2012年02月16日

2011年12月末時点の適格退職年金は1,045件

本日、厚生労働省ホームページ内の適格退職年金制度の動向コーナーが更新され、適格退職年金は2011年12月末時点で契約件数1,045件、加入者数10.0万人であることが公表された。2011年9月末時点から3ヶ月で2,379件減少したことを考慮すると、廃止期限が到来する本年3月までにはほぼ対応が終了するであろう。
なお、上記とは別に、閉鎖適年は同時点で2,903件(受給者数:約2.72万人)となり、閉鎖適年が契約件数で上回る事態となった。
最後に、適年移行が始まった2002年以降の適年の推移は、以下のとおりである。

  <年月> <件数> <減少数>
  2002.3  73,582   ──
  2003.3  66,741 (▲6,841) 
  2004.3  59,162 (▲7,579) 
  2005.3  52,761 (▲6,401) 
  2006.3  45,090 (▲7,671) 
  2007.3  38,885 (▲6,205) 
  2008.3  32,826 (▲6,059) 
  2009.3  25,441 (▲7,385) 
  2010.3  17,184 (▲8,257) 
  2011.3   8,051 (▲9,133)
  2011.9   3,424 (▲4,627) ※半期ベース
  2011.12  1,045 (▲2,379) ※四半期ベース
  (注)遡及修正されているため、公表時の数値とは必ずしも一致しない。



<参考資料>
適格退職年金制度の動向 (厚生労働省)
適格退職年金契約関係 (国税庁)
適格退職年金移行支援 (企業年金連合会)

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2011/12/21): 2011年9月末時点の適格退職年金は3,424件
The企業年金BLOG(2011/5/25): 企業年金の受託概況(2011年3月末)
The企業年金BLOG(2011/1/31): 簡素化と言っても「閉鎖適年」の話だけどね



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2012年02月12日

所得再分配を伴わない公的年金は不要!?

前回のエントリの続き。

前回、わが国の公的年金は、単なる老後貯蓄商品ではなく長寿リスクに備えるための保険であると述べた。しかし、一口に保険といっても、民間の保険と社会保険とではその性質は大きく異なる。民間の保険は、基本的には、支払う保険料と受け取る保険金の期待値(=保険事故発生率×保険金額)が等価となるべく設計される。これを「給付・反対給付均等の原則」といい、個人単位ではなく制度全体に拡張したものを「収支相等の原則」という。
しかし、社会保険の場合は、制度全体では収支相等を図るものの(そうでないと制度が成り立たないw)、政策上の目的を達成する観点から、個々人単位での収支相等にはあえて目をつぶる場合がある。終身年金に次ぐわが国の公的年金のもう一つの特徴である所得再分配機能は、その最たるものである。

ここで所得再分配というと、何とかの一つ覚えみたいに世代「間」扶養が取りざたされるが、所得再分配機能でより重要なのは、世代「内」扶養、すなわち高所得者から低所得者への所得再分配である。たまに「社会保険方式なのだから再分配をするな!」「負担に見合った給付をしろ!」などの批判が見受けられるが、社会保険方式は純然たる保険料方式とは質を異にする以上、そのような指摘は的外れでしかない。逆に、所得再分配を伴わない公的年金など民業(企業年金&個人年金)圧迫でしかない。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2012/2/3): 終身給付ではない公的年金は不要!?



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2012年02月03日

終身給付ではない公的年金は不要!?

年金の支給開始が70歳になったら、「金融商品」としての損得はどうなるのだろうか? (橘玲 公式サイト)
公的年金の支給開始年齢を70歳に引き上げるという案が話題になった。あまりの反発に民主党は即座に撤回したが、年金財政の悪化を考えれば、早晩復活することは間違いないだろう。
ところで年金の支給が70歳開始になったら、積み立てた保険料と、生涯にわたって受け取ることになる保険金の関係はどうなるのだろうか?

上記のような議論でありきたりなのが、掛金支払総額と年金受取総額(見込)を比較して「払った分だけ元が取れないから(公的年金への加入は)損だ」とするもの。中には、馬鹿の一つ覚えみたいに内部収益率(IRR)を算出して「数学的にも証明されました(キリッ!)」とドヤ顔して恥じない学者・学生も後を絶たない(汗)。世に蔓延するマネーの常識に淡々と異議を唱えることで知られる橘玲氏もまた、残念ながらそのご多分に漏れなかった模様。
さて、上記の橘氏の記事では、70歳から平均余命までの期間を基に比較検証していたが、実は、確定年金と同じ感覚で公的年金それも終身年金(終身給付)の収益性を論じるのはあまり意味がない。何故なら、終身給付は文字通り生きている限り給付を受け取れるため、受取総額が最終的に幾らになるかは受給が終了しないと(=死んでみないと)分からないからである。内部収益率の算出には期間の設定が必要であり、終身給付のように不確定なキャッシュ・フローでは内部収益率の算出は不可能である。何せ人間はいつ死ぬか分からないからである。まあ、内部収益率だなんて大層なモノを引っ張り出さなくても、ここでは終身年金は長生きすれば得、早死にすれば損とだけ覚えておけば良い。

わが国の公的年金は終身給付を旨としている。つまり、公的年金を金融商品になぞらえるなら、単なる老後貯蓄商品ではなく、不意に長生きしたことを理由に支払われる保険商品と捉えるべきであろう。生命保険(死亡保険)がいつ死ぬか分からないリスクへの備えであるのに対し、公的年金(生存保険)はいつまで生きるか分からないリスクへの備えである。よって、死亡保険で払った分だけ元を取ろうという発想が珍妙なのと同様、公的年金で払った分だけ元を取ろうというのもまたお門違いである。

また、終身給付は、早死にした者の給付原資を長生きしている者に再分配することを前提に構築されている。このため、長生きする自信のある層がこぞって加入する民間保険よりも、早死にする可能性が高い層もまとめて強制加入させる公的年金の方が掛金水準は低くなる傾向にある。すなわち、効率的な終身給付を提供するなら強制加入の公的年金が最適なのである。逆に、終身給付を提供しない公的年金など民業(企業年金&個人年金)圧迫でしかない。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2012/2/12): 所得再分配を伴わない公的年金は不要!?



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posted by tonny_管理人 at 03:49 | Comment(4) | TrackBack(0)
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