2009年08月13日

08年度公的年金決算からみる代行返上・離婚分割の動向

前回に引き続き、公的年金の2008年度決算から企業年金(主に厚生年金基金)の動向を見ることとする。

厚生年金・国民年金の平成20年度収支決算の概要(社会保険庁) (pdfファイル)

上記資料の4ページおよび5ページには、年金特別会計(厚生年金勘定)の収支状況が掲載されている。歳入科目の中に「解散厚生年金基金等徴収金」とあるが、これは代行返上(過去返上)を行った厚生年金基金から徴収した最低責任準備金であり、いわゆる代行返上資産額のことを指す。返上金額および過去返上基金数の推移は以下のとおりである。

 <年度>  <返上額>  <過去返上基金数>
 2003年  3兆5364億円      203
 2004年  5兆3855億円      438
 2005年  3兆4568億円      121
 2006年     6800億円       21
 2007年     5552億円       20
 2008年     3486億円        4



ところで、年金特別会計(厚生年金勘定)の決算において、昨年度より「厚生年金基金等徴収金」という項目が新たに登場したのはご存じだろうか。厚生年金基金等徴収金は、07年度に15百万円(億円単位ではゼロ表記)、08年度に30億円発生している。解散厚生年金基金等徴収金とどう違うのかと戸惑うところだが、財務省平成21年度特別会計予算によると、両者の違いは次のとおり記載されている。

平成21年度特別会計予算 (財務省)
0109-00 厚生年金基金等徴収金
「厚生年金保険法」の規定による老齢年金給付の現価に相当する額の厚生年金基金等からの受入見込額を計上
0106-00 解散厚生年金基金等徴収金
「確定給付企業年金法」第113条第1項の規定による責任準備金に相当する額及び「厚生年金保険法」の規定による減額責任準備金相当額の解散厚生年金基金等からの受入見込額を計上
(出典:平成21年度特別会計予算p.329〜332)

つまり、「老齢年金給付の現価であること」「2007年度から計上されていること」から、厚生年金基金等徴収金は、離婚時の年金分割に伴う離婚分割移換金のことを指しているものと考えられる。なお離婚分割が厚生年金基金に与える影響については、コチラのWebサイトに詳しい。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/8/13): 公的年金決算から見る代行返上の動向






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posted by tonny_管理人 at 20:38 | Comment(2) | TrackBack(0)
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この記事へのコメント
こんにちは 代行返上をキーワードにこのスレ
を知りました。会計的な質問です。

日経ビジネスのIFRS特集のなかで
「企業年金問題で以前、企業は国の厚生年金の代行部分を返上して母体企業への影響を抑える仕組みに変えて乗り切った。」

これを仕訳で示せば下記のようになるのでしょうか。

退職給付引当金/代行返上損益

あるいは需要悪化で販売数量が激減したため、
仕訳では示すことができないのでしょうか。

少し関係ないかもしれませんけどアドバイス
いただければ幸いです。
Posted by なにわ筋 at 2009年10月19日 15:57
> なにわ筋さま
コメントありがとうございます。
仕訳について詳しくは存じませんが、代行返上によって返上益が発生すれば、貴見のとおりとなります。ただし、代行返上は必ずしも返上益の発生を保証するものではなく、古参企業などでは返上損を計上することもありました。以上、雑文にて失礼致しましたm(__)m
Posted by tonny_管理人 at 2009年10月21日 22:36
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