2010年05月28日

適格退職年金の2010年3月末の状況

毎年5月下旬に公表される「企業年金の受託概況」が、今年も信託協会生保協会JA全共連の連名によりリリースされた。

 ◆企業年金の受託概況(平成22年3月末現在)
  20100528nenkin-jutaku2009.jpg

  ■信託協会のリリース
  ■生保協会のリリース
  ■JA全共連のリリース
 (注)上記3つのリリースはいずれも同じ内容。

上記の3団体が公表している「企業年金の受託概況」では、適年の他にも厚生年金基金と確定給付企業年金の状況も掲載されている。この2制度については厚生労働省や企業年金連合会からも精緻な統計数値が公表されるが、適格退職年金に関する統計は、事実上この「企業年金の受託概況」でしか把握できない。適格退職年金の監督官庁は国税庁だが、この辺の監督体制はかなりアバウト。適年が他の企業年金制度への移行を余儀なくされたのも、この点が問題視されたとの説もある。

さて本題に入ろう。上記によると、適格退職年金は2010年3月末で契約件数17,184件(前年度比▲8,257件)、加入者数249万人(前年度比▲99万人)となった。契約総数は2万件の大台を下回ったとともに、減少数も過去最高の水準に達した。
一方、資産残高は6兆4,031億円(前年度比▲1兆7,288億円)となった。09年度は資産運用環境が持ち直したことから、過去2年間の減少幅(07年度:▲3兆8,820億円、08年度:▲3兆6,114億円)を大幅に下回った。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/5/27): 適格退職年金の2009年3月末の状況
The企業年金BLOG(2008/5/30): 適格退職年金の2008年3月末の状況
The企業年金BLOG(2007/5/25): 適格退職年金の2007年3月末の状況
The企業年金BLOG(2006/5/26): 適格退職年金の2006年3月末の状況



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2010年05月26日

「社会保障の明日」増補版

国内潮流と国際比較から探る、社会保障の明日(あした)

社会保障の明日(増補版)社会保障の明日(増補版) 日本と世界の潮流と課題
西村 淳

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年金・医療・介護等の政策立案に携わってきた現役官僚が著しただけあって、日本の社会保障制度の潮流および国際動向がコンパクトにまとまめられており、情報の鮮度と正確さにおいては他の類書の追随を許さない。また、知識面だけでなく「社会保障は負担ではなく給付から論ずるべき」「社会保障の役割は自立支援と相互参加の促進」などの骨太かつ深い考察も読み応えがある。これまでの厚生労働行政に対して現状肯定かつ自画自賛的な記述が目立つのはご愛嬌だが(汗)、それを逆手にとって「そこまで分かっているのに何故手を打たない!?」と歯痒さを感じるようになるまで何回も読み返すと、社会保障に対する質の高い問題意識が醸成されること必至。社会保障を専攻する学生・社会人であれば、是非とも目を通すべき一冊。
なお今回の増補版では、第1部第5章が差し替えとなったほか、社会保障に関する直近の情勢(オバマ政権の医療保険制度の成立等)が反映されている。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2008/1/21): 「社会保障の明日」



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2010年05月24日

「厚生年金基金法令通達集」平成22年版

4年ぶりにリニューアル!

厚生年金基金法令通達集(平成22年版)厚生年金基金法令通達集(平成22年版)

法研 2010-03

厚生年金保険法に始まり、政令、省令、告示、通知に至るまで、あらゆる関係法令通達が収録されている便利な一冊。企業年金制度に関しては、政令レベルで根拠規定が見つかることはまず無く、通知レベルまで掘り下げて調べる必要がある。そのため「社会保険六法」「社会保険労務六法」といった定番の法令集ではイマイチ対応しきれず、本書のように通達レベルまで網羅している書が必要となる。
なお、本書はかつて隔年出版であったが、前版(平成18年版)は2004年の厚生年金保険法改正を手当てしたせいか改訂に3年の歳月を要し、本版では更に4年の歳月を要した次第。厚生年金基金の減少に伴って需要も減っているのだろうか(汗)。なお姉妹版「確定給付企業年金・確定拠出年金法令通達集」も今年改訂予定だが、法令・通知の発出が遅れているため刊行が遅れているとの事。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/9/6): 「確定給付企業年金・確定拠出年金法令通達集」平成22年版
The企業年金BLOG(2006/4/16): 「厚生年金基金法令通達集」平成18年版
The企業年金BLOG(2005/11/9): 「厚生年金基金法令通達集」平成15年版

