厚生労働省は30日、社会保障審議会の企業年金部会を開き、企業年金を受け取らない代わりに一時金を受給する「中途引き出し」について、支給開始年齢に到達する前は原則として認めない方針を示した。年末に向けてさらに議論を詰め、来年の通常国会に関連法改正案を提出する方針。
企業年金の支給開始年齢については、60歳以上に統一する案を提示した。現在は確定給付年金(DB)では退職時に50歳以上であれば受け取ることができるのに対し、確定拠出年金(DC)では60歳以上となっている。
現在の企業年金制度では、DBは中途引き出しが認められている一方、DCでは認められていない。これがDCの普及を妨げる一因になっているとの指摘もあり、厚労省は制度間のイコールフッティング(条件の同一化)を図る必要があると判断した。
(2014/9/30 JIJI.COM)
本日開催された第9回社会保障審議会企業年金部会の様子を伝える上記の記事。当BLOG管理人も傍聴していたが、前回までの閉塞感漂う議論から一転して、今回は「DB・DCの両方を合わせた一つの水準を設定すべき」「DB・DCは(中略)原則として中途引き出しを認めない」など、聞いてて ( ゚д゚)ポカーン な提言が目白押しだった。
本日の議論で厚労省サイドがやたらと繰り返したのがイコールフッティング(equal footing:条件の同一化)という言葉。DB・DC間で異なる取扱いを均一にすべしとの主張なのだろうが、「DCの拠出限度額撤廃」「DCの中途引出し要件緩和」など条件の良い方に合わせろと主張するかと思いきや、まさか条件の「悪い方」に合わせるための方便に用いてくるとは・・・(汗)。さすがは、公的年金の給付水準の低下を「適正化」「スリム化」と嘯(うそぶ)く前科を持つだけのことはある。
それにしても、このようなトンチキな制度改正を強行したら、企業年金の普及どころか衰退を招くのは必至。厚労省はわが国の企業年金を保護・育成する気があるのか? ・・・と思っていたら、直近の『年金情報』(第658号)のコラムにて「厚労省は企業年金よりも公的年金が大事な"公的年金至上主義"」と指摘されていた。本日の部会の内容と照らし合わせると、あながち冗談とも言い切れないのが何ともはや(汗)。

前回の中小企業向け取り組みでは受託保証型制度を信託銀行などもできるようにするなど、要望もしていないこと勝手に提案しますね。
DCの投資教育を企業年金連合会にやらせるとは。連合会の担当者一人二人で何ができるのか。
税制改正で財務省主計局にまるめこまれそうだからなにかやらなきゃと無理に出してきたのかもしれませんが、今後も予断を許しませんね。私は馬鹿馬鹿しくて傍聴する気が起きません。