2010年03月31日

2010年度の企業年金の予定利率

厚生労働省は3月31日、厚生年金基金および確定給付企業年金の財政検証に用いる2010年度の利率を告示した(厚生労働省告示第127〜129号、年企発第0331001号)。継続基準に用いる予定利率の下限は1.3%、非継続基準に用いる利率は2.38%となった。企業年金の予定利率は1997年以降ほぼ自由化されており、上記の利率は例年3月頃に告示または通知される。適格退職年金の下限予定利率も省令改正(財務省令第51号)で発表される。当該利率の根拠となる国債の応募者平均利回りは、財務省Webサイトの「国債入札カレンダー」から入手できる。今回はリーマンショック以降の低金利を反映してか、継続基準・非継続基準とも前年より低下している。各制度における下限予定利率の推移は以下のとおり。

◆継続基準の予定利率
 <年度> <厚年> <DB>   <算定根拠>
 1997年  4.0%   ──  10年国債応募者平均利回りの5年平均
 1998年  3.4%   ──        
 1999年  2.9%   ──        
 2000年  2.4%   ──        
 2001年  2.0%   ──        
 2002年  1.2%  1.2%  5年平均または1年平均のいずれか小さい率
 2003年  1.2%  1.2%       
 2004年  0.9%  0.9%       
 2005年  1.3%  1.3%       
 2006年  1.2%  1.2%       
 2007年  1.3%  1.3%       
 2008年  1.4%  1.4%       
 2009年  1.5%  1.5%       
 2010年  1.3%  1.3%       

 <年度> <適年>   <算定根拠>
 1997年  3.1%  10年国債応募者平均利回りの1年平均
 1998年  2.3%        
 1999年  1.5%        
 2000年  1.7%        
 2001年  1.7%        
 2002年  1.2%        
 2003年  1.2%        
 2004年  0.9%        
 2005年  1.4%        
 2006年  1.3%        
 2007年  1.7%        
 2008年  1.6%        
 2009年  1.5%        
 2010年  1.3%        



非継続基準については、利率そのものは告示等で定められているものの、2003年以降は、当該利率に0.8〜1.2の調整率を乗ずることが可能となっている。非継続利率の推移は以下のとおり。

◆非継続基準の予定利率
 <年度> <厚年> <DB>   <算定根拠>
 1997年  4.75%   ──  20年国債応募者平均利回りの5年平均
 1998年  4.00%   ──  (小数点以下0.25揃え)
 1999年  3.50%   ──        
 2000年  3.00%   ──        
 2001年  2.75%   ──        
 2002年  2.50%  2.50%       
 2003年  2.23%  2.23%  (小数点以下0.25揃えを廃止)
 2004年  2.29%  2.29%  30年国債応募者平均利回りの5年平均
 2005年  2.20%  2.20%       
 2006年  2.17%  2.17%       
 2007年  2.20%  2.20%       
 2008年  2.27%  2.27%       
 2009年  2.44%  2.44%       
 2010年  2.38%  2.38%       



※参考資料
企業年金制度における各利率の設定基準(日本年金数理人会) (pdfファイル)
◆10年国債応募者平均利回り (当BLOG作成)
 keizoku-rate2010.jpg
◆20年・30年国債応募者平均利回り (当BLOG作成)
 hikeizoku-rate2010.jpg


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/3/23): 2009年度の企業年金の予定利率
The企業年金BLOG(2007/3/16): 企業年金の予定利率の算出根拠とは



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2010年03月26日

「損保ジャパンDC証券 DCニュース」

DCニュースレター界の老舗

損保ジャパンDC証券 DCニュースDCニュース

損保ジャパンDC証券
(月刊→不定期刊行)

1999年3月に創刊された、金融機関のDC(確定拠出年金)ニュースレターの中では最古の歴史を誇る老舗。もっとも、年を追うごとに刊行頻度が減少の一途を辿っているのはご愛嬌だが(汗)。刊行元の社名も、母体企業名および業務提携先の変更等により、「安田火災シグナ証券」(1〜17号)→「損保ジャパン・シグナ証券」(18〜27号)→「損保ジャパンDC証券」(28号〜)と変遷を辿っている。



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2010年03月23日

「みずほ DC News」「みずほ DC News 拡大版」

DCニュースレターの兄弟誌

みずほ DC Newsみずほ DC News

みずほ銀行 法人業務部 確定拠出年金室
(月刊)

みずほ DC News 拡大版みずほ DC News 拡大版

みずほコーポレート銀行 年金営業部 確定拠出年金推進チーム
(季刊)

DC(確定拠出年金)に特化した金融機関ニュースレターの一つ。2000年11月に創刊された当初はみずほコーポレート銀行のwebサイトに掲載されていたものの、監修はみずほ銀行みずほコーポレート銀行連名による月刊連載だった。しかし、2004年12月頃を機に、みずほ銀行「みずほ DC News」(原則月刊)を、みずほコーポレート銀行「みずほ DC News 拡大版」(四半期刊行)をそれぞれ独自に掲載するようになり、現在に至っている。



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2010年03月11日

年金業界にホリエモン参上!?