─────────────────────────

【2010.9.6追記】
正誤表が版元Webサイトに掲載されています。
◆ 「平成22年版 厚生年金基金法令通達集」正誤表(2010.7.8)




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2010年05月17日

5回目にしてようやく「実務家」のお出ましか

権丈先生のWebサイトで知ったのだが、首相官邸:国家戦略室に設置されている「新年金制度に関する検討会」実務者検討チーム第5回会合(2010年5月13日開催)に、小野正昭氏(みずほ年金研究所研究理事)・坂本純一氏(野村総合研究所主席研究員)ら日本を代表する年金アクチュアリーが登場したとの事。
同会合はこれまでに4回開催されたが、「実務者検討チーム」という名称にも関わらず、過去4回の会合で報告を行ったのは学者が中心であった。5回目にしてようやく実務家の名に値する御仁のお出ましと相成ったが、発表内容を参照した限りでは、民主党政権が志向する最低保証年金には両者とも懐疑的であることから、真の実務家枠はこれにて打ち止めになるかもしれない・・・(汗)

<参考資料>
新年金制度に関する検討会(国家戦略室)
小野氏資料「スウェーデンの公的年金制度の概要と日本への適用可能性」(pdf)
坂本氏資料「カナダの年金制度」(pdf)



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2010年05月09日

「保険の数学」

一冊で生保・損保・年金数理の基礎をカバー

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小暮 雅一

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アクチュアリー試験で求められる生保数理・損保数理・年金数理の基礎を網羅した、知る人ぞ知る名著「保険の数理」のリニューアル版。そもそもアクチュアリー会の指定教科書は、ただでさえ解説が難解なうえに、読者にある程度の知識があることを前提に端折っている箇所が多く、初学者には不親切この上ない。本書は、そんな指定教科書のスキマを埋める解説が秀逸。とりわけ、保険・年金の現価計算を「価格×評価×確率」と単純化して解説する手法(p.25)はお見事。もちろん本書の内容だけでは本試験の全範囲に太刀打ち出来ないものの、初学者のための入門書としての完成度は高い。
なお新版では、装丁がハードカバーからソフトカバーに変わったものの、内容的には、数学に直接関係のない章・トピックを削除した以外は前版と殆ど変化が無い。まあ、前版の完成度がそれだけ高かったという事の証左ではあろうが、前版所有者が敢えて買い替えに走るべきかどうかは判断が分かれるところ。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2008/4/25): 「保険の数理」



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2010年05月05日

「アクチュアリー数学入門」

アクチュアリー資格&試験のガイドブック 随所に意欲的な解説

アクチュアリー数学入門アクチュアリー数学入門
(アクチュアリー数学シリーズ 1)

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月刊誌『数学セミナー』での連載等を基に構成された、アクチュアリー資格・試験のガイドブック。内容の大部分は一次試験の数学科目(数学・生保数理・年金数理・損保数理)の解説に割かれているが、冒頭および巻末では、アクチュアリーの業務全般や資格取得後の展望にまつわる解説や座談会記事が収録されている点がこれまでにない特徴。公認会計士・税理士・社会保険労務士などの資格紹介本ではさんざん使い古されてきた構成だが、ことアクチュアリーに関しては本書が初めてではないだろうか。
また一次試験の各科目の概論も、全般的には基礎的な内容の解説に終始しているものの、アクチュアリー会の指定教科書にはない実践的な公式(生保数理の一時払・分割払の公式etc)や新しい図解(年金数理の財政方式etc)を掲載するなど、単なる入門書の域を超えた意欲的な試みを随所で見せている。もちろん本書の内容だけでは本試験の全範囲に太刀打ち出来ないものの、練習問題もそこそこ充実しており、初学者だけでなく中級者以上にとっても有用な一冊。次回以降のシリーズに期待したい。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2012/1/16): アクチュアリー数学シリーズ3「年金数理」



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