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年金関係の書籍と聞くと、
・定年間近の高齢者向け、1円でも多く分捕ろう! 自称「裏ワザ」本
(→本当は裏技でも何でもなくて、きちんと法律に定められてる訳だが)
・いたずらに制度不安を煽るだけの「批判だけならサルでもできる」本
(→この手の連中が有効かつ具体的な解決策を口にする事はまず無い)
・専門家向けの「難解さと分厚さがステータス」本
(→難しい事を分かり易く解説することの方が本当は難しい・・・)
・・・というパターンばかりで、一般向け、特に保険料を負担している我ら現役勤労世代に向けて公正に書かれた書籍は殆ど無いのが現状である。そんな数少ない例外の一つが本書。正しい情報をわかり易く伝えようという執筆陣(とりわけ、全体を監修している堀江奈保子主任研究員の手腕に依るところが大きいとみた)の意気込みが感じられ、実際本当にわかり易い仕上がりとなっている。制度概要から財政・運用まで、年金に関するあらゆるトピックが網羅されており、公的・私的を問わず「年金」の入門書としては掛け値なしに最高峰の一つに入る。本書の内容を少しでもかじっていれば、新聞や週刊誌の記事の大半がいかに的外れであるかが実感できよう。
なお第5版では、「公的年金の一元化」「離婚分割」「未納問題」が新たに手当てされている。その一方で、企業年金の「運用規制緩和」「財政危機」といった一昔前のトピックや「退職金制度」「財形制度」の記述が削除されている。このように、版によって盛り込まれるトピックに差異が生じるため、改訂版が出たからといって旧版を廃棄するような愚は犯さぬよう注意されたし。

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旧版を読みましたが、私にでも理解できるわかりやすさでごじゃりました。