![]() | 世界にひとつしかない「黄金の人生設計」 橘 玲、海外投資を楽しむ会 講談社 2003-11-21 売り上げランキング : 948 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
世に蔓延するマネーの常識に淡々と異議を唱えるゴミ投資家シリーズから派生した新シリーズ。著者のシニカルかつ冷静ぶった語り口は「悲観論は論者を知的に見せる」の格言通り、読んでいて自分がさも"勝ち組"の側にいるような錯覚を感じてしまうが、ここで鵜呑みは禁物。著者は旧来の持ち家神話・生命保険神話を高度成長(=インフレ期)時代の遺物と切り捨てるが、著者の主張にしたって逆の見方をすればデフレ期を前提とした決め付けと言えなくもない。後半になると、「サラリーマンは搾取される可哀想な人種」とばかりに、年金や保険制度の不備を役人批判を交えつつ断言口調で書いているものの、これも論理の飛躍が随所に散見される。例えば「厚生年金基金は絶対上手く行きっこない」と断言している箇所だが、確かに一昔前は予定利率は5.5%で固定されていたが、現在は(つうか本書の刊行時には既に!)予定利率は自由化されており、本書の批判は当たらない。
思うに、著者は他人よりも秀でているが故に、(富裕層から貧困層への所得移転を伴う)社会保障制度などは自身の所得減少要因としか目に写らないのだろう。でもこれって、強者の論理というか、自分さえ良ければいいという下品な金持ちの発想というか、もっともらしい理由を付けて給食費の支払いを拒むバカ親と同じ思考回路では。そりゃ学級崩壊も増えるわな(汗)。著者は言動こそcoolを装っているものの、そのスタンスというか立ち位置はちっともcoolに非ず。
全般的にマネー勉強のきっかけとしては面白い読み物だとは思うが、本書を鵜呑みにして「公的年金はねずみ講」「法人になって経済的自由をGET」などとしたり顔で語っているようでは、経済的自立など覚束ないことだけは確か。本書の内容すら疑ってかかる判断力・洞察力こそ経済的自立への第一歩である。





面白いホームページを見つけましたので紹介いたします。
イギリスの同業者のホームページです。
http://www.johnralfe.com/
Journal of Applied Corporate Financeの2006年冬号で、年金を特集しています。
http://www.blackwell-synergy.com/toc/jacf/18/1
後者の中にある故フィッシャー・ブラックの寄稿だけでも読む価値はあるかと思いますよ。
ご紹介ありがとうございます。
小生は英語力が皆無に等しいため、翻訳ソフトをかましながらじっくり拝見したいと思います(汗)。