2011年07月20日

厚生労働省「確定給付企業年金に関するQ&A」

今週に入り、厚生労働省のWebサイトに確定給付企業年金に関するQ&Aなるコーナーが開設された。確定給付企業年金に関する全102問の質疑応答が、「加入者」「給付」「給付減額」「掛金」「積立金」「制度間移行」「規約変更手続き」の7項目に分類・掲載されている。先日公表されたパブコメとは違い、財政運営よりも制度設計や手続要件に重きを置いた内容となっており、2007年7月に公表された「規約型確定給付企業年金規約例」(pdfファイル)の簡略版&最新版のような位置付けであると言えよう。
なお、確定拠出年金では「確定拠出年金Q&A」が制度創設時より掲載されている。

<参考資料>
確定給付企業年金に関するQ&A (厚生労働省)
確定拠出年金Q&A (厚生労働省)






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2011年07月14日

財政運営基準の改正に係るパブリックコメント募集開始

そういえば、厚生年金基金(厚基)および確定給付企業年金(DB)の財政運営基準の改正に関するパブリックコメントが、本日付でようやく開始された模様。業界内では先月頃から内々に出回っていたが、今回は新たに「支払終了企業年金(閉鎖型のことか?)の制度終了後の残余財産の取扱」に関する規定が加わっている。主な改正内容を以下に列挙しておく。


1.制度運営の効率化の観点から改正する事項
(1)財政再計算時期の見直し (厚基)
  ・これまで変更計算に該当するものも財政再計算に含める
(2)特別掛金率の計算方法の見直し (DB、厚基)
  ・将来の加入者数や給与水準の変化を見込むことが可能に(どうやって?)
(3)過去勤務債務の償却方法の見直し (DB、厚基)
(4)確定拠出年金への一部移行に伴う一括拠出の緩和 (DB、厚基)
(5)脱退一時金における一時金換算率の要件緩和 (DB)
(6)選択一時金における一時金換算率の要件緩和 (DB、厚基)
(7)キャッシュバランスプランにおける指標の弾力化 (DB、厚基)
  ・市場インデックス(TOPIX等)も使用可能に!?
(8)制度終了時における残余財産の優先分配の追加 (DB)
  ・「加入者・受給者平等」「受給者優先」に新たに「加入者優先」を追加
(9)申請書類の簡素化 (DB)
(10)業務報告の簡素化等 (DB、厚基)
(11)代表事業主による申請手続 (DB)
(12)届出事項の拡大等 (DB)
(13)支払終了企業年金の制度終了後の残余財産の取扱 (DB)

2.財政の健全化の観点から改正する事項
(1)財務諸表の簡素化・透明化 (DB、厚基)
  ・財務諸表における数理的評価等の調整科目を廃止する
  ・財務諸表上の負債を責任準備金に戻す

(2)積立状況の的確な把握 (DB、厚基)
  ・数理的評価を用いてても、継続基準における検証時は時価(純資産額)を用いる
   (財政計算では従来どおり数理的評価を考慮)

(3)非継続基準の見直し (DB、厚基)
  ・最低積立基準額の積立要件を、5年かけて90%から100%に引上げる
  ・回復計画を用いた掛金拠出ルールを廃止する

(4)指定基金の指定要件等の見直し (厚基)
  ・指定基金の要件に「直近決算の積立金が最低責任準備金の8割未満」を追加

<参考資料>
確定給付企業年金法施行令、確定給付企業年金法施行規則、厚生年金基金令、厚生年金基金規則及び関連通知の一部改正に関する意見募集について (e-Gov)

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2011/11/16): 財政運営基準等改正に係る追加パブコメの結果公表
The企業年金BLOG(2011/10/17): 財政運営基準等改正に係る追加のパブコメ募集



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2011年07月11日

「適年から移行してはみたものの・・・どうもダメな会社が読む本」

適年移行「後」を見据えた中堅・中小企業向け企業年金本

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関西の企業年金コンサルタント広島の社会保険労務士のコラボによる適年移行本第2弾。本書の特徴はズバリ、適年移行「後」に主眼を置いた構成にある。前著に比べると、実は内容的にはさほど差は無いのだが(汗)、看板(タイトル)を書き換えるだけでここまで目新しく見せるとは、おそらく著者だけでなく出版社サイドの企画力の賜物でもある。とはいえ、第4章「確定給付企業年金の誤解」「確定拠出年金の誤解」第6章「金融機関選定のポイント」「コンサルタント選定のポイント」などのトピックは相変わらず読み応えがあり、ナントカの一つ覚えみたいに確定拠出年金中小企業退職金共済(中退共)を推奨して悦に入っているだけの凡庸な類書に比べると、その完成度の差は歴然。中堅・中小企業向け企業年金本としてはもはや定番のシリーズと化しつつある。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/1/15): 「適年移行先はこうしなさい」



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