2010年09月30日

「厚生労働白書」でみる企業年金行政の現在(いま)

長妻昭前大臣の選挙区向け宣伝パンフレットに堕したと一部で失笑と同情を買っている「平成22年版厚生労働白書」。とはいえ、わが国における企業年金の監督官庁が厚生労働省である以上、厚生労働行政のいわば年次報告である同白書の中で企業年金がどのように取り扱われているかをチェキラしないわけにはいかない。

さて、今回の厚生労働白書における企業年金の扱われ方だが、本編では1ページ強資料編では3ページという分量であった。本編では、「厳しい経済状況と企業年金制度」「確定拠出年金制度等の整備について」「適格退職年金の移行促進について」という3つのトピックが取り上げられている。しかし、全般的に無味乾燥な記述に終始しており、残念ながら文体からは行政サイドの本気度を垣間見ることができない。各トピックについては、当BLOGでも折に触れて言及することとしたい。


厚生労働白書 平成22年版厚生労働白書 平成22年版 (2010)
厚生労働省 2010-08

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2010年09月26日

企業年金のリスト

仕事柄たまーに聞かれるのが、企業年金(ここでは厚生年金基金確定給付企業年金確定拠出年金(企業型)に限定)を実施している企業・基金の具体名を知りたいという質問。そこで今回は、Web上にて調べうる方法を伝授することとしたい。


<厚生年金基金>
厚生年金基金は、企業年金連合会Webサイト「会員名簿」を見るのが一番手っ取り早い。そもそも企業年金連合会は厚生年金基金連合会を前身としており、その名のとおり厚生年金基金のための団体であった。その名残から、現在も厚生年金基金は連合会への加入が義務付けられており、連合会の会員である厚生年金基金=全ての厚生年金基金とみて差し支えない。

<確定給付企業年金>
一方、確定給付企業年金および確定拠出年金(企業型)企業年金連合会への加入を義務付けられていないため、先ほどの会員名簿だけでは全容を把握できない。例えば、日産自動車やセコムなどは確定給付企業年金を実施しているものの、企業年金連合会の会員に名を連ねていない。
確定給付企業年金については、「確定給付企業年金実施企業等一覧」というリストが紙ベースでは公表されているものの、Web上で全文掲載されるに至ってはいない。厚生労働省の出先機関である各地方厚生局Webサイトの「所管法人等一覧」に掲載されている場合もあるが、開示度合いは厚生局によって異なる。例えば、北海道厚生局では確定給付企業年金や確定拠出年金の一覧も掲載されているものの、九州厚生局では厚生年金基金しか掲載されていない。

<確定拠出年金>
確定拠出年金(企業型)については、厚生労働省Webサイト上にて「承認規約代表事業主一覧」が公開されている。ただし、承認規約代表事業主=実施規約数であり、実際の加入企業数を表すものではないことに留意が必要である。なお、確定拠出年金については「運営管理機関登録業者一覧」も併せて公開されている。


【参考リンク】
 ◆会員名簿(企業年金連合会)
 ◆確定拠出年金企業型年金 承認規約代表事業主一覧(厚生労働省)
 ◆所管法人等一覧(厚生労働省 地方厚生(支)局)
   ・北海道厚生局
   ・東北厚生局
   ・関東信越厚生局
   ・東海北陸厚生局
   ・近畿厚生局
   ・中国四国厚生局
   ・四国厚生支局
   ・九州厚生局



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2010年09月21日

煽る阿呆に、鵜呑みにする阿呆

【オピニオン】深刻化する日本の年金問題 (WSJ Japan)
最近の円高進行に関する解説の大半は、日本の輸出企業に対する潜在的影響を中心としたものだ。だが、円高、とりわけ円高をきっかけとする株式市場の低迷は、日本企業が直面している別の深刻な問題への注意を喚起している。
その最大の問題の1つが企業年金制度だ。長引く長期金利の低下や株価の低迷、円高に、迫り来る会計基準の変更が相まって、深刻な退職年金不足への懸念が高まっている。
(2010/9/16 ウォール・ストリート・ジャーナル 日本版)

ハイハイ、またも出ました、給付建て(確定給付型)企業年金の積立不足が深刻だから確定拠出年金に移行せよとする煽り記事。この手の記事は日経新聞が繰り返し書いているから反論するのも食傷気味だが、企業年金制度を給付建て(確定給付型)から掛金建て(確定拠出型)に変更することと、積立不足を解消することとは全くの別問題である。確定拠出年金を採用したところで、既発生債務は帳消しにはならない。無くなるのは、積立不足が将来発生する可能性だけである。
しかも記事では、確定拠出年金を採用している企業を「01年時点では8万8000社であったのに対して、昨年時点は350万社にまで急増している」としているが、これは企業数ではなく加入者数の誤りである(出典:厚生労働省サイト)。その証拠に、グラフには「加入者数」と書かれている。

20100921確定拠出年金の加入者数の推移


この記事の執筆者は、西山賢吾氏(野村證券金融経済研究所投資調査部シニアストラテジスト)と中西弘士氏(同社ストラテジスト)との事。おおかた野村證券の確定拠出年金プランの販促が目的の記事であろう。彼らも商売だし自社商品をアピールするのは勝手だが、だからといって出鱈目を垂れ流して良いということにはならない。こんな煽り記事でも、「ウォール・ストリート・ジャーナル」だの「シニアストラテジスト」だのというブランドや肩書きで脚色されると、それを鵜呑みにする輩が増えてしまうから始末が悪い。いわんや、投信評価会社の社長においてをや。まあ、本当にものを分かってつぶやいているか否かが白日の下に晒されるのも、twitterの怖さでもあり面白さでもあるのだが(汗)。



