2010年12月22日

「未請求」と「未払い」は同義語か?

厚年基金 3月末 14万人の年金未払い (nikkei.com)
公的年金の一部を国に代わって給付する厚生年金基金に関して、厚生労働省は21日、今年3月末時点で約14万3000人の年金が未払いになっていたと発表した。基金の年金を受け取れる約277万4000人のうち約5.2%を占めた。未払い年金額は年349億円で、前年に比べて3億円増えた。
(2010/12/22 日経朝刊 5面)

2007年の公的年金記録問題や生命保険会社の未払い騒動の発覚以降、企業年金の世界においても未請求・未払いの状況が定期的に開示されるようになった。本件の記事は企業年金のうち厚生年金基金に関するものだが、記事の書きぶりに意図的というか恣意的なものを感じる。

まず、記事の見出しをはじめ文中に「未払い」の文字が踊っているが、本記事の情報源である厚生労働省のプレスリリースでは、「未請求者」とはあっても「未払い」とは一言も書かれていない。また、実態を見ても、未払い(正確には「未請求」)対象者14.3万人中、住所が不明となっている者が3.7万人とご丁寧に記載されている。つまり、10.6万人(=14.3万人−3.7万人)に対しては、基金サイドから請求書の送付などのアクションを起こしている計算になるのだが、請求書を送っても連絡が来ないものまで「未払い」と表現するのは果たして適切なのだろうか? 原典を読めば容易に分かる事柄を敢えて婉曲的に表記するのは、ある種の情報操作だろうに。つくづく、マスメディアの記事を鵜呑みにせず原典に当たることの重要性を噛み締めた年の瀬である。

<参考資料>
厚生年金基金における年金支払い未請求者状況まとめ (厚生労働省)

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/9/10): 問題は申請主義ではなく周知の不徹底だ
The企業年金BLOG(2008/1/25): 「自分の職歴ぐらい覚えてろ」というのは酷な注文かね?






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posted by tonny_管理人 at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0)
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