2010年06月03日

マッチング拠出よりも個人型DCへの拠出解禁を!

本年3月5日に法案(国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案)が提出されたものの、鳩山政権の一連のゴタゴタで審議が一向に進まず、今回の首相辞任でまたも導入が危ぶまれている確定拠出年金(DC)マッチング拠出。またもやDC業界関係者および投信業界関係者の嘆きが聞こえてくるようで、当BLOG管理人にとっては実に心地良い(笑)。
さて本題に入ろう。当BLOG管理人は、現在のマッチング拠出導入案には問題があると過去に何度か言及している。そこで、今回の廃案(予定)を機に、行政・立法関係者に声を大にして再検討を要請したい。

マッチング拠出よりも、個人型DCへの拠出解禁を!

現在の確定拠出年金制度は、企業型年金個人型年金の2種類に分かれているが、双方を併用することは出来ない。また、勤務先企業が企業年金制度(厚生年金基金、確定給付企業年金、企業型DC)を導入している場合、個人型年DCへの掛金拠出は出来ない。当BLOG管理人は、企業型DCの枠内でマッチング拠出を導入するよりも、企業型DC加入者に個人型DCへの掛金拠出を解禁すべきであると考える。以下にその理由を述べる。

【理由1】税制優遇は全国民が広く享受できるものにすべき
現行のマッチング拠出案の最大の問題は、企業型DC加入者のみが対象となっている点にある。これは、企業型DC加入者のみを優遇する差別的な取り扱いである。
そこで、企業型DC加入者に個人型DCへの掛金拠出を解禁し、個人型DCの拠出限度額を企業型並みに引上げる方向で検討すべきである。これにより、企業型DC加入者だけでなく個人型DC加入者も税制優遇を享受できる。更に言えば、個人型DCへの加入を全国民に広く解禁すれば、ポータビリティのインフラ拡充にも繋がる。

【理由2】企業拠出と本人拠出の区分管理の煩雑さを回避
現行のマッチング拠出では、企業型DCの枠内で限度管理を行う必要があるが、企業拠出と本人拠出を合算した限度管理の負担がかかるなど、事務的な検討課題は少なくない。とあるアンケート調査でも、大企業の8割以上がこの点を問題視している。また、企業型DCは企業年金制度の一つとして捉えられているため、マッチング拠出の限度額を検討するに当たっては労使折半という制約が常に付きまとう。
そこで、本人拠出の管理は、個人型DCという既存のインフラを有効活用すべきであると考える。企業型DCの枠内で管理しようとすると複雑でやっかいな話になるが、企業拠出(企業型DC)と本人拠出(個人型DC)を別々に切り離した方がスッキリする。

<結語>個人型DCを主体とした制度再編を
個人型DCへの拠出解禁を契機に、将来的には、企業型DCはすべて個人型DCに統合し、DCを加入者本人が主体となる制度に再編成すべきである。確定拠出年金の本質は老後貯蓄支援であり、そもそも企業年金の一形態として捉える現状こそ適当ではないと当BLOG管理人は考える。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/11/30): 進展ゼロなのに1面掲載ですかそうですか
The企業年金BLOG(2009/6/9): 頭を冷やす良い機会かと
The企業年金BLOG(2009/3/21): マッチング拠出の支持率はたった6割弱!?
The企業年金BLOG(2009/2/10): マッチング拠出など砂上の楼閣!?
The企業年金BLOG(2007/12/15): 単なる「金持ち優遇税制」要望は通用しない
The企業年金BLOG(2007/1/11): 「中途引出し緩和」より「ポータビリティの充実」を



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posted by tonny_管理人 at 23:09 | Comment(2) | TrackBack(0)
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この記事へのコメント
初めまして。
たしかにマッチング拠出でなくとも提言されている企業型DCと個人型DCの統合・本人主体化に賛成です。(DC用ファンドの有利さを最大限に本人が利用できればなんでもOK)
もっと幅広い人数がDC用ファンドを使うことでより低コストで運用できそうな気がします。
Posted by kenz at 2010年06月06日 07:40
> Kenz様
コメントありがとうございます。
金融業界としてはとにかく市場に金が流入してくれれば万々歳なのでしょうが、にしても、公益性・公平性を前面に立てるなど工夫を凝らした改正要望を行うべきだと思います。業界エゴ丸出しの主張では、当局の高い壁は崩せません。
Posted by tonny_管理人 at 2010年06月11日 22:53
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