2009年06月30日

官公労主催の年金集会(1日目)

本日より2日間、官公労主催の年金集会(セミナーとかフォーラムよりも「集会」の方がしっくり来る?)を観覧するという人生初の機会を得た。1日目は公務労協(公務公共サービス労働組合協議会)主催の「6.30社会保障学習会」、2日目は自治労(全日本自治団体労働組合)主催の「自治労年金集会2009」。一部共同開催の形式を採っており、会場も共有している。官公労の集会というと、横断幕やら幟がはためき、ヘルメット姿の参加者と機動隊がにらみ合い・・・という殺伐とした景色を想像していたが、思いのほか和やかな空気であった。

さて1日目のプログラムは、慶應義塾大学教授の駒村康平氏による講演と、朝日・読売・日経3紙の担当者によるパネルディスカッションという2本立て。とりわけ、昨年頃から独自の年金改革案を提唱している日刊紙3紙が揃い踏みするのは本邦初の試みとのことで興味を惹かれたが、結果的には各々の持論を主張するだけの退屈な内容であった。折角役者を揃えたのに何とも勿体ない。以前に3紙合同で開催した座談会からの進展は何ら見られなかった。質疑応答も無いマターリ進行など、官公労の過激なカラーとは程遠い気がするのだが(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/6/30): 官公労主催の年金集会(2日目)



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2009年06月25日

OECDの公的年金所得代替率に関する留意点

日本の年金水準、G7では6番目 OECDまとめ (NIKKEI-NET)
【パリ=野見山祐史】日本の公的年金の支給水準は現役時代の所得の3割強にとどまり、先進主要7カ国(G7)では英国に次いで低いことが、経済協力開発機構(OECD)が23日公表した「図表で見る年金2009」で分かった。年金水準の低さは高齢者の貧困の一因にもなっている。
OECDは加盟30カ国の男性の単身世帯について、現役時の所得のどの程度を公的年金で老後に受け取るかを示す「所得代替率」を集計。平均的な所得水準の場合、日本の税・保険料控除前の所得代替率は33.9%で、OECD平均(59.0%)を下回った。
(2009/6/24 日経朝刊 5面)

日本の公的年金における所得代替率(=年金額/現役時代の所得)はモデル世帯で現在59%であり、2004年の財政再計算では所得代替率50%を確保するよう手当てしたとされている(一応)。ところが、OECDの調査では日本の所得代替率は50%どころか30%台と加盟国中最下位グループに位置している──とするのが上記の記事。この報道を受けて「小泉改革のせいで50%から30%に低下した!」などと早合点するトホホなBLOGも散見されるが、では、OECDの所得代替率は厚生労働省のそれとどう異なるのだろうか?

OECDの「Pension at a Glance」シリーズは、世界各国の公的年金制度を横断比較している興味深い資料だが、制度も歴史風土も異なる各国の制度を統一的な基準に置き換えているため、数値の解釈には慎重に挑む必要がある。今回の出典元である「Pensions at a Glance 2009」だが、当BLOG管理人は現時点では原本を入手していないため、各国別ハイライト前版「Pensions at a Glance 2007」(pdf全文はコチラ)を基に解説したい。
 
 日本の所得代替率はなぜ低いのか?(続きを読む)



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2009年06月23日

イコーマンの正体判明す!?

厚労省若手職員、適格年金移行テーマに動画作成 (年金情報)
厚生労働省はインターネット上で多くの閲覧者がいる「YouTube」で適格退職年金の移行に関する動画配信を始めている。企業年金国民年金基金課の若手職員が動画を作成した(後略)
(2009/6/15 年金情報 p.17)

なるほど、そういうことだったのか。
ヘタウマ路線を狙ったわけではないことは承知した(汗)。
さて、記事の続きは・・・↓

動画は、「適格退職年金移行物語」と題するもので、約6分間の短編ストーリーを収録。適格年金の移行問題を知ったOLが社長に「あと3年しかない」と適格年金の移行を促すが、社長は「まだ3年ある」と移行を決めかねている。そこに適格年金の移行を促す適年移行推進隊「イコーマン」が登場し、移行に必要な相談先を助言する。(後略)
(前掲記事より抜粋)

それにしてもイコーマンって、推進「隊」と称する割には一人ぼっちだったり、結局自らは手を下さず相談先を紹介するだけだったりと、ツッコミどころが日増しに増える一方だが、せめて当BLOGだけは今後の成り行きを生温かい目で見守ることとしたい(汗)。



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2009年06月17日

「ジュリスト」の企業年金特集

ジュリスト 2009年6月1日号(No.1379)ジュリスト 2009年6月1日号(No.1379)

有斐閣



『ジュリスト』(有斐閣)といえば法曹界における定評ある専門誌として名高いが、このたび刊行された6月1日号(No.1379)にて、久々に企業年金の特集が組まれた模様。ジュリストの特集記事は、法学者だけでなく他分野の学者、官僚、実務家など多岐にわたる分野の研究者が集うのが特色で、今回の特集も上質な仕上がりとなっている。なお本号の目次は以下のとおり。まあ、いつものメンツかよと言えなくもないが(汗)。

