2006年05月02日

生保の年金運用が好調なようで・・・

大手生保の企業年金利回り23% 過去最高に (NIKKEI-NET)
企業年金が生命保険会社に運用を委託している特別勘定の2005年度の利回りが過去最高となった。大手生保7社の平均は23.33%となり、これまで最も高かった03年度(16.88%)を上回った。国内の株価が大幅に上昇したことが主因。生保の特別勘定の運用利回りは3年連続のプラスで、企業財務に好影響を与える。
特別勘定は一定の利回りを保証する一般勘定と異なり、運用実績をそのまま利回りに反映させる。利回りが過去最高になったのは国内外の株式や債券に分散投資する「総合口」で、大手生保各社が1990年度に取り扱いを始めた。
(2006/5/1 日経朝刊 1面)

年度末が終わって早1月。そろそろ各運用機関の決算がまとまる時期だけに、しばらくは上記の記事のような景気の良い数字が紙面を賑わすことだろう。以前「企業年金の運用利回り報道に関する留意点」でも述べたが、企業年金の運用利回りに関する記事を読む際には、

 @運用主体(誰の実績か?)
 A時点・期間(いつ、どのくらいの長さを見ているか?)
 B利回りの算定方法(実績値か推計値か?)


の3点に留意すべしと書いた。この分類に従うと、上記の記事は、@生命保険会社大手7社の「特別勘定」、A2005年度(05年4月〜06年3月までの1年間)、B不明──と位置付けることができる。今後も似たような記事が溢れかえるとは思うが、上記のような分類を踏まえれば混乱することはない。そういえば、生保会社の運用に関しては↓こんな記事もあった。


大手生保、団体年金の配当増・運用が改善 (NIKKEI-NET)
大手生命保険は企業向け団体年金保険の2006年3月期決算で配当を前の期(0.1―0.4%程度)を上回る水準へ引き上げる。日本生命保険は大幅な上乗せを検討しているもようだ。株価上昇などによる運用成績改善を受けた動きで、各社の配当実施は2期または3期連続となる。
(2006/4/17 日経朝刊 1面)

こちらの記事は、@生命保険会社の「一般勘定」、A2005年度(05年4月〜06年3月までの1年間)、B不明──と分類することができる。なお記事にもある通り、同じ生命保険会社の運用商品でも、一定の運用利回りは保証されるが運用成績が良くても配当しか上乗せされない「一般勘定」と、運用成績がそのまま反映される「特別勘定」とでは、商品の性質が大きく異なる。自社の企業年金がどんな資産構成なのかをチェックするとともに、くれぐれも↓のようなヌカ喜びはせぬようご注意を(汗)。

(♪チャンチャカチャンチャン、チャチャンッチャチャンチャン♪)
20%以上の利回りを稼いだと思っていたら〜♪
資産が全て「一般勘定」でした〜♪


チックショーー!!


 (by小梅太夫)


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/1/28): 企業年金の運用利回り報道に関する留意点






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posted by tonny_管理人 at 20:01 | Comment(1) | TrackBack(2)
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この記事へのコメント
ゴールデンウィークですね。
今般の記事、ちょっと見ただけでは、自社にどう影響があるのか、わかりにくいですね。実態を知って、小梅太夫になる人も多いかもしれません。
Posted by kirilltm at 2006年05月03日 09:47
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大手生命保険会社の企業年金利回り23%・過去最高に
Excerpt: ■ 大手生保の企業年金利回り23%・過去最高に / NIKKEI NET 企業...
Weblog: 生命保険研究所 Lifeinsurance-Lab.com
Tracked: 2006-05-07 08:13

「一般勘定」「特別勘定」とは?
Excerpt: 皆さんこんにちは「保険アドバイザーBX」です。 今日は「一般勘定」「特別勘定」についてお話したいと思います。   保険会社は、契約者から預かった保険料を保険商品のタイプにより「一般勘定」「特..
Weblog: K2 Investment保険アドバイザーBXの海外生命保険ブログ
Tracked: 2015-06-24 11:35