2007年09月10日

問題は申請主義ではなく周知の不徹底だ

企業年金未払い 「申請主義」を盾にした怠慢だ (YOMIURI ONLINE)
またしても、年金制度の信頼を損なう出来事である。
厚生年金基金を持つ企業の中途退職者などを対象に業務を行う「企業年金連合会」が、受給資格者124万人に対して、計1544億円の年金を未払いのままにしていることがわかった。
企業年金連合会は、理由を「本人の請求がないから」としている。社会保険庁と同様、「申請主義」を盾にした言い逃れに過ぎない。60歳以上の受給対象者400万人のうちの、実に3分の1が請求していないのが現状だ。権利を知らせ、請求を促す業務に怠慢があったということだろう。
(2007/9/7 読売朝刊)

社会保険庁の年金記録問題が、とうとう企業年金にも飛び火した。企業年金連合会(旧厚生年金基金連合会)は10〜15年未満の短期で企業年金を脱退した者(中途脱退者)に対して年金支給を行う組織だが、こうした中途脱退者は、勤続期間が短くなればなるほど転居・転職を繰り返す傾向にあるので、住所の把握が困難となるのは致し方ないところ。まあ、今回の騒動で「年金請求もれを許すな!」という大義名分は立ったので、対策のための予算・人員の確保は容易になるであろう。また連合会の積立不足が解消した後だったことも不幸中の幸い。むしろ良い機会なのでは。

ところで、大多数のマスコミはいわゆる「申請主義」を目の敵にしている。これまでにも生損保の不払い問題や、公的年金の記録漏れ問題でも同様の主張を展開しているが、とあるサービスを享受するために利用者がサービス提供元に対して申請を行うのは当然である。宅配ピザだって電話しなければ届けてはくれないし、新聞だって購読申込をしなければ配達されない。申請主義に係る昨今のマスメディアの論調は「購読申込者か否かに関わらず新聞を配達しまくれ」と言っているようなもの。これを年金でやると過誤払いや年金着服が頻発するのは必至。問題は申請主義そのものではなく申請を呼びかけずに放置してきた事にある。そのへんを混同してはいけない。


【追記】それでもなお「申請主義はケシカラン」とのたまう方々へ
申請せずとも年金が支払われるという夢のような方法は無い訳ではない。それはズバリ、国民総背番号制の導入である。とりあえず氏名・性別・生年月日・住所・基礎年金番号の5項目が管理されていれば、理論上は不可能ではない。しかし申請主義を攻撃する輩に限って、管理社会反対だの情報統制社会反対だのとうるさいからねえ(苦笑)。蕎麦屋に出前を注文する時に、自分の住所・氏名を告げるだろ普通? 年金もまた然り。いいかげんに「利便性とプライバシーは両立しない」という現実を直視すべき。






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posted by tonny_管理人 at 19:17 | Comment(2) | TrackBack(4)
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この記事へのコメント
赤字の部分。いちいちごもっとも。

もっとも企業年金連合会の件も、DCの件も、ついでにというか、とってつけたようなニュースの感がぬぐえませんが。

Posted by ランニングおやじ at 2007年09月11日 06:49
ランニングおやじ様
> とってつけたようなニュース
とりわけ「DC運用漏れ報道」はそうですね。騒ぎが大きくなると、「制度が改善されるまで税制優遇は棚上げ!」なんて事も。巷のDCコンサルが涙目になること必至(笑)。
Posted by tonny_管理人 at 2007年09月12日 10:15
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