2006年09月14日

統計から特例解散基金数を割り出す方法

厚年基金解散、特例利用は5件 05年度 (NIKKEI-NET)
財政難の厚生年金基金が積み立て不足のままでも解散できる「特例解散制度」を利用した厚年基金が、制度初年度となる2005年度にわずか5件にとどまったことがわかった。
特例解散は、法律で定めた解散に必要な水準の積立金を持たない厚年基金に対し、不足分を分割返上することなどを条件に解散を認める制度。経営悪化で母体企業が不足分を補てんできない場合などに適用される。
(2006/9/4 日経朝刊)

厚生年金基金は国の資産の一部を代行している関係上、基金を解散する際は、代行部分に相当する資産(最低責任準備金)を国に返還(実務上は企業年金連合会に移管)しなければならない。ところが、バブル崩壊後の資産運用の低迷により、積立金が最低責任準備金を下回る基金(いわゆる代行割れ基金)が続出、損失の穴埋めができない基金は解散したくても解散できない状況に陥っている──と巷間で取りざたされていた。
そんな、代行割れ基金のために創設されたのが、今回の記事にある特例解散制度。特例とは、平たく言えば「借金の分割返済」「計算方法変更による借金の一部減免」を認めるというもの。2005年度から鳴り物入りで導入されたものの、特例解散を利用したのは5基金とごく少数にとどまった。制度の複雑さも然ることながら、資産運用の好転で解散そのものが減少(04年度:81基金→05年度:30基金)したことも大きな要因ではないか。

ところで上記の記事はプレスリリースを受けてのものだが、実は新聞報道に頼らずとも、公知の統計数値で特例解散基金数を把握する方法がある。通常解散と特例解散の(制度上の)最大の違いは、解散基金の最低責任準備金が企業年金連合会ではなく国に直接移管されることである。そのため、@実際の解散基金数A企業年金連合会が引き継いだ解散基金数の差分が特例解散基金数ということになる。2005年度は以下の通りであった。

 @実際の解散基金数: 30基金
   出典:企業年金連合会「企業年金の現況」
 A企業年金連合会が引き継いだ解散基金数: 25基金
   出典:企業年金連合会「企業年金連合会業務報告書」(←36ページ)

以上から、@−A = 30基金−25基金 = 5基金となり、冒頭記事の特例解散基金数と一致する。もっとも、Aの出所となる「企業年金連合会業務報告書」は年1回更新であるため、速報性に欠けるのが難点だが(汗)。まあ業界トリビアつうことで。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/1/19): 特例解散の利用件数は3年間で計9件
The企業年金BLOG(2006/9/14): 2006年度の特例解散基金数






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posted by tonny_管理人 at 16:08 | Comment(0) | TrackBack(0)
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