6,205)
  2008.3  32,826 (▲6,059)
  2009.3  25,464 (▲7,362)


2008年度の減少数は7,362件と前年度比で1千件増加、2003年度に次ぐ減少ペースとなった。とはいえ、残り2万5千件を3年間で全て移行させるとなると、1年当たり約8,500件を処理しなければならない。余談だが、この記事の隣ページには「西村・企国課長、『適格年金は2011年度に廃止』を改めて強調」という見出しが隣接していた。誰が上手い配置をしろと(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/5/27): 適格退職年金の2009年3月末の状況
The企業年金BLOG(2009/2/27): 2008年9月末時点の適格退職年金は29,321件
The企業年金BLOG(2008/5/30): 適格退職年金の2008年3月末の状況



 ←気が向いたら是非クリック願います

posted by tonny_管理人 at 17:15 | Comment(2) | TrackBack(0)
| データで見る企業年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする