──と教科書的に解説すると何やら小難しそうに聞こえるが、要は貯蓄計画である。例えば、10年以内に1,000万円を貯蓄すると決意したとしよう。この場合、「毎月5万円ずつ貯める」「賞与が年2回出たら20万円ずつ貯める」「貯金だけでなく高利回りも狙う」といったことを大雑把ながらも計画することだろう。年金制度もこれと同様である。年金制度の場合、財政方式の違いは、主に下記3点の違いに集約される。
準備時期 : 加入前か、加入時か、加入期間中か、退職時か、支払時か
準備形態 : 一括払いか、分割払いか
準備方法 : 掛金のみか、運用収益のみか、掛金と運用収益の両立か
年金の財政方式に関する議論では、賦課方式と積立方式の2つが良く取り上げられる。しかし、賦課方式は数多ある財政方式のone of themに過ぎず、また、積立方式にも数多くのバリエーションがある。この両者だけで財政方式の全てを語ろうとするのは、モーツァルトとベートーヴェンの両者だけでクラシック音楽の全てを語ろうとするのと同じくらい粗雑な議論であることをまずは認識していただきたい(特に経済学者諸君!)。
当BLOGでは、次回以降、各財政方式の違いについて適宜解説していきたい。
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【2010.12.5追記】
主要な財政方式の分類について以下のとおり掲載しました。
◆主要な財政方式の分類
1 非積立方式
・賦課方式 (pay-as-you-go method)
2 積立方式
2.1 非事前積立方式
・退職時年金現価積立方式 (terminal funding method)
2.2 事前積立方式
2.2.1 非平準積立方式
・単位積立方式(一時払積増方式) (unit credit method)
・加入時(年金現価)積立方式 (initial funding method)
・完全積立方式 (complete funding method)
2.2.2 平準積立方式 (level premium method)
2.2.2.1 閉鎖型
・加入年齢方式 (entry age normal cost method)
・個人平準保険料方式 (individual level premium method)
・到達年齢方式 (attained age normal cost method)
・(閉鎖型)総合保険料方式 (closed aggregate cost method)
2.2.2.2 開放型
・開放型総合保険料方式 (open aggregate cost method)
・開放基金方式 (open aggregate normal cost method)

その検討会の資料の中で、国民に広く開示するようなことを書かれていながら、随分と閉ざされた中で検討をされているように感じました。
いつも楽しみにしております。ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
政権交代してからというもの、有識者会議の情報開示度は間違いなく低下していますね。困ったものです(汗)。
年金の話を聞くため、今後時々お邪魔します。