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税制・財政における精緻な実証分析で知られる若手財政学者による公的年金論。「どうせまた財政学者による自己満シミュレーションの羅列だろ!?」と思いきや、さに非ず。中身は、著者お得意の実証分析だけでなく、年金制度の基本原理を丁寧に検証した良質な一冊に仕上がっている。とりわけ、主に政治哲学のアプローチを用いて公的年金の必要性を論じている第2章「なぜ公的年金が必要なのか」は白眉。また、税方式と社会保険方式との比較検討では、ワークフェア(勤労福祉)の観点から社会保険方式を支持するとともに、公的年金における情報提供の重要性を提唱するなど、従来の財政学者・経済学者には見られなかった深い考察を見せている。著者は1・2年前まではバリバリの実証分析至上主義者だっただけに、何が著者を(良い意味で)豹変させたのかが気になるところだが(汗)、ともあれ、公的年金の分析に関心のある向きにとっては示唆溢れる一冊である。
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