2011年05月31日

「学生生活マネー&キャリア お役立ちハンドブック!」

大学生向け普及啓発パンフレット 細部がやや雑・・・?

学生生活マネー&キャリア お役立ちハンドブック!学生生活マネー&キャリア お役立ちハンドブック! (pdfファイル)

日本FP協会 2011-03

FP資格の総本山の一つである日本FP協会では、かねてよりパーソナルファイナンス教育(金融経済教育)と銘打って小学生から高校生に向けた普及・啓発活動に熱心だが、今般、大学生向けのパンフレットも刊行された模様。経済・商学系の学生だけでなく、文学部や理工系など他分野の学生にも親しみやすい文体・デザインとなっている。

当BLOGとしては年金に関する記述がどうしても気になるところだが、社会保障・公的年金については「学生生活編 CHECK6 知っておきたい保険・共済のこと」(23・24ページ)に、退職金・企業年金については「将来の暮らし編 CHECK3 働き方の多様化と給与」(37ページ)にそれぞれ収録されている。ただし、企業年金に関する箇所は「(中略)税制面でさまざまな優遇措置もあり、企業年金制度は『確定給付型企業年金』から『確定拠出年金』へと徐々に移行しています」などという誤解に基づいた記述で締められているのは大いに不満が残る。まあ、本書の完成度を大きく損ねるものではないにしても、半可通なFPにありがちな記述が他にもあるのではないかという疑念に苛まれてしまう(汗)。



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2011年05月25日

企業年金の受託概況(2011年3月末)

毎年5月下旬に公表される「企業年金の受託概況」が、今年も信託協会生保協会JA全共連の連名によりリリースされた。

 ◆企業年金の受託概況(平成23年3月末現在)
  20110525nenkin-jutaku2010.jpg

  ■信託協会のリリース
  ■生保協会のリリース
  ■JA全共連のリリース
 (注)上記3つのリリースはいずれも同じ内容。

上記の3団体が公表している「企業年金の受託概況」では、厚生年金基金確定給付企業年金および適格退職年金という3つの給付建て(確定給付型)制度の状況が掲載されている。このうち前2制度については厚生労働省や企業年金連合会からも精緻な統計数値が公表されるが、適格退職年金に関する統計は、事実上この「企業年金の受託概況」でしか把握できない。しかも、適格退職年金は来年3月末を以って廃止(正確には税制優遇の停止)されることから、本統計で適格退職年金を取り扱うのは今回が最後である。

さて本題に入ろう。上記によると、適格退職年金は2011年3月末で契約件数8,051件(前年度比▲9,133件)、加入者数126万人(前年度比▲123万人)、資産残高は3兆998億円(前年度比▲3兆3,033億円)となった。契約総数は1万件の大台を下回り、来年(2012年)3月末に迫った移行期限に向けた駆け込みぶりがうかがえる。
また、確定給付企業年金は2011年3月末で10,050件1万件の大台を超えた一方で、厚生年金基金は595件と1969年(昭和44年)以来40年ぶりに600件を下回った。確定給付企業年金法・確定拠出年金法の制定から10年、時代は移り変わりつつあるということか(遠い目)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/5/28): 適格退職年金の2010年3月末の状況
The企業年金BLOG(2009/5/27): 適格退職年金の2009年3月末の状況
The企業年金BLOG(2008/5/30): 適格退職年金の2008年3月末の状況
The企業年金BLOG(2007/5/25): 適格退職年金の2007年3月末の状況
The企業年金BLOG(2006/5/26): 適格退職年金の2006年3月末の状況



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2011年05月12日

企業年金における被災者支援措置(第4報)

東日本大震災への対応特例法(東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律)が本年5月2日付で公布・施行された。このうち、年金関連の規定は以下の通りである。

1.標準報酬月額の改定の特例 (第94条)
 災害地域における事業所の厚生年金保険の標準報酬月額について、賃金に著しい変動の生じた月からの改定ができることとする。

2.保険料の免除の特例 (第95条)
 災害地域における事業所において、当該事業所の被保険者に対する賃金の支払に著しい支障が生じている場合、厚生年金保険料の免除ができることとする。

3.老齢年金の裁定請求の特例 (第96条、第98条)
 被災区域に居住する特別支給の老齢厚生年金の受給者が被災後6月30日までに65歳に達する場合には、裁定請求の申請がなくても引き続き年金を支給することとする。

4.遺族年金・一時金の支給事由の特例 (第97条、第99〜101条)
 東日本大震災から3ヶ月行方不明あるいは死亡時期が特定できない者については、震災発生日(2011年3月11日)に死亡したものとみなして遺族年金・一時金を支給することとする。