【特集】企業年金のいま (2009.6.15 1379号)
 ◇総論―企業年金の法的論点 (森戸英幸)
 ◇企業年金制度の現状と課題―適格退職年金の移行を中心に (西村淳)
 ◇確定拠出年金の現状と課題 (野村亜紀子)
 ◇企業年金の受給者減額をめぐる裁判例 (嵩さやか)
 ◇企業年金のガバナンス (臼杵政治)
 ◇企業年金と規制の経済分析 (石田成則)



なお、ジュリストでは企業年金の特集が過去に2回組まれている。いずれも企業年金に関する当代一流の研究者・官僚・実務家が集結しており、内容も高水準。企業年金を研究対象にしようとする研究者・学生のファースト・チョイスにはまさに打って付け。

【特集】企業年金改革 (2001.10.15 1210号)
 ◇新時代を迎える企業年金法 (岩村正彦)
 ◇確定給付企業年金法 (柳楽晃洋)
 ◇確定拠出年金制度の導入の背景とその概要 (尾崎俊雄)
 ◇企業の退職金・年金と雇用管理 (今野浩一郎)
 ◇企業年金制度の改編に伴う法的問題 (森戸英幸)
 ◇企業年金改革と人事戦略 (高梨昇三/久保知行)
 ◇確定拠出年金ビジネスの動向と評価 (山口光太郎/須藤一紀)
 ◇野村證券の401(k)ビジネスに関する戦略 (藤野慎)
 ◇信託銀行における確定拠出年金業務の展開 (桐谷太郎/上澤秀仁)
 ◇確定拠出年金ビジネスのサービス形態 (山本御稔)

【特集】企業年金の現状と課題 (1998.2.15 1128号)
 ◇企業年金の受給権保護について―年金財政の観点から (坪野剛司)
 ◇企業年金と課税―適格退職年金制度の検討を中心として (佐藤英明)
 ◇退職給付の受給権保護 (森戸英幸)
 ◇厚生年金基金の受託者責任ガイドライン (神田秀樹)




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2009年06月11日

401(k)が駄目ならIRAだってか(汗)

待望される本格的個人年金 (大機小機)
(前略)残る一つは、全国民に向けた老後のための非課税積立制度である。個人の自助努力を促すうえでは、何にもまして税の優遇による後押しが欠かせない。米国で企業年金を補完する目的で誕生したIRA(個人退職勘定)は、今では資産規模で401kを超える最大の退職所得制度となっている。二匹目のドジョウではないが、日本版個人退職勘定の登場が切望される。(後略)
(2009/6/10 日経朝刊 17面)

IRA(個人退職勘定)とは、個人が金融機関等に開設した個人口座に拠出する制度であり、1974年に制定されたERISA(法)により規定されている。元来は企業年金制度が無い労働者への税制優遇措置であったが、その後の改正により現在は70.5歳未満の全勤労者および自営業者が利用可能である。また、中途引出しには10%のペナルティ・タックスが課せられる。日本で言うところの個人型確定拠出年金のイメージに近い。IRAの資産規模は2007年末で4.7兆ドルと、同時期のDC制度(401(k)プラン含む)の資産規模3.7兆ドルを上回っている。これは記事の指摘のとおり(出典)。しかし、IRAの年間拠出限度額は5,000ドルと、401(k)プランの拠出限度額15,500ドルと比較すると拠出限度枠は小さい。IRAの資産規模が大きいのは、転職時・退職時における401(k)プラン等の積立金の受け皿として機能していることによる(これをロールオーバーIRAと言う)。

さて、これまで確定拠出年金(注:日経新聞は必ず日本版401k(笑)という呼称を用いる)の導入・普及の旗振り役を担ってきた日経新聞だが、日本における普及が思うように進まない苛立ちからか、今度は日本版IRA(笑)を創設せよと来たもんだ。要は、どんな形でもいいから株式市場に資金が流入すれば万々歳という発想なのだろう。さすがは日本最大の株式新聞の面目躍如といったところ(毒)。別に日本版IRAなどと声高にブチ上げなくても、個人型DCの改正・整備で十分に対応可能なのだがね。IRAや401(k)は本来は非常に良い制度であり、ポータビリティ確保の観点からはこれらの機能を拡充すべきと当BLOG管理人は考える。しかし、同じ主張を投信手数料を稼ぎたい金融機関資産運用アドバイスで優越的地位を占めたい金融マスメディア風情に為されると、それが結果的に正論であっても「お前が言うな」と思わず条件反射してしまう(汗)。
予断だが、日本においてIRAではなく最初に401(k)が注目されたのは、当時(1990年代半ば)は401(k)の方が資産規模が大きかったことによるものと思われる(IRAがDCの資産額を追い越したのは1999年)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/1/11): 「中途引出し緩和」より「ポータビリティの充実」を



