2011年06月28日

「基準」が無理なら「判例」はどうよ!?

OB年金、大量退職重く 減額申請増える公算 (nikkei.com)
退職者の年金を減額する企業が増えている。企業によるOB年金の減額申請は、NTTの減額申請が厚生労働省に却下されたのをきっかけにほぼ止まっていた。認可を判断する厚労省は「経営が著しく悪化していること」を承認基準とするが、黒字企業でもリストラを前提に減額を認める場合がある。企業の業績悪化などを背景に今後も減額申請は増える見込みだ。
(2011/6/24 日経朝刊 4面)

企業年金の給付減額の基準が不透明だとするいつもの日経の記事。今回は、淺沼組(1852)に加えて文化シャッター(5930)の事例を取り上げているが、相変わらず直近の決算の黒字だけを問題視して、過去数年間の業況悪化を無視する論理展開には疑問を覚える。この点については当BLOGでも以前に触れたので、ここでは繰り返さない。
百歩譲って、給付減額に係る基準の不透明さを問題提起したいのであれば、黒字にも関わらず給付減額が認められなかった事例としてNTT(9432)を引き合いに出すべきではない。NTTは記事中の他2社に比べると経営状態が良好過ぎるため、結果的に黒字企業は給付減額が認められなくてもやむを得まいとの印象を読者に与えてしまうからである。最高裁まで争われた事例がNTTしかないとはいえ、これは記事の構成に問題がある。

さて、当BLOG管理人にとってはどうでもいい話だが、それでも企業年金関係者の間には「給付減額について基準を示してくれ」という根強いニーズがあるのは確か。とはいえ、減額基準の明示が更なる給付減額を喚起するであろうことは想像に難くないことから、厚生労働省サイドとしては慎重な態度をとらざるを得まい。そこで、基準が無理ならせめて「判例」を開示するというのは如何だろうか。開示対象も、全面開示は無理にしても、少なくとも当事者(企業・従業員・受給者etc)には判断経緯を開示する必要があるだろう。給付減額事例の事後開示は、「事前規制から事後チェックへ」という規制緩和の流れにも沿ったものであるし、何より厚労省には社会保険審査会で培ったノウハウがある。あながち素っ頓狂な話ではないと思うのだが。。。

<参考>
◆NTT(9432)の2011年3月期決算短信はこちら
◆淺沼組(1852)の2011年3月期決算短信はこちら
◆文化シャッター(5930)の2011年3月期決算短信はこちら

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/10/13): 黒字といっても「質」は異なるのだが






 ←気が向いたら是非クリック願います

posted by tonny_管理人 at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0)
| 年金ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。