2010年12月06日

退職時年金現価積立方式 ─ 退職金で個人年金をポンと購入

退職時年金現価積立方式 (terminal funding method)
  準備時期 : 退職時
  準備形態 : 一括払い
  準備方法 : 掛金+運用収益

退職時年金現価積立方式とは、文字どおり「年金給付に要する費用を、その者の退職時に一括で積み立てる」仕組みである。例えるなら、退職金で個人年金をポンと一括購入(一時払い)するようなものである。退職時に一括で積立を行うということは、(1)加入期間中は掛金拠出を行わない、(2)加入期間中は積立金を有しないことを意味する。
この方式では、年金受給者は将来の年金給付を保証されるものの、在職中の加入者については何ら資金的保証が無い。また、退職者の増減によって毎年の掛金拠出額が大きく変動するという欠点を持つ。これはまさに退職一時金制度にも共通する欠点であり、費用負担の平準化が大きな設立目的の一つである企業年金制度においてこの方式を採用する意義は薄い。

──とここまで書くと、退職時年金現価積立方式は賦課方式と似通っているような印象を抱くが、退職時年金現価積立方式は退職時(=年金支給開始時)に積立金をドカンと用立てるため、その積立金が稼ぐ利息分だけ賦課方式よりも費用負担は小さくなる。具体例として、年額10万円を支払う10年確定年金(期初払い)の数値例を以下に記載した。賦課方式の場合、運用収益(利息)を一切見込まないため掛金費用総額は100万円(=10万円×10年)となるが、退職時年金現価積立方式では運用収益が高くなるほど費用総額が小さくなることがわかる。

 <賦課方式>
  ・100万円 (=10万円×10.0000)
 <退職時年金現価積立方式>
  ・年1%で運用する場合:95.7万円 (=10万円×9.5660)
  ・年3%で運用する場合:87.9万円 (=10万円×8.7861)
  ・年5%で運用する場合:81.1万円 (=10万円×8.1078)


余談だが、退職時年金現価積立方式が事前積立方式に含まれるかどうかは、書籍・文献によって解釈がまちまちであり判然としない。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/11/24): 年金制度における財政方式とは(総論)
The企業年金BLOG(2010/11/27): 賦課方式 ─ 運用収益を当てにしない財政方式
The企業年金BLOG(2010/11/29): 完全積立方式 ─ 「利息だけで生活」を具現化
The企業年金BLOG(2010/12/9): 加入時年金現価積立方式 ─ 入社時にポンと一括払い



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posted by tonny_管理人 at 00:29 | Comment(0) | TrackBack(0)
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