2014年03月31日

2014年度の企業年金の予定利率

厚生労働省は本日3月31日、厚生年金基金および確定給付企業年金の財政検証に用いる2014年度の利率を告示した(厚生労働省告示第167〜169号、年企発第0331第1号)。継続基準に用いる予定利率の下限は0.7%非継続基準に用いる利率は2.00%となり、予定利率が自由化された1997年以降では史上最低の水準となった。当該利率の根拠となる国債の応募者平均利回りは、財務省Webサイトの「国債入札カレンダー」から入手できる。なお、各制度における下限予定利率の推移は以下のとおり。

◆継続基準の予定利率
 <年度> <厚年> <DB>   <算定根拠>
 1997年  4.0%   ──  10年国債応募者平均利回りの5年平均
 1998年  3.4%   ──        
 1999年  2.9%   ──        
 2000年  2.4%   ──        
 2001年  2.0%   ──        
 2002年  1.2%  1.2%  5年平均または1年平均のいずれか小さい率
 2003年  1.2%  1.2%       
 2004年  0.9%  0.9%       
 2005年  1.3%  1.3%       
 2006年  1.2%  1.2%       
 2007年  1.3%  1.3%       
 2008年  1.4%  1.4%       
 2009年  1.5%  1.5%       
 2010年  1.3%  1.3%       
 2011年  1.1%  1.1%       
 2012年  1.1%  1.1%       
 2013年  0.8%  0.8%       
 2014年  0.7%  0.7%       



非継続基準については、利率そのものは告示等で定められているものの、2003年以降は、当該利率に0.8〜1.2の調整率を乗ずることが可能となっている。非継続利率の推移は以下のとおり。

◆非継続基準の予定利率
 <年度> <厚年> <DB>   <算定根拠>
 1997年  4.75%   ──  20年国債応募者平均利回りの5年平均
 1998年  4.00%   ──  (小数点以下0.25揃え)
 1999年  3.50%   ──        
 2000年  3.00%   ──        
 2001年  2.75%   ──        
 2002年  2.50%  2.50%       
 2003年  2.23%  2.23%  (小数点以下0.25揃えを廃止)
 2004年  2.29%  2.29%  30年国債応募者平均利回りの5年平均
 2005年  2.20%  2.20%       
 2006年  2.17%  2.17%       
 2007年  2.20%  2.20%       
 2008年  2.27%  2.27%       
 2009年  2.44%  2.44%       
 2010年  2.38%  2.38%       
 2011年  2.32%  2.32%       
 2012年  2.24%  2.24%       
 2013年  2.13%  2.13%       
 2014年  2.00%  2.00%       



※参考資料
企業年金制度における各利率の設定基準(日本年金数理人会) (pdfファイル)
◆10年国債応募者平均利回り (当BLOG作成)
 keizoku-rate2014.jpg
◆20年・30年国債応募者平均利回り (当BLOG作成)
 hikeizoku-rate2014.jpg


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2013/3/21): 2013年度の企業年金の予定利率
The企業年金BLOG(2007/3/16): 企業年金の予定利率の算出根拠とは



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2014年03月27日

年金数理人になるための要件が密かに緩和

仕事のため今週公布・発出された法令・通達につぶさに目を通していたところ、年金数理人に関する驚くべき改正が施されていたことに気がついた。

そもそも年金数理人に関する要件は、厚生年金基金規則第76条および通知「年金数理関係書類の年金数理人による確認等について」にて規定されている。具体的には、以下の4つの要件を満たしたうえで厚生労働大臣の認定を受ける必要がある。
1. 基礎知識:公益社団法人日本アクチュアリー会の正会員であること
2. 実務経験:年金数理業務に5年以上従事した経験があること
3. 責任者たる経験:上記業務の責任者として2年以上の経験があること
4. 十分な社会的信用を有するものであること

しかし、今般の改正厚生年金保険法の制定に伴い現行の厚生年金基金規則が廃止されることとなったため、年金数理人の要件については改正後の確定給付企業年金法施行規則(86ページ左下)に移設され、以下の通り改正された。
1. 基礎知識:アクチュアリー会が実施する試験の全科目に合格したこと
         または 数理人会が実施する試験の全科目に合格したこと
2. 実務経験:年金数理業務に5年以上従事した経験があること
3. 責任者たる経験:上記業務の責任者として2年以上の経験があること
4. 十分な社会的信用を有するものであること

新たな省令では、年金数理人に必要な知識要件が、アクチュアリー会の「正会員」から「全科目に合格した者」に変更されているほか、「数理人会が実施する試験の全科目に合格した者」が新たに追加されている。数理人会の能力判定試験は2002年から実施されており、従来は全科目合格しても準会員どまりだったが、今回の改正により、数理人会の能力判定試験が年金数理人へのパスポートとして公に認知されることとなった。

