2009年度の与党税制改正大綱は住宅ローン減税の拡大や証券優遇税制の延長など、国・地方で約1兆円(平年度ベース)の減税となった。景気悪化に一定の配慮はしたものの、一貫性のない政策減税の寄せ集めでは経済の浮揚には力不足である。中期の課題である消費税や法人税の抜本改革も踏み込めず、麻生政権の求心力低下を映した。
(2008/12/13 日経朝刊 2面)
今月12日に公表された2009年度税制改正大綱。マスメディアの報道ではたばこ税増税やら住宅ローン減税やらばかりが取り沙汰されているが、企業年金業界にとっては見逃せない項目が幾つか散見された。
平成21年度税制改正大綱(自民党)
第三 平成21年度税制改正の具体的内容
八 金融・証券税制
(中略)
6 確定拠出年金制度
(1)企業型確定拠出年金への個人拠出(いわゆるマッチング拠出)は
全額所得控除に。
(2)確定拠出年金の拠出限度額の引上げ。
@企業型
イ 他の企業年金がない場合 月額4.6万円 → 月額5.1万円
ロ 他の企業年金がある場合 月額2.3万円 → 月額2.55万円
A個人型
・ 企業年金がない場合 月額1.8万円 → 月額2.3万円
7 生命保険料控除の改組 ※2012年より適用
(1)新しい控除枠の設定等(適用以後に締結した契約のみ)
@介護医療保険料控除の創設(年4万円限度)
A生命保険料控除の引下げ(年4万円限度)
B個人年金保険料控除の引下げ(年4万円限度)
(2)新控除の施行日前に締結した契約には引き続き旧控除を適用。
(3)新控除と旧控除の合計適用限度額は年12万円限度。
(pp.34-36より一部抜粋、強調等は当BLOG管理人による。)
注目すべきは、何と言っても確定拠出年金(DC)のマッチング拠出解禁&拠出限度額引上げである。確かに業界からは要望が著しかったが、先月公表された政府税制調査会の次年度答申ではDCについて一言も言及されていなかっただけに、唐突な感は否めない。まあ、DCの制度創設目的の一つが株価対策なのはもはや公然の秘密だけに、ある意味本来の趣旨に沿っているとも言えよう(汗)。それにしても、企業型で他の企業年金がある場合の新しい限度額は月額25,500円とあるが、この「500円」という端数には何か意図があるのだろうか・・・!?(汗)
また、個人年金保険および確定給付企業年金(DB)の本人拠出と密接に関連する生命保険料控除についても、1990年以来の大幅な改正案が提示された。医療保険・介護保険向けの控除として「介護医療保険料控除」(年4万円限度)が新設され、従来の生命保険料控除および個人年金保険料控除は限度額が年4万円にそれぞれ引下げられた。ただし引下げは制度施行後の契約にのみ適用されるため、現在の保険契約には一切影響なし。つまり、トータルでみた保険控除額が10万円(死亡・年金)から12万円(死亡・年金・医療)に増加したという事である。
最後に年金BLOGらしくまとめると、同じ老後資金準備のための自助努力手段であるにも関わらず、DCと個人年金保険とでは明暗を分ける結果となった今回の与党税制改正大綱であった。



いつも勉強させていただいております。
それにしても、マッチング拠出が全額所得控除とは驚きです。
確定給付型の年金とのバランスや、貯蓄との差異性などの面から考えて、
税調サイドが認めるとは思えなかったのですが。
試験直前にこんな爆弾が落ちてくるとは…
コメントありがとうございます。
全額といっても拠出限度額の枠内でしょうが、小生も驚きました。
逆の見方をすると、拠出限度額でここまで税制を行った以上、
特別法人税の廃止はますます可能性が遠のいた気もします。