2015年06月02日

「図表でみる世界の年金」2013年版

OECDレポートの日本語版(8年ぶり2回目)

図表でみる世界の年金 2013年版図表でみる世界の年金 OECDインディケータ(2013年版)
OECD編著 岡部史哉訳

明石書店 2015-05
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原著はOECD編著「Pensions at a Glance」シリーズの2013年版。本シリーズは、2005年の初版刊行以降2年毎に刊行されているが、日本語版の刊行は、2005年版の邦訳「図表で見る世界の年金:公的年金政策の国際比較」以来8年ぶり2回目となる。
本書は、OECD加盟国およびG20諸国の計42カ国の公的年金制度を中心に、「相対的年金水準」「総所得代替率」などの尺度で比較検証を行ったものである。本書で用いられている指標は統一的な指標による定量比較を目的としており、各国の社会経済情勢や制度の歴史的経緯を無視した鵜呑みは禁物だが(この点は翻訳者もあとがきで言及している)、海外の公的&私的年金制度について詳細な分析を行っている類書は皆無なだけに、希少価値は大きい。

本書を読んで考えさせられるのは、少子・高齢化および経済の成熟化によって年金制度の持続可能性が問われているのは、日本だけでなく先進諸国が抱える共通の課題(新興国にとっては将来起こりうる課題)であり、どの国も制度の持続可能性と給付水準の十分性とのバランスを取るため試行錯誤していること。そして、年金制度以外の経済社会要因(就労環境、住宅、経済成長etc)もまた重要であるということ。年金制度改革に必要なのは、抜本改革という名の実現不可能な空論ではなく、現実に知恵を出し合って乗り切る以外にないことを、本書は示唆してくれる。


<参考資料>
日本語概要(OECD東京センター)
原文ファイル(OECD web site) (pdfファイル)

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2011/3/26): OECD「Pensions at a Glance」2011年版が公表
The企業年金BLOG(2010/3/8): 掛金拠出期間と年金受給期間の関係
The企業年金BLOG(2010/3/5): 平均余命と年金支給開始年齢の関係
The企業年金BLOG(2009/12/5): OECDが提唱する日本の年金改革(総論)
The企業年金BLOG(2009/6/25): OECDの公的年金所得代替率に関する留意点
The企業年金BLOG(2008/5/15): 「図表でみる世界の年金」2005



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posted by tonny_管理人 at 01:16 | Comment(0) | TrackBack(0)
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