2012年03月26日

2012年度の企業年金の予定利率

厚生労働省は3月26日、厚生年金基金および確定給付企業年金の財政検証に用いる2012年度の利率を告示した(厚生労働省告示第153〜155号、年企発第0326第1号)。継続基準に用いる予定利率の下限は1.1%、非継続基準に用いる利率は2.24%となった。企業年金の予定利率は1997年以降ほぼ自由化されており、上記の利率は例年3月頃に告示または通知される。当該利率の根拠となる国債の応募者平均利回りは、財務省Webサイトの「国債入札カレンダー」から入手できる。なお、各制度における下限予定利率の推移は以下のとおり。

◆継続基準の予定利率
 <年度> <厚年> <DB>   <算定根拠>
 1997年  4.0%   ──  10年国債応募者平均利回りの5年平均
 1998年  3.4%   ──        
 1999年  2.9%   ──        
 2000年  2.4%   ──        
 2001年  2.0%   ──        
 2002年  1.2%  1.2%  5年平均または1年平均のいずれか小さい率
 2003年  1.2%  1.2%       
 2004年  0.9%  0.9%       
 2005年  1.3%  1.3%       
 2006年  1.2%  1.2%       
 2007年  1.3%  1.3%       
 2008年  1.4%  1.4%       
 2009年  1.5%  1.5%       
 2010年  1.3%  1.3%       
 2011年  1.1%  1.1%       
 2012年  1.1%  1.1%       



非継続基準については、利率そのものは告示等で定められているものの、2003年以降は、当該利率に0.8〜1.2の調整率を乗ずることが可能となっている。非継続利率の推移は以下のとおり。

◆非継続基準の予定利率
 <年度> <厚年> <DB>   <算定根拠>
 1997年  4.75%   ──  20年国債応募者平均利回りの5年平均
 1998年  4.00%   ──  (小数点以下0.25揃え)
 1999年  3.50%   ──        
 2000年  3.00%   ──        
 2001年  2.75%   ──        
 2002年  2.50%  2.50%       
 2003年  2.23%  2.23%  (小数点以下0.25揃えを廃止)
 2004年  2.29%  2.29%  30年国債応募者平均利回りの5年平均
 2005年  2.20%  2.20%       
 2006年  2.17%  2.17%       
 2007年  2.20%  2.20%       
 2008年  2.27%  2.27%       
 2009年  2.44%  2.44%       
 2010年  2.38%  2.38%       
 2011年  2.32%  2.32%       
 2012年  2.24%  2.24%       



※参考資料
企業年金制度における各利率の設定基準(日本年金数理人会) (pdfファイル)
◆10年国債応募者平均利回り (当BLOG作成)
 keizoku-rate2012.jpg
◆20年・30年国債応募者平均利回り (当BLOG作成)
 hikeizoku-rate2012.jpg


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2011/3/30): 2011年度の企業年金の予定利率
The企業年金BLOG(2007/3/16): 企業年金の予定利率の算出根拠とは






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2012年03月07日

AIJ事件発覚以降、妙にテンションの高いWebサイト2件

先月末からのAIJ投資顧問を巡る一連の報道以降、蜂の巣をつついたような騒ぎとなっている企業年金業界。本件については当BLOG管理人も語りたいことは色々あるのだが(例:AIJを「日本版マドフ」と警告したとされる某業界誌の元記事読んだけど・・・どこが警鐘!?)、本件の煽りを受けて業務多忙を極めており、当面はブログ更新どころではない_| ̄|●
そんなヘタレな当BLOG管理人に代わり、今回は、AIJ騒動以降、更新頻度を急激に上げているハイテンションなWebサイトを2件ご紹介しよう。


企業年金の会計 (横山会計事務所)
  企業年金の会計(横山会計事務所)

企業年金の会計に特化したWebサイトとしては老舗中の老舗。当BLOG管理人がインターネットをやり始めた1990年代末頃から、黄色を基調とした昔ながらのデザインは些かも変わっていない。会計士の手によるだけあって基本的には会計情報がメインであり、2000年の退職給付会計の導入時には頻繁に更新されていたものの、その後は鳴りを潜めていることが多く、知る人ぞ知る存在であった。
ところが、今回のAIJ騒動を受けて、かつての雄姿を髣髴とさせる更新ラッシュを展開し始めたのは、オールドファンにとってはまさに嬉しい誤算。AIJ騒動を会計基準や監査の視点から論じているWebサイトは他に類が無く、まさに会計士ならではの専門的知見が覗える。


確定拠出年金(個人型)の基礎知識
  確定拠出年金(個人型)の基礎知識

一見すると確定拠出年金(DC)に関するただの商品比較・情報発信サイトであり、頻繁に更新しているようには見受けられない。しかし実は、メニュー右側の「最近のエントリー」欄およびページ下部の「最近の更新」欄に、Webサイト管理者によるコメントがたまに投稿される。これまでは1〜2月に1回のペースだったが、AIJ事件の発覚以降、本日時点で既に4回も更新されるなど、こちらも更新頻度が上がってきている。
それにしてもこのWebサイト、AIJ事件には敏感に反応するもののDCの情勢(マッチング拠出解禁など)への反応が希薄というのは、DC専門サイトとしては如何したものだろうか(汗)。まあ、それなりに面白いからいいけどw



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