2009年08月31日

「わかりやすい企業年金」第2版

わかりやすい企業年金<第2版>わかりやすい企業年金<第2版> (日経文庫)
久保 知行

日本経済新聞出版社 2009-08
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企業年金の入門書として好評を博した『わかりやすい企業年金』の5年ぶりの改訂版。企業年金の歴史、制度設計、財政・数理、資産運用、税制、会計などあらゆるトピックが網羅されており、コンパクトなサイズながらも企業年金の全体像を俯瞰できる。なお第2版では、適格年金の廃止および移行に関する解説が新たに加えられた。



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2009年08月27日

「社会保障・社会福祉の原理・法・政策」

著者の30年にわたる研究成果の集大成

社会保障・社会福祉の原理・法・政策社会保障・社会福祉の原理・法・政策
(新・MINERVA福祉ライブラリー6)

堀 勝洋

ミネルヴァ書房 2009-04
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元厚生官僚にして各種審議会委員を永らく歴任してきた社会保障研究の第一人者による、自身の研究の集大成とも言える一冊。社会保障・社会福祉を専門にしているだけあって、取り扱う領域は介護、医療、年金、育児と幅広く、現在の社会保障の主要論点および政策課題をこれ一冊で網羅することができる。450ページにもわたる労作だが、参考文献等も詳細に示されており、学術的価値は高い。企業年金に関する記述は、公的年金と私的年金との類型比較で顔を出す程度。
しかし、本書の白眉は何といってもあとがき「私の社会保障研究30年」である。日々の研究スタイルや闘病生活などの描写もさることながら、著者自身の経歴(官庁〜官庁系シンクタンク〜学界)と、その時々の社会保障に関する研究・政策論争がオーバーラップして描かれている様は、さながら日本の社会保障研究史といった様相。著者は今年度末で定年を迎えるそうだが、本稿はまさに著者の最終講義といっても過言ではない。



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2009年08月25日

「年金の基礎知識」全訂新版

年金相談員御用達 市販書では最大の情報量

年金の基礎知識 全訂新版年金の基礎知識(全訂新版)
服部 営造

自由国民社 2009-08
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年金相談では社労士界最強を誇る、通称「服部年金」の手による年金本。完全に実務家向けであるためお世辞にも分かり易いとは言い難いものの、公的年金を扱った市販本としては最も充実していることは確か。公的年金に関するあらゆる項目が網羅されており、特に障害・遺族給付および共済年金関連については、他の類書の追随を許さない情報量を誇る。なお今版では、アメリカの年金請求手続きなどが新たに手当てされている。
なお服部年金のWebサイトでは、市販所以外にも数々の年金相談ツールが直販されている。ご興味のある向きは一度参照されては如何。



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2009年08月19日

国内株式インデックス運用担当者必見サイトを偲ぶ

かつて、国内株式インデックス運用に携わっていた機関投資家の担当者ならば、必ずやチェキラしていたという有名Webサイトがあった。本日は、そんな昔の思い出話をば少々。


虎年の獅子座 ─ 東京株式市場金融最前線レポート
  虎年の獅子座

某外資系証券会社の現役営業マンによる相場日誌。自身の顧客である機関投資家向けにメール配信しているマーケットコメントを掲載したサイトで、個人投資家にとっては馴染みの薄い「機関投資家」の動きが垣間見えるのが貴重であった。データと経験に裏打ちされた味のある語り口は業界内でも評判が高く、業界紙でも連載を抱えていたほど。新任担当者にとってはマーケットコメントの恰好の下書きとなったものだ(汗)。
なお、同サイトは1998年3月から2008年12月までの約10年間、(休暇などを除き)ほぼ日刊更新されていたが、管理人氏の退職とともに2008年12月に日刊連載を停止、現在はブログ版に移行している。更新頻度はかつてより低くなったものの、その語り口は未だ健在。


J_Coffeeの株式投資日記 (ミラーサイト
  J_Coffeeの株式投資日記

株式投資歴30年以上を誇るベテラン投資家J_Coffee氏のサイト。開設当初は「相場師列伝」「兜町事件簿」などの濃厚エッセイが好評を博していたが、氏のサイトが機関投資家からも注目を集めるようになったのは、何といっても「コバンザメ投資法」の考案に尽きよう。コバンザメ投資法とは、TOPIX日経平均などの株価指数に組み入れられそうな銘柄をいち早く察知し、機関投資家によるインデックス組入れ買いをカモにして儲ける手法である。毎月下旬に東証1部昇格銘柄(=TOPIX組入れ銘柄)が公表されてから月末に購入・売却されるまでの一連の流れは読み応え抜群であり、新任担当者にとっては売買報告レポートの恰好の下書きとなったものだ(汗)。その後、この手法は一般にも広く知れ渡り、また2006年にTOPIXが浮動株指数へと移行したことから、現在では話題に上ることも少なくなったが、一個人投資家の編み出した手法が最終的にTOPIXの浮動株化へと繋がったことは特筆に価しよう。
なお、同サイトは惜しまれつつ2005年8月に更新停止、一時期はサイトが消去されるなどの憂き目にあったものの、現在は、「考える株式投資」のgotospace氏の尽力によってミラーサイトが設置され、膨大なバックナンバーに込められた叡智の数々に浴することが再び可能となった。