また、今般発出された通知「『確定給付企業年金制度について』の一部改正について」では、上記と同等以上の知識を有するものとされるための要件として「以下の1〜5の試験全てに合格している者」と規定されており、現行のアクチュアリー資格既合格科目の免除措置が正規に制度化されることとなった。
  【アクチュアリー試験の科目】     【数理人会試験の科目】
1.  「数学」および「損保数理」  または  「基礎数理T」
2.  「生保数理」          または  「基礎数理U」
3.  「年金数理」          または  「年金数理」
4.  「会計・経済・投資理論」   または  「会計・経済・投資理論」
5.  「年金1」および「年金2」   または  「年金法令・制度運営」

実務経験5年以上(うち責任者として2年以上)等の要件は従来通りだが、アクチュアリー試験の「損保数理」や2次試験で足踏みしている年金アクチュアリーにとっては、今般の制度改正は朗報と言っても良いのではないだろうか。
それにしても、厚生年金基金の実質的廃止(およびそれに伴う年金数理人業務の縮小)を企図した今般の制度改正の中で、シレっと巻き返しを図るこの抜け目のなさ。どんな知恵者が暗躍したのであろうか(汗)。



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2014年03月26日

政省令・告示・通知がようやく出たわけだが

昨年11月のパブコメ開示以来、出るぞ出るぞと言われつつなかなか出ずに業界関係者をやきもきさせた改正厚生年金保険法(正式名称:公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律)の施行に係る政省令・告示・通知が、今週月曜日(3/24)にようやく公布・発出された。
約半年も便秘状態だったものが解消されたのは喜ばしい限りだが、当BLOG管理人の業務的にはこれら法令・通達が公表されてからがむしろ本番。現在はこれらの解読・解説に時間を割かれているため、当BLOGで解説するまでしばし猶予願いたい。
参考までに、原文および各金融機関のニュースリリースを以下に掲載しておく。

政令・省令・告示 (官報ホームページ) ※公開は公布日から30日以内
通知一覧 (厚生労働省ホームページ) ※必ずしも全て出揃っていない
パブリックコメント意見募集結果 (電子政府の総合窓口e-Gov)

りそな銀行
みずほ信託銀行
日本生命
JPアクチュアリーコンサルティング


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2014/3/1): 政省令出す出す詐欺が横行!?
The企業年金BLOG(2013/11/6): 歴史ある制度を葬るなら万全を期するべし!
The企業年金BLOG(2013/6/19): 厚生年金基金の改正法案が可決したわけだが



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2014年03月06日

ビッグデータとビッグダディの違い

企業年金専門ブログっぽく、たまにはアクチュアリアルな話題をw

<ビッグデータとビッグダディの違い>
 
■標本(サンプル)数が多いのがビッグデータ。
■子供の数が多いのがビッグダディ。

■仮説と検証を繰り返すのがビッグデータ。
■結婚と離婚を繰り返すのがビッグダディ。

■検証結果をレポートにまとめるのがビッグデータ。
■事の顛末を暴露本にまとめるのがビッグダディ(の妻)。


<ご参考>
ビッグデータ(Wikipedia)
ビッグダディ(Wikipedia)


すべては統計にまかせなさいすべては統計にまかせなさい
藤澤 陽介

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2014年03月01日

政省令出す出す詐欺が横行!?

厚生年金基金制度の見直しを柱とした改正厚生年金保険法(正式名称:公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律)が昨年6月19日に可決・成立、同法の施行に係る政省令・告示等に係るパブリックコメントも昨年11月に実施され、そろそろ政省令が正式に公布されるものと待ち構え続けて早3ヶ月・・・

施行日(4月1日)まで1月を切ったにもかかわらず、政省令未だ公布されていないとはどういうことだ!?

当初は、昨年7〜8月にかけて厚生労働省(地方厚生局)が実施した「企業年金制度改正ブロック説明会」資料によると、政省令の公布は12月中、通知の発出は年明けと明記されていた(出典1)。しかし、昨年10月29日に開催された第1回社会保障審議会企業年金部会あたりから、政省令の公布は年末(予定)と遅延のニュアンスを漂わせはじめ(出典2)、結局は年明け以降音沙汰一つないのが現状である。

同様の事態は、給付乗率の一律5%適正化(要は減額)や報酬比例部分の支給開始年齢の65歳引上げ等で物議をかもした2000(平成12)年の厚生年金保険法の改正でも見られた。この時は、審議のもつれで法案そのものの成立が大幅に遅延したものの、審議の遅れを見越して政省令等の文案は関係者に事前に案内されていたため、同年3月29日可決・成立、同月31日公布という慌しいスケジュールにもかかわらず、混乱は少なかったものと記憶している。

それに比べて現在の厚生労働省のこの体たらく。以前当BLOGでは、歴史ある制度を葬るならば万全を期して介錯役を務めよと述べたが、残念ながら行政当局のヤル気は微塵も感じられない。まあ、自身の基金の監督不行き届きを棚に上げて基金制度廃止に踏み切るような連中だ、もしかしたら、政省令の公布の遅れすら基金の乱脈運営のせいにしかねない(汗)。



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posted by tonny_管理人 at 23:58 | Comment(2) | TrackBack(0)
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