批判や無関心に逃げ込まない! まずは現状認識を
![]() | 年金ガイドブック(理解編) 知らない間にお金が増える! 魔法の「年金パワー」を手に入れよう 山口 哲生 年金の不安/撲滅委員会 編 2006-11 |
知人のファイナンシャル・プランナー(FP)氏による無料進呈ガイドブック。タイトルこそやや胡散臭いが(笑)、およそ一般人が公的年金に対して抱いているモヤモヤ(年金の迷宮)とその対処策を余すところなく描いている良書。
公的年金に関する正確な情報を得たいと思っても、目にするのは「100年安心」を強弁する大本営発表か、もしくは「年金制度は潰れる、ケシカラン!」という批判のための批判(←野党政治家に多し)ばかり。しかし冷静に考えれば、これらの見解は両極端もいいところ。年金額が現行水準のまま継続するはずもないことは誰しも気付いているが、さりとて制度そのものが即座に廃止されるというのも非現実的(そんなリスクを侵す政治家など皆無)。極論同士をぶつけたところで所詮まやかしの議論に過ぎない。本書の言葉を引用すれば、現実的な解決策とはいつも中間にあるものなのだろう。
そんななか、「これから貰える年金額は減るだろうが、制度そのものがなくなるわけではない」という確信のもと、「将来の年金額を完全予想することは不可能だが、最悪のケースでもこれ位は確実に貰える」金額を分かり易く紐解いてくれるのが本書。全編を通しての著者の前向きな姿勢が、読み手をも前向きにさせてくれるからアラ不思議。一般向けだが、むしろ年金相談を生業とする社労士・FP・金融機関職員などのプロにも、初心に帰る意味でオススメしたい。なお、その後の対処策については続編「年金ガイドブック(実践編)」で披露するとのこと。
いずれにせよ大事なのは、最悪のケースでもこれ位は確実に貰えるという現状把握。逆に、最悪のケースを隠蔽されて「安心だ」「安心だ」とその場限りの対応でお茶を濁されると、却って不安が大きくなるものだ。現状認識なくして対策なし。批判や無関心に逃げ込むことなく年金制度に真摯に立ち向かった著者の姿勢は、当BLOG管理人も大いに見習いたい。
※本書の「お試し版」(プロローグおよび第1章のみ)はこちら
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