今月刊行の「年金時代」。3月号の目次を見ると、執筆陣に何とホリエモンこと堀江貴文氏雨宮処凛氏の名が。年金系の雑誌というと、インタビューや署名記事に名前が出るのは学者か官僚か実務家というパターンが殆どなだけに、まさに今までお目にかかったことのない無駄に豪華な執筆陣であった(笑)。しかも堀江氏の記事は、日頃の挑発的なイメージとは対照的な至極丁寧な文体だったことに二度驚かされた次第(汗)。

年金時代年金時代

社会保険研究所
(月刊)


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/10/20): 「年金時代」



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2010年03月08日

掛金拠出期間と年金受給期間の関係

前回のエントリでは、公的年金など終身年金の年金受給期間を「平均余命−年金支給開始年齢」と想定し、平均余命と年金支給開始年齢の関係について私見を述べた。今回は、掛金拠出期間(加入時から年金支給開始時まで)との関係性を加えて論じてみたい。

世代間扶養を旨とする賦課方式の公的年金制度において、制度設計上もっとも重要な要素の一つは、現役期間(掛金拠出期間)と引退期間(年金受給期間)とのバランスではなかろうか。そこで、前回同様、厚生年金保険の過去の平均的な掛金拠出期間および年金受給期間の推移を以下に列挙してみた。
年金受給期間については前回述べたので特に繰り返さない。掛金拠出期間で注目すべきは、支給開始年齢が順次引上げられている一方で、高学歴化の進展により加入時(就労開始時期)年齢も時代とともに上昇している点にある。そのため、掛金拠出期間はおおむね40年で変動は見られない。他方、年金受給期間は順調に伸びている。掛金拠出期間に占める年金受給期間の占める割合(負担割合)をみると、1955年の0.215から2008年は0.332と約1.5倍に増えており、年金受給期間の占める割合が着実に増加していることがわかる。

<厚生年金保険における掛金拠出期間と年金受給期間の関係>
20100308掛金拠出期間と年金受給期間.jpg


当BLOG管理人は、掛金拠出期間と年金受給期間の適正な比率はせいぜい2:1が限度だと考える(負担割合にすると0.5まで)。これを超えて年金支給期間の割合が肥大化すると、負担と給付のバランスが歪なものとなり、賦課方式であろうと積立方式であろうと年金制度の破綻を招きかねない。昨年破綻を迎えて話題となったGM(General Motors)の企業年金は、1950年の制度創設移行相次ぐ給付増額を重ね、1973年には「30年でおさらば年金(30 and out)」と称する早期引退給付を導入するに至った。早期引退すなわち支給開始年齢の早期化は、年金財政に「掛金拠出期間の短期化」「年金受給期間の長期化」というダブルパンチを喰らわす。掛金収入や運用収益が無尽蔵に見込めるならまだしも、そうした環境が一変すると、途端に年金制度は脆弱なものとなる(汗)。こうした観点からも、支給開始年齢の引上げによる現役期間の延長は重要だと考える。もっとも、支給開始年齢の決定は引退(定年)年齢との関連性が大きいため、雇用政策とのリンクが欠かせないことは言うまでもない。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/3/5): 平均余命と年金支給開始年齢の関係
The企業年金BLOG(2009/12/5): OECDが提唱する日本の年金改革(総論)



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2010年03月05日

平均余命と年金支給開始年齢の関係

Retirement - Golden years (The Economist online)
Time spent in retirement has sharply increased
引退後に過ごす時間は激的に増加している


AS GOVERNMENTS try to tackle huge structural budget deficits, one means of attack is to delay paying state pensions by gently raising the official state-retirement age.
政府が膨大な量の構造的財政赤字に対処しようと試みるとき、その取り組みの手段の一つは、公式上の引退年齢を徐々に引上げることによって公的年金の支給を遅らせることである。
(2010/2/23 The Economist online) ※日本語は当BLOG管理人簡訳