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2009年08月13日

08年度公的年金決算からみる代行返上・離婚分割の動向

前回に引き続き、公的年金の2008年度決算から企業年金(主に厚生年金基金)の動向を見ることとする。

厚生年金・国民年金の平成20年度収支決算の概要(社会保険庁) (pdfファイル)

上記資料の4ページおよび5ページには、年金特別会計(厚生年金勘定)の収支状況が掲載されている。歳入科目の中に「解散厚生年金基金等徴収金」とあるが、これは代行返上(過去返上)を行った厚生年金基金から徴収した最低責任準備金であり、いわゆる代行返上資産額のことを指す。返上金額および過去返上基金数の推移は以下のとおりである。

 <年度>  <返上額>  <過去返上基金数>
 2003年  3兆5364億円      203
 2004年  5兆3855億円      438
 2005年  3兆4568億円      121
 2006年     6800億円       21
 2007年     5552億円       20
 2008年     3486億円        4



ところで、年金特別会計(厚生年金勘定)の決算において、昨年度より「厚生年金基金等徴収金」という項目が新たに登場したのはご存じだろうか。厚生年金基金等徴収金は、07年度に15百万円(億円単位ではゼロ表記)、08年度に30億円発生している。解散厚生年金基金等徴収金とどう違うのかと戸惑うところだが、財務省平成21年度特別会計予算によると、両者の違いは次のとおり記載されている。

平成21年度特別会計予算 (財務省)
0109-00 厚生年金基金等徴収金
「厚生年金保険法」の規定による老齢年金給付の現価に相当する額の厚生年金基金等からの受入見込額を計上
0106-00 解散厚生年金基金等徴収金
「確定給付企業年金法」第113条第1項の規定による責任準備金に相当する額及び「厚生年金保険法」の規定による減額責任準備金相当額の解散厚生年金基金等からの受入見込額を計上
(出典:平成21年度特別会計予算p.329〜332)

つまり、「老齢年金給付の現価であること」「2007年度から計上されていること」から、厚生年金基金等徴収金は、離婚時の年金分割に伴う離婚分割移換金のことを指しているものと考えられる。なお離婚分割が厚生年金基金に与える影響については、コチラのWebサイトに詳しい。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/8/13): 公的年金決算から見る代行返上の動向



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2009年08月11日

08年度公的年金決算からみる代行部分の予定利率の動向

今月4日に発表された公的年金の2008年度収支決算によると、厚生年金本体(年金特別会計:厚生年金勘定)の運用利回りは▲6.83%昨年度に引き続き2年連続のマイナス利回りを記録した。
厚生年金基金の代行部分については、従来は一律5.5%固定という予定利率が用いられていたが、1999年10月以降は、厚生年金本体の運用利回り実績に準拠した利率を毎年洗い替えて用いることとされている。正式な数値は例年12月頃に厚労省より告示されるが、その根拠となる厚生年金の実績利回りは今回の決算発表に収録されているため、こちらを速報値に用いる業界人も多い。今回の発表により、平成22年1〜12月(暦年ベース)の厚生年金基金の最低責任準備金(代行部分)に付す利率も▲6.83%と告示される公算が大きい。厚生年金本体およびGPIFの運用利回りの推移は以下のとおり。

 <年度>  <厚年>  <GPIF>
 1997年   4.66%   7.15%
 1998年   4.15%   2.80%
 1999年   3.62%  10.94%
 2000年   3.22%  ▲5.16%
 2001年   1.99%  ▲2.48%
 2002年   0.21%  ▲8.46%
 2003年   4.91%  12.48%
 2004年   2.73%   4.60%
 2005年   6.82%  14.37%
 2006年   3.10%   4.75%
 2007年 ▲3.54%  ▲6.41%
 2008年 ▲6.83% ▲10.03%


なお、厚年基金の最低責任準備金の算定に用いる利率は、上記のとおり厚生年金本体の実績利回りを基に決定されることから、最大1年9ヶ月の乖離(いわゆる「期ズレ」)が生じることが問題視されていたが、先般出された通知により、継続基準の財政検証および掛金計算において期ズレを実質的に解消するための措置が講じられている(厳密には2009年度決算からの適用だが、08年度決算における掛金計算から使用可能)。


厚生年金・国民年金の平成20年度収支決算の概要(社会保険庁) (pdfファイル)

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/12/14): 代行部分の予定利率は5.5%に非ず



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2009年08月07日

「年金の基礎知識」2009〜2010年度版

網羅性に富む資料集 年金資産運用・確定拠出年金に強み

年金の基礎知識(野村)年金の基礎知識 2009〜2010年度版
 (pdfファイル)

