2014年03月27日

年金数理人になるための要件が密かに緩和

仕事のため今週公布・発出された法令・通達につぶさに目を通していたところ、年金数理人に関する驚くべき改正が施されていたことに気がついた。

そもそも年金数理人に関する要件は、厚生年金基金規則第76条および通知「年金数理関係書類の年金数理人による確認等について」にて規定されている。具体的には、以下の4つの要件を満たしたうえで厚生労働大臣の認定を受ける必要がある。
1. 基礎知識:公益社団法人日本アクチュアリー会の正会員であること
2. 実務経験:年金数理業務に5年以上従事した経験があること
3. 責任者たる経験:上記業務の責任者として2年以上の経験があること
4. 十分な社会的信用を有するものであること

しかし、今般の改正厚生年金保険法の制定に伴い現行の厚生年金基金規則が廃止されることとなったため、年金数理人の要件については改正後の確定給付企業年金法施行規則(86ページ左下)に移設され、以下の通り改正された。
1. 基礎知識:アクチュアリー会が実施する試験の全科目に合格したこと
         または 数理人会が実施する試験の全科目に合格したこと
2. 実務経験:年金数理業務に5年以上従事した経験があること
3. 責任者たる経験:上記業務の責任者として2年以上の経験があること
4. 十分な社会的信用を有するものであること

新たな省令では、年金数理人に必要な知識要件が、アクチュアリー会の「正会員」から「全科目に合格した者」に変更されているほか、「数理人会が実施する試験の全科目に合格した者」が新たに追加されている。数理人会の能力判定試験は2002年から実施されており、従来は全科目合格しても準会員どまりだったが、今回の改正により、数理人会の能力判定試験が年金数理人へのパスポートとして公に認知されることとなった。

また、今般発出された通知「『確定給付企業年金制度について』の一部改正について」では、上記と同等以上の知識を有するものとされるための要件として「以下の1〜5の試験全てに合格している者」と規定されており、現行のアクチュアリー資格既合格科目の免除措置が正規に制度化されることとなった。
  【アクチュアリー試験の科目】     【数理人会試験の科目】
1.  「数学」および「損保数理」  または  「基礎数理T」
2.  「生保数理」          または  「基礎数理U」
3.  「年金数理」          または  「年金数理」
4.  「会計・経済・投資理論」   または  「会計・経済・投資理論」
5.  「年金1」および「年金2」   または  「年金法令・制度運営」

実務経験5年以上(うち責任者として2年以上)等の要件は従来通りだが、アクチュアリー試験の「損保数理」や2次試験で足踏みしている年金アクチュアリーにとっては、今般の制度改正は朗報と言っても良いのではないだろうか。
それにしても、厚生年金基金の実質的廃止(およびそれに伴う年金数理人業務の縮小)を企図した今般の制度改正の中で、シレっと巻き返しを図るこの抜け目のなさ。どんな知恵者が暗躍したのであろうか(汗)。



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posted by tonny_管理人 at 02:04 | Comment(0) | TrackBack(0)
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