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よくある「統計の常識を疑う」系の書籍だが、実際に経済予測等に携わった著者の経験が多分に反映されており、とりわけ第3章でのシンクタンクが試算する経済効果の胡散臭さや、第4章での統計の癖・バイアスに関する解説は白眉。一方で第2章の通説に関するコメントは(人によっては)首を傾げる箇所もあるが、こうした著者の主観が良くも悪くも本書の特徴となっている。仕事で経済統計を扱う向きならば、ほくそ笑みながら読み流せること請け合い。なお第5章は著者がライフワークにしている「地下経済」に関する話であり、若干蛇足な感はある。
ところで、本書のレビューで「目が覚めました」「やはりGDPは信用できないんだ」といった類のコメントが散見されるが、こうした姿勢もまた結局は情報の鵜呑みでしかない。本書の内容に対しても疑ってかかるくらいのリテラシーの高さが求められよう。

コメント遅れて失礼致しました。特に冒頭の座談会は興味深く拝読しました。どうやらDCの税制優遇を勝ち取るためには、別の「何か」を犠牲にせざるを得ないようです(汗)。