公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(旧年金資金運用基金)は20日、2005年度の公的年金(厚生年金と国民年金)積立金の運用結果を発表した。株価の上昇などを背景に、運用損益は8兆6811億円の黒字になり、過去最高を更新。運用益のうち基準額を超えた1兆9611億円分は年金特別会計に納付し、将来の年金給付に充てる。
(2006/7/20 日経夕刊 3面)
2005年後半からの株式市場の好転により公的年金運用も好調だという話はかねてより伝わっていたので、今回の報道も特に驚くべき点は見当たらない。06年度は一転して株安に転じてはいるものの、まあ一喜一憂せずどっしり構えて欲しいものだ。
ところで、公的年金の黒字・赤字といえば、1ヶ月ほど前にこんな記事が出たばかり↓。
(2)厚生年金、実質3兆円の赤字に 2004年度 (NIKKEI-NET)
厚生労働省は22日、2004年度の厚生年金と国民年金の財政状況を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金数理部会に報告した。会社員が加入する厚生年金の収支は、厚生年金基金の代行返上による特別収入を除いた実質(時価ベース)では約3兆円の赤字。
(2006/6/23 日経朝刊 5面)
・・・で結局、公的年金って赤字? 黒字?
という疑問に答えるべく、この辺のところを整理してみたい。
公的年金の収支・運用に関する公表は、主に以下のような流れで行われる。
@資産運用結果の公表 (7月頃)
出所:年金積立金管理運用独立行政法人
資料:「資産運用業務概況書」
概要:運用結果に関する報告のみ。
A収支決算の公表 (8〜9月頃)
出所:社会保険庁 (報道発表資料を参照)
資料:「厚生年金・国民年金の収支決算概要」
概要:上記@に加え、保険料収入や年金給付など収支状況を加味。
B社会保険事業概況の公表 (翌年3〜4月頃)
出所:社会保険庁 (報道発表資料を参照)
資料:「社会保険事業の概況」
概要:上記Aに、医療保険の決算を加味。ソースは同一。
C審議会への報告 (翌年6〜7月頃)
出所:厚生労働省 (審議会議事録等を参照)
資料:「●●年度の財政状況」
概要:上記AおよびBの内容の報告。
@はあくまでも資産運用の結果のみであるのに対し、A以降は運用結果に収支状況を加味したものである。そういう意味では、Aの数値こそ公的年金財政の真の姿であると言ってよい。BとCで公表されるデータは、Aとほぼ同一(つうか使い廻し)である。
さて、前述の記事(1)および(2)の記事の報道内容を整理すると以下の通り↓。
<公表内容> <年度>
(1)7/20の記事 @資産運用結果 2005(平成17)年度
(2)6/23の記事 C審議会への報告 2004(平成16)年度
公的年金財政に関する記事を読むときは、「運用報告なのか収支報告なのか」「いつの年度の話か」を良く見極めなければならない。(2)の記事を以って「いまさら2004年度決算を公表かよ」とか「資産運用もロクに出来ないのか」と批判するのは的外れも甚だしい。ネットの片隅ではともかく、くれぐれも人前で知ったかぶらないように。さもないと・・・
・・・嘘つき!

嘘つきになりますのでご注意を。(byトリビアの泉)
<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/3/17): 国内債券偏重は配分ミスだって!?
The企業年金BLOG(2005/12/17): 公的年金運用、過去最高の黒字



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トリビアは、緒川たまきサンですか?
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