2007年12月15日

単なる「金持ち優遇税制」要望は通用しない

401kは「ゼロ回答」 特法税凍結3年延長 税制改正大綱 (jijicom)
13日公表された与党の2008年度税制改正大綱で、企業年金税制の改正要望に関する検討結果が分かった。運用実績に応じて将来の給付額が変動する確定拠出年金(日本版401k)の見直しについて、大綱は従業員負担で掛け金を上乗せする「本人拠出」解禁などの要望をすべて見送った。
一方、年金積立金に課税する「特別法人税(特法税)」については、今年度で凍結の期限が切れた後も3年間、凍結を延長することが認められた。
(2007/12/13 時事通信)

企業年金に関する税制改正要望でよく話題に上るのが「確定拠出年金(DC)の税制優遇の拡大」「特別法人税の廃止」だが、今回公表された与党の税制改正大綱ではそのどちらも叶わず、現状維持となった。
とりわけDC関連では、「拠出限度額の引上げ」「本人拠出(いわゆるマッチング拠出)の解禁」など例年にない力の入れようだったが、あえなく長期検討事項(という名の先送り)に。DC業界関係者の嘆きが聞こえてくるようで、当BLOG管理人にとっては実に心地良い(笑)。

よく「月額4万6千円の拠出限度額は低い」と言われるが、果たして本当だろうか。4万6千円とはいえ、30年間掛ければ1656万円(4万6千円×12月×30年)、40年間では2208万円もの貯蓄が可能だ。拠出限度額を引上げたところで、その恩恵を享受するのは(多額の拠出が可能な)高額所得者のみである。それに、企業型では限度額いっぱいまで掛けている人間が加入者全体の5%にも満たない状態(←出典:コチラの2ページ)な上に、企業拠出でカバーできない分を「マッチング」だのと称して加入者に自腹切らせようってところに、業界および企業サイドの本音が見え隠れする。
このように、特定の高所得者・高収益企業のみを利するような税制改正は、わが国では到底容認されない(そういう意味での良心は、意外にもわが国には根強く残っている)。DC関連の税制優遇要望が一向に認められないのは、その点への配慮が著しく欠けているからである。そもそも、終身給付すら義務付けられていない制度を他の金融商品よりも税制優遇しなければならない理由って何だろうね?


<関連資料>
平成20年度税制改正大綱・予算編成大綱・予算重要政策(自民党)
平成20年度税制改正の概要(厚生労働省)



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posted by tonny_管理人 at 17:34 | Comment(2) | TrackBack(0)
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この記事へのコメント
DCへの本人拠出解禁などは拠出可能な収入がある人向けの優遇策なんですけど、企業型DCは品揃えがタコなところも多いんですよね。その状況で「もっと拠出できるよ^^^」とか言われましても困ります。
公的年金のDC化は低所得者に対する責任を回避しつつ、拠出金を払える層からは信託報酬をふんだくろうという実に悪辣な企みと言えるでしょう。

ワタクシは定職に就き毎月収入のある恵まれた人間ですが、その立場からでさえ、DCで提供される投信間に競争が生じる構造が存在しない現状は駄目だとおもいます。会社が選定した中から、という時点でもう腐敗が入り込む余地ありまくりです。定時で帰ってる総務が決めてんのか的な。
 金融リテラシーなんて高尚な事は期待しませんが、運用の敵はインフレと税金と手数料だと言うことぐらいは承知しておいてほしいものです。そしてそれすら期待してはいけないのでしょう。
Posted by まひわり at 2007年12月15日 22:51
> まひわり様
コメントありがとうございます。
企業型だけでなく個人型DCも、運営管理機関によって商品ラインナップが異なるため、一旦加入したら商品間および運営管理機関間での競争は期待できません(汗)。DCも投資信託も、制度のしくみ自体は秀逸なのですが、提供する側の至らなさのせいで、被らずともよい悪名を被っている気がします。。。
Posted by tonny_管理人 at 2007年12月17日 09:38
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