野村年金マネジメント研究会 2009-07

証券会社では珍しく企業年金にも力を入れている野村年金マネジメント研究会の手による年金資料集。証券会社が刊行しただけあって、得意分野である年金資産運用や確定拠出年金の項目が質量ともに豊富なのは勿論だが、著名なアクチュアリー、コンサルタントおよび元官僚なども動員しているだけあって、公的年金の解説や海外の動向など他のトピックも意外に充実している。解説部分の網羅性の高さだけなら、「企業年金に関する基礎資料」を超えると言っても過言ではない力作。

なお、本書は同研究会の会員専用サイトで無料公開されているが、申込要件さえ満たしていれば会員登録は比較的スムーズに行える。ご興味のある向きは是非。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2012/1/18): 「年金の基礎知識」2011〜2012年度版



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2009年08月05日

「年金被害者を救え」

年金記録問題に関する客観的な分析と熱い提言

年金被害者を救え―消えた年金記録の解決策年金被害者を救え―消えた年金記録の解決策
野村 修也

岩波書店 2009-08
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年金記録改ざん問題の調査委員長を務めた大学教授による、いわゆる「宙に浮いた年金」に代表される年金記録問題の全容を俯瞰した一冊。年金記録問題の責任は、厚生労働省や社会保険庁ばかりにあるわけではなく、記録問題を政局に結びつけた民主党の戦略や、それに屈した政府・与党の不甲斐なさ、果ては虚偽の申請すら行っていた一部の企業・国民にもあるとし、これ以上の時間の浪費は止めてこの問題にけりを付けるべきと明言している。その上で、
 ◆謝るべき者(政府・行政)が謝る
 ◆許すべき者(国民)が許す
 ◆莫大なコスト(税金)がかかるだけの記録統合作業は直ちに止める
 ◆被害者は税金で直ちに救済する

──ことを提唱している。これら一連の主張は、ともすると暴論とも受け取られかねないが、本書に目を通すと、著者が記録問題発生の原因を実務的側面も踏まえて丹念に分析し、記録改ざん問題の実態解明に真摯に取り組んだ末の結論であることが良くわかる。とりわけ、漢字カナ変換をめぐる「窓口担当者の職人芸」(本書ではp.54〜55)にまで言及されては、実務経験者とて生半可な反論はおよそ不可能。こうした客観的かつ緻密な分析と、「最後の1件まで記録を統合することは不可能でも、最後の1人まで被害者を救済することは可能だ」との言に代表される良心的スタンスは、まさに法律家の鑑(かがみ)のそれである。この期に及んで年金問題を政争の具に利用する輩は、まずは著者の爪の垢を煎じて飲んでから年金問題を語るべし!


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/6/8): 基礎年金番号に反対してきた連中が年金記録不備を糾弾する矛盾
The企業年金BLOG(2006/9/5): 朝日新聞の年金記録記事は必見
The企業年金BLOG(2006/8/8): 年金加入記録にミスはつきもの!?
The企業年金BLOG(2006/4/25): 年金加入記録の記載ミス・記録漏れにどう対応すべきか
The企業年金BLOG(2006/4/1): 「年金生活への第一歩」改訂版



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2009年08月03日

「年金資産運用の手引き」

リスク管理に軸足を置いた年金資産運用 中級者向け

年金資産運用の手引き年金資産運用の手引き

年金シニアプラン総合研究機構 2009-07
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年金制度・年金資金運用の専門研究機関が刊行した手引書。タイトルこそ「手引き」と称しているが、刊行元自ら「客観性が高く、かつ専門性という点でも優れたものとなるよう」と自負しているだけあって、中級者以上向けの歯ごたえのある内容(悪く言えば不親切)となっている。全般的には運用手法よりもリスク管理に軸足を置いた構成となっており、金融危機以降の年金資産運用を考えるうえでは時宜に適ったものと言える。なお、本書の売りの一つである「実例紹介」だが、一口コラムの域を出ておらず残念ながら期待外れ(汗)。



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2009年08月01日

「物語で読み解く リスクと保険入門」

良くも悪くも物語(エピソード)が白眉

物語で読み解く リスクと保険入門物語で読み解く リスクと保険入門
米山 高生

日本経済新聞出版社 2008-12
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近年は金融工学や会計学といった分野からの進出が目立っているリスクマネジメント論だが、当該分野を最も古くから学術的に探求してきたのは保険学である。本書は、気鋭の保険学者が「リスクから出発する保険論」を旗印に、リスクおよび保険の概念を様々なエピソードを通して分かり易く解説している。
本書の白眉は、何といっても第2部「保険編」にある。トピックこそ「保険需要の考え方」「保険の価格について」「保険と相互会社」などと一見教科書的だが、実際に目を通してみると、明治期から戦後にかけての保険業界の変遷が鮮やかに描かれており、読み応えのある内容となっている。当時の保険証書や保険広告といった歴史的価値の高い写真・絵図が惜しげもなく披露されており、この種の書にしては楽しみながら読むことができる点が異色。元来は保険経営史研究を専門としている著者の博覧強記ぶりが存分に発揮されている。



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