経済学の教科書でもお馴染みのMankiw教授のBLOGで取り上げられていた上記の記事。要約すると、先進諸国における平均余命の伸びが著しいという内容。下のグラフでは、1965-70年当時の平均余命(青)と2002-07年時点の平均余命(橙)が各国毎に列挙されており、引退年齢時点の平均余命が40年間でおおむね倍増している様がうかがえる(トルコに至っては8倍増、韓国のみ微増に留まる)。
なお、日本人男性の平均寿命は世界第2位だと記憶していたが、本記事のグラフでは、日本は下から2番目に位置しているのがやや不可解。おそらくOECDか何かのデータを用いているためだとは思うが、詳細は不明。

Life Expectancy at Retirement


このように、先進国をはじめとした諸外国では、公的年金制度の持続可能性を確保する観点から、平均余命の伸びに合わせた支給開始年齢の引上げが真剣に議論されている。一方日本はというと、支給開始年齢の引上げというと「制度改悪」「老人いじめ」という感情論が未だに根強く、過去には「支給開始年齢引上げにより1,400万円カットされる!」というトホホな推計(おそらく「月額20万円×12月×5年」で計算)まで飛び出していた(汗)。果たして、日本の年金受給者は本当に損をしてきたのだろうか?
そこで、厚生年金保険の過去の支給開始年齢および男性の平均寿命(=0歳時平均余命)の推移を以下に列挙してみた。こうして見ると、前述のEconomistの記事と同様、実際には支給開始年齢の引上げ以上に平均寿命の伸びが著しいため、平均寿命ベースでみた平均受給期間はむしろ長期化していることが覗える。よって、「支給開始年齢の引上げは老人いじめ」との批判は適切ではない。もっとも、支給開始年齢の決定は引退(定年)年齢との関連性が大きいため、雇用政策とのリンクが欠かせないことは言うまでもない。

<厚生年金保険における平均余命と年金支給開始年齢の関係>
20100305平均余命と支給開始年齢.jpg


ところで、上記は厚生年金保険の話だったが、国民年金は制度創設当初から65歳支給なのをご存じだろうか。平均寿命が63〜64歳だった時代(昭和30年代前半)に、それを超える支給開始年齢がよくぞまあ実現できたものだ。誰も反対しなかったのか? ともあれ、つくづく画期的というかファンキーな制度設計だと個人的には思う(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/3/8): 掛金拠出期間と年金受給期間の関係
The企業年金BLOG(2009/12/5): OECDが提唱する日本の年金改革(総論)



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2010年03月02日

「企業年金の基礎 改版」全6巻

米国の企業年金を究めるならこの6巻セット!?

企業年金の基礎 改版 (全6巻)企業年金の基礎 改版 (全6巻)
ダン M. マックギル / カイル N. ブラウン / ジョン J. ハーレー / シルベスター J. スキーバ (共著)
田村 正雄 (監訳)、 年金制度研究会 (共訳)

ぎょうせい 1998-07
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原著はDan M. McGillらによる「Fundamentals of private pensions」の第7版(1995年刊行)。1955年の初版刊行以来、米国の企業年金を巡る法制上および実務上の動向を逐次反映するべく版を重ねてきた、まさに企業年金の歴史書にして百科事典。原著は800ページを超える大冊だが、邦訳版は更にボリュームが膨らみセクション毎に6分冊構成をとっている。高価な上にお世辞にも分かり易いとは言い難い文体だが、米国における年金学の最高権威の著作を日本語で読めるだけでも資料的価値は高い。企業年金の「研究家」を標榜するならば、是非傍らに常備しておきたい大著。なお、各巻ごとの内容は以下のとおり。

第1巻 企業年金の背景にある要因
  全体の概観・体系および各章の概要・要点
第2巻 企業年金の規制
  エリサ法(ERISA)の概要、適格要件、税制など
第3巻 企業年金の構造
  給付建て(DB)制度、掛金建て(DC)制度、混合型制度など
第4巻 企業年金の経済学
  なぜ民間企業は企業年金を設立・維持するのか
  企業年金制度の持つ労務管理上の役割 etc
第5巻 企業年金の積立と会計
  企業年金の財政運営、積立基準、会計基準など
第6巻 企業年金の資産と保険
  企業年金の資産管理・運用、制度終了保険(PBGC)など


ところで、原著の方はその後も着々と改訂が進んでいる。2005年には第8版が、本年2010年には最新版となる第9版がそれぞれ刊行されており、ここ10年間の米国企業年金の激動ぶりが網羅されている。改訂版の動向を追跡する上でも本書は有用である。



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