上記の規定は公的年金に関するものが大半だが、企業年金も無関係ではない。例えば、厚生年金基金は厚生年金保険法を根拠法としているため、厚生年金保険に関する措置は厚生年金基金にも適用される(国民年金法を根拠法とする国民年金基金も同様)。また、遺族年金・一時金に係る規定では、厚生年金基金に加えて確定給付企業年金(第100条)や確定拠出年金(第101条)も対象となっている。なお、保険料に関する規定は3月1日付、それ以外の規定は5月2日付で適用となる。


<参考資料>
東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律 (内閣府)
上記のうち厚生労働省の所管規定 (厚生労働省)
政令 (e-Gov:電子政府の総合窓口)
厚生労働省令 (e-Gov:電子政府の総合窓口)
通知 (厚生労働省)

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2011/4/1): 企業年金における被災者支援措置(第3報)
The企業年金BLOG(2011/3/18): 企業年金における被災者支援措置(続報)
The企業年金BLOG(2011/3/15): 企業年金における被災者支援措置



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2011年05月09日

「平成23年度 年金制度のポイント」

役所刊行のパンフレット 良くも悪くも素っ気無さが魅力!?

平成23年度 年金制度のポイント平成23年度 年金制度のポイント (pdfファイル)

厚生労働省年金局 2011-05

かつての「年金白書」の末裔的存在として隔年刊行されている「年金制度のポイント」の最新版。前回の平成21年度版と比べると、年金額や統計数値の更新以外にさほど目新しい変更点は見られないが、公的年金および企業年金の制度概要がまとまっている資料集としての地位はもはや磐石となった感がある。また、前々回の平成19年度版までは1ページ単位でupされていたものが、前回版からは章単位でupされるようになり、利便性は若干増した。とはいえ、閲覧や印刷を快適に行う観点からは、是非ともダウンロード用に全体版を別途設けて貰いたいところだ

【2011.5.10修正】
前回の平成21年度版から全体版がダウンロード可能になっておりました。
大変失礼致しましたm(__)m



<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2008/1/23): 「平成19年度 年金制度のポイント」
The企業年金BLOG(2007/3/13): 「平成18年度 年金制度のポイント」



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2011年05月07日

「概説 日本の生命保険」

生命保険に関する実務的・実態的テキスト

概説 日本の生命保険概説 日本の生命保険
ニッセイ基礎研究所

日本経済新聞出版社 2011-04
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日本生命が東京大学で開講した生命保険論の講義資料を加筆・修正したテキスト。生命保険および生保事業の基本的な仕組みから、生命保険を取り巻く環境の変化、生保業界が抱える経営課題とそれらへの取組まで幅広く網羅しており、しかも書物としても読み易いものに仕上がっている。生保業界の定番書として名高い「生命保険講座」(生命保険協会)は業界人以外には入手困難なだけに、その代替としても最適である。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/10/12): 「生命保険講座」
The企業年金BLOG(2011/3/27): 「生命保険の法務と実務」改訂版



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2011年05月01日

「いま、知らないと絶対損する年金50問50答」

新聞記者による良質な年金論 破綻幻想・抜本改革幻想の空虚さを暴く

いま、知らないと絶対損する年金50問50答いま、知らないと絶対損する年金50問50答(文春新書)
太田 啓之

文藝春秋 2011-04
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朝日新聞で長年にわたり社会保障を担当してきた名物記者による年金論。現在の公的年金は少子・高齢化とデフレ経済という難題を抱えているものの、破綻とは程遠い状態であり十分実用に耐えうる制度であることを、年金改革の歴史的経緯や現行制度への反対意見を踏まえつつ懇切丁寧に解説している。「いずれ年金は破綻する」「抜本改革すれば今よりずっと良くなる」と今まで漠然と考えていた向きにとっては、目から鱗が落ちよう。また、三神万里子氏による4コマ漫画&挿絵は、本文を読まずともイラストに目を通すだけで年金問題の本質がうかがえる秀逸さ。新聞記者とイラストがコラボした年金本というと「年金これだけ心得帖」(山口聡著)という名著があったが、上質さでは本書も双璧を成しており、早くも2011年の年金本ベスト1と言っても過言ではない。
なお個人的には、抜本改革を連呼する政治家・経済学者にこそ、現行制度で出来ること・出来ないことを把握するためにも本書を手にして欲しいところ。もっとも、抜本改革を叫ぶ輩に限って、現行制度をろくに知ろうともせず改革自体(あるいは自己顕示)を目的にしていることは、本書の「まえがき」のエピソードに出てくる大学教授の例を出すまでもない(汗)。

余談だが、上記の大学教授の著作について、当BLOG管理人はてっきりコチラ(文庫版はコチラ)だとばかり思ってたが、Amazonのコメント欄に寄せられた情報ではコチラ(文庫版はコチラ)が正しいとの事。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2008/8/19): 公的年金の資産運用に関する論点整理
The企業年金BLOG(2006/9/5): 朝日新聞の年金記録記事は必見



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