2006年02月10日

プロスポーツ選手の年金基金構想

人材サービス大手、スポーツ選手の引退後を支援 (NIKKEI-NET)
人材紹介・派遣大手が、スポーツ選手の引退後の就職などを支援する事業に相次ぎ乗り出している。リクルートエイブリック(東京・千代田)はプロ野球選手向けに求人誌を発行、アデコ(東京・港)はスポーツ選手向けの就職支援プログラムを導入した。選手の「第2の人生」を後押しする新サービスの事業化を通じて、企業イメージの向上にもつなげる。
(2006/2/8 日経夕刊)

この記事を目にして、かつて読んだ「年金の誤算」という本の一節を思い出した。本書は日本経済新聞の年金関連記事をまとめた単行本で、バブル崩壊とともに運用環境が低迷し始めた10年前の1996年に刊行された。いわゆる「年金危機」が声高に叫ばれ出したのもこの頃からだったと思う。

で本題に入るが、本書に「プロ選手の模索」という一節があった。プロスポーツ選手の現役生活は、サラリーマンに比べると大幅に短い。現役引退から年金受給開始年齢に達するまでの長い待期期間への対処が求められる。しかし現役生活が短いということは、掛金を拠出できる期間も限られることを意味し、制約も多い。多様化する個人のライフスタイルにどこまで対応させるべきか──といった論調であった。

その中で当BLOG管理人の目を引いたのは、かつてプロスポーツ界全体を対象とした国民年金基金を設立する構想があったというくだり。何でも、財団法人日本プロスポーツ協会がプロスポーツ選手国民年金基金設立の音頭を取っていたという。選手人口は当時で1万5千人と、職能型基金としては堂々のトップクラス。

ところが選手の関心は思ったよりも低かった。国民年金基金に加入するには、まず国民年金に加入している事が大前提だが、そもそも国民年金の未納・未加入が少なくなかった(現在ならスキャンダルもの)。推進担当者は公的年金の説明から始めなければならなかった。また、ある有力野球選手は年報の高い現役期間中に掛金を一括で払えないかと聞いてきたが、当然ながら国民年金では1年分の前納しか認められていない。結局申請時の仮加入者数は千人程度に留まり、基金設立は頓挫したという。

この他にも、規制緩和が徐々に解かれはじめた時代の企業年金業界の様子が生々しく描かれており、制度改正の歴史を振りかえりたい向きは読んでおいて損は無い。

─────────────────────────

余談だが、現在国民年金基金のCMに好評出演中の宮里藍は、若い上に稼ぎも莫大とリスク許容度の大きさはわが国でも5本の指に入るかと。むしろ個人型確定拠出年金で運用するべきだと思うのは私だけでしょうか?(byだいたひかる)


年金の誤算―企業を脅かす巨大債務の危機年金の誤算―企業を脅かす巨大債務の危機
日本経済新聞社

日本経済新聞社 1996-10
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools






 ←気が向いたら是非クリック願います

posted by tonny_管理人 at 01:59 | Comment(2) | TrackBack(1)
| 年金ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとうございました。
が、なぜかうちのTBのリンクからはこの記事に飛べません。
(書き直し等されましたでしょうか?)
よろしければTB打ち直していただければと思います(以前のものはその際に削除させていただきます)

プロ選手を対象とした国民年金基金構想なんてあったんですね!
残念なことに、プロの選手たちは現役時代にはそのスポーツ一筋で世間知らずの人が多いと思います。その上プライドが高い(^_^;
今回のプロジェクトも選手たちの意識改革なくてはまったくのムダに終わってしまうのではないかとちょっと心配です。
Posted by りくらむ at 2006年02月10日 07:08
> りくらむ様
すみません、TB2発誤射してしまいました。m(_ _)m
後ほど改めてTBさせていただきます。

元プロ選手が保険会社に転職して、昔のツテを用いてトップ営業マンに! という話題を時々耳にします。スポーツ選手としては、収入のあるうちに一括で払える民間生保の方がやはり使い勝手が良いのでしょう。わが国の公的年金制度は「一定額を継続的に支払うこと」が原則であるため、残念ながらそのニーズとは相容れない面があります(汗)。
Posted by tonny_管理人 at 2006年02月10日 12:23
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

プロ野球選手向けシュウカツ支援
Excerpt: 以前「セカンドキャリア・・考えてる!?」というエントリーを書いたことがありますが、なんと大手人材紹介業2社がスポーツ選手向けのプロジェクトを開始したそうです! 人材派遣??
Weblog: 神宮の空の下、永遠に忘れられた存在のボクら
Tracked: 2006-02-10 07:08
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。