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2010年09月17日

イベント開催告知 2010年秋

今年もやります、イベント告知。
何故なら、BLOGのネタに乏しいからさ・・・(汗)。


2010年9月24日(金)開催
横浜国立大学
「企業年金フォーラム(第6回)年金と会計が直面する今日的課題」
http://www.business.ynu.ac.jp/nenkin2010/index.html

2010年9月28日(火)開催
一橋大学
「2010一橋大学政策フォーラム『年金の将来』」
http://www.hit-u.ac.jp/function/outside/news/2010/0914.pdf

2010年9月28日(火)開催
商工会議所年金教育センター(主催:TIMコンサルティング)
「適格退職年金移行の最新状況と問題点整理」
http://tim-con.com/study1.html

2010年10月2日(土)開催
日本保険・年金リスク学会(JARIP)
「第8回大会」
http://www.jarip.org/report/2010/JARIP8th_program_2.pdf

2010年10月16日(土)開催
OLIS-日本大学文理学部 保険フォーラム
「欧州の年金制度に学ぶ−日本の年金の行方−」
http://hfea.info/program.html

2010年10月21日(木)〜22日(金)開催
日本年金学会
「第30回日本年金学会総会・研究発表会」
http://www.nensoken.or.jp/gakkai/soukai.html#soukai

2010年10月23日(土)開催
確定拠出型年金教育・普及協会(DC協会)
「DCアドバイザー大会2010」(予定)
http://www.nenkinnet.co.jp/dc/5_semina.html

2010年10月23日(土)〜24日(日)開催
日本保険学会
「日本保険学会全国大会」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsis2/conference/index.html

2010年10月25日(月)開催
企業年金連合会
「働く人の年金フォーラム2010」
http://www.pfa.or.jp/forum/index.html

2010年11月17日(水)〜18日(木)開催
日本アクチュアリー会
「2010年度年次大会」(予定)
http://www.actuaries.jp/meeting/taikai.html



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2010年09月15日

DBの簡易基準の適用範囲が拡大

確定給付企業年金制度簡易基準の適用拡大に関するパブリックコメントが今春募集されていたが、昨日、その結果が公表されるとともに改正省令も公布された模様である。加入者数が一定未満の確定給付企業年金制度においては、簡易な基準に基づく掛金計算および財政検証が認められている。正式には「簡易な基準に基づく確定給付企業年金」と言うが、俗に「簡易基準」とそのまま呼ばれることも多い。簡易基準が適用される具体的な要件は、以下のとおりである。


 <掛金額の算出>
 ◆基礎率は、予定利率予定死亡率のみを用いること。
  (キャッシュバランスプランにおいては、予定再評価率
 ◆予定利率は、下限予定利率〜4.0%の範囲内とすること。
 ◆予定死亡率は、基準死亡率に次の区分に応じた率を乗じた率とすること。
  (加入者:0、男子受給者等:0.9、女子受給者等:0.85)
 ◆給付額の改定は行わないこと。
 ◆障害給付金は支給しないこと。
 ◆遺族給付金は、老齢給付金の保証期間給付現価の残額or脱退一時金以下。

 <最低積立基準額および積立上限額の算出>
 財政検証における最低積立基準額積立上限額について、数理債務に一定比率を乗じるなどの簡易な計算が認められている。
    
 <その他>
 ◆年金数理関連書類に関する年金数理人の確認の省略(※一定期間内)。
 ◆「運用基本方針」の制定免除(資産規模3億円未満の規約型企業年金のみ)。


今回の省令改正により、簡易基準の適用対象となる加入者数の要件が300人から500人に拡大されたほか、簡易基準における年金数理人の確認省略期間が2012年3月31日から「当分の間」に延長された。税制優遇の停止まであと1年半に迫った適格退職年金移行促進措置の一環であることは想像に難くないが、何となく遅きに逸している感は否めない。とはいえ、何も手を打たないよりはマシか。。。



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2010年09月06日

「確定給付企業年金・確定拠出年金法令通達集」平成22年版

こちらも4年ぶりにリニューアル

確定給付企業年金・確定拠出年金法令通達集(平成22年版)確定給付企業年金・確定拠出年金法令通達集
(平成22年版)


法研 2010-09

確定給付企業年金(DB)および確定拠出年金(DC)の法令・通達等を余すところなく網羅した定番法令集が4年ぶりのリニューアル。本書の姉妹版に当たる「厚生年金基金法令通達集」は一足先に刊行されたものの、本書はいわゆる年金確保支援法案の成立を待ったためか、半年遅れの刊行となった(結局時間切れとなったが・・・汗)。
かつての企業年金制度の主流であった適格退職年金および厚生年金基金は、政令レベルで根拠規定が見つかることはまず無く通達レベルまで掘り下げて調べる必要があったため、「社会保険六法」「社会保険労務六法」といった定番の法令集だけでは到底対応できなかった。確定給付企業年金および確定拠出年金については、厚生年金基金に比べると法構成が幾分すっきりしたものの、それでも通達レベルまで網羅している法令集はやはり使い勝手が良い。

なお本書は、初版(平成15年版)では712ページと法令集にしては薄手だったが、その後、平成18年版では948ページ、今回の平成22年版では1,144ページ改訂を経るたびに分量を増している。DB法・DC法の制定から来年で10周年、関連告示・通達等のストックがある程度充実してきた現状を鑑みるに、そろそろDB版とDC版とに分冊化すべき時期ではないだろうか。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/5/24): 「厚生年金基金法令通達集」平成22年版
The企業年金BLOG(2006/4/16): 「厚生年金基金法令通達集」平成18年版
The企業年金BLOG(2005/11/9): 「厚生年金基金法令通達集」平成15年版



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