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2009年06月09日

頭を冷やす良い機会かと

確定拠出年金 規制緩和要望を見送り 10年度税制改正で厚労省 (NIKKEI-NET)
厚生労働省は2010年度の税制改正に向け、毎年提出してきた確定拠出年金(日本版401k)の規制緩和要望を見送る見通しだ。企業年金の積立金に課税する特別法人税の凍結措置を10年度末に解除するのに合わせ、企業年金の税体系を抜本的に見直す。
(2009/6/7 日経朝刊 3面)

昨年12月に公表された与党税制改正大綱に盛り込まれたことから俄然注目を集めた確定拠出年金(DC)拠出限度額引上げおよびマッチング拠出導入。本年3月には「企業年金制度等の整備を図るための確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」が提出されるなど制度改正へ向けて一気に加速するかと思われたが、その流れに歯止めがかかったとしているのが上記の記事。またもやDC業界関係者の嘆きが聞こえてくるようで、当BLOG管理人にとっては実に心地良い(笑)。

そもそも、2004年以来遅々として進まなかったDCの税制優遇拡大が急遽検討されたのは、昨今の株価低迷を受けての景気対策としての側面が大きく、今般のDCの改正内容も突貫工事ゆえの疑問が多い。とりわけ、現在議論されているマッチング拠出本来のマッチング拠出とは違い、企業型DC加入者のみが対象となっている。これは、高給サラリーマンほど税制優遇の恩恵を享受する差別的な仕組みであり、金持ち優遇との謗りは免れまい。特定階層のみを利するような公平性を欠いた税制優遇に理念はない。ともあれ、企業年金の税体系を抜本的に見直す観点から、今回の措置を当BLOG管理人は大いに評価する。未曾有の経済危機が叫ばれる環境下だからこそ、企業年金百年の計を見越した議論が求められよう。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/3/21): マッチング拠出の支持率はたった6割弱!?
The企業年金BLOG(2009/2/10): マッチング拠出など砂上の楼閣!?



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2009年06月05日

「経済学と経済学に必要な数学がイッキにわかる!!」

ファイナンス数学入門書として高評価 経済学は別途対策が必要

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経済学の入門書として定評のある「経済学入門塾」シリーズの著者による、経済数学の解説書。四則演算から始まり、関数、微分・偏微分、単利・福利、割引現在価値を経て、最終的には平均・分散・相関係数までカバーしており、経済学というよりは証券アナリスト試験の範囲に沿った内容。本書の最大の特色は、これまで経済数学に必須とされてきた「線形代数」「確率」をばっさり割愛している点にある。経済数学の書籍としては賛否分かれるところだが、入門書としてはこういう手法もアリだと個人的には思う。むしろ、タイトルこそ「入門」と銘打ってるものの超難解な書籍に比べると、文系学生が抱きがちな苦手意識を払拭せんとする誠実な姿勢がうかがえる。中学・高校の数学から永らく遠ざかっていた社会人・文系学生には、第一冊目として文句無くオススメ。

ただし、ファイナンス数学の基礎の基礎は本書だけでも身に付くものの、経済学までイッキに分かるとまではいかないのが現実(汗)。経済学については、本書を攻略次第、速やかに定評ある基本書に移るのが賢明である。



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2009年06月03日

適年移行推進隊イコーマン参上!?

動画サイトYouTube厚生労働省動画チャンネルなるものが設置されているのをご存じだろうか。今年2月10日に設置された旨プレスリリースが為されていたが、このたび適年移行に関する動画が満を持してupされた↓

適格退職年金移行物語 (厚生労働省動画チャンネル・YouTube)
 その日は、いつものように穏やかな一日だった。
 そう、あの衝撃の事実を知るまでは・・・


 
注:埋め込み機能無効につき、閲覧の際はリンク先へ飛んでください。

適格退職年金の他制度への移行を啓蒙するトータル約6分間の短編動画。全編を貫く学芸会ばりの棒読み口調が独特の世界観を醸し出しており、チープながらも印象に残るものがある。しかし、そんな独特の世界観を確固たるものとしているのは、何と言っても彼の存在に他ならない↓

適年移行推進隊 イコーマン!

適年移行推進隊 イコーマン!


・・・企業年金関係ではかつてITAちゃんマンなるヒーローも存在したが、今度はイコーマンですかそうですか。それにしても、イコーマンが挑んでいるのは、適年移行の推進ではなく放送コードの限界ではないのかというツッコミは無粋ですかそうですか(汗)。



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2009年06月01日

「ビジネス・ゼミナール 経営財務入門」第4版

「証券分析」と「財務分析」の橋渡しに

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かねてよりコーポレートファイナンスの定番書として親しまれてきたロングセラーの改訂版。イマイチとっつき難いコーポレートファイナンスの概念を、「証券投資」と「財務分析」の両面から紐解いて解説する構成は相変わらずお見事。今回の第4版では、米国サブプライム問題に端を発した金融危機に関する記述や、「資産の証券化」「LBPとMBO」「グループ・子会社戦略」などのトピックが新たに加わり、その完成度は益々高まった。ファイナンスを志す学生や経営幹部必携の書とされているが、実は証券アナリスト試験(特に2次)対策の隠れた名著でもある。

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The企業年金BLOG(2006/4/14): 「ビジネス・ゼミナール 経営財務入門」



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