2008/07/13

適年からの移行は進んでいるか


先日公開された第13回企業年金研究会配布資料のなかに、興味深いデータが収録されていた。

適格退職年金について (←pdfファイル)

 20080712tekinen_ikou.jpg

上記資料の2ページ目には、適格退職年金(適年)の直近の移行状況が掲載されている。他制度への移行が解禁される直前(2002年3月31日)で73,582件あった適年は、2008年3月末で32,826件と、この6年間で40,756件減少した計算になる。一方、同時期に他の制度へ移行した件数は、集計時点(08年3〜6月)が一致していないため厳密性にはやや欠けるものの、単純合計すると、厚年基金、DB、DCおよび中退共の4制度で23,577件であった(注:原典では23,977件となってるが、計算ミスだと思われ)。残り17,179件、すなわち減少件数の40%強が移行を行わず解約したものと推察される。



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2008/05/30

適格退職年金の2008年3月末の状況


2012年3月に廃止(正確には税制優遇措置の廃止)されるため、その移行先について何かと議論される適格退職年金(適年)だが、このたび信託協会生保協会JA全共連の連名で直近の統計がリリースされた。

 ◆企業年金の受託状況(平成20年3月末現在)

 20080530nenkin-jutaku2007.jpg

  ○信託協会のリリース
  ○生保協会のリリース
  ○JA全共連のリリース
 (注)上記3つのリリースはいずれも同じ内容。

上記の3団体が公表している「企業年金の受託状況」では、適年の他にも厚生年金基金と確定給付企業年金の状況も掲載されている。この2制度については厚生労働省や企業年金連合会からも精緻な統計数値が公表されるが、適格退職年金に関する統計は、事実上この「企業年金の受託状況」でしか把握できない。適格退職年金の監督官庁は国税庁だが、この辺の監督体制はかなりアバウト。適年が他の企業年金制度への移行を余儀なくされたのも、この点が問題視されたとの説もある。

さて本題に入ろう。上記によると、適格退職年金は2008年3月末で契約件数32,825件(前年度比▲6,060件)、加入者数516万人(前年度比▲64万人)。いずれも減少傾向にはあるものの、減少幅は昨年と同程度(07年度の減少幅は契約件数▲6,205件、加入者数▲61万人)。一方、資産残高は11兆7,433億円(前年度比▲3兆8,820億円)と、減少幅は前年の倍以上となった(07年度の減少幅は契約件数▲1兆6,465億円)。米国のサブプライムローン騒動に端を発した世界的な株価下落の影響を受けた格好だ。この運用環境の低迷が、果たして適年移行を加速させることとなるのか、それとも足止め要因となるのだろうか。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/5/25): 適格退職年金の2007年3月末の状況
The企業年金BLOG(2006/5/26): 適格退職年金の2006年3月末の状況



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2008/05/07

適年の基準利率がようやく改定


財務省は4月30日、法人税法施行規則の一部を改正する省令を公布した(財務省令第25号)。これにより、法人税法施行規則附則第5条第4項で規定する適格退職年金の基準利率(下限予定利率)は、予定通り1.6%に変更された。上記の省令改正は、例年ならば年度末(3月末)までに行われるのが通例だが、今回は例の暫定税率問題の余波を受けたせいか、例年より約1ヶ月遅れの公布となった。

ところで、改正省令附則を見た限りでは、施行期日には何の配慮も為されていない。額面どおりに読むと、改正後の基準利率(1.6%)が適用されるのはあくまでも2008年4月30日からであり、同年4月1日〜29日については従前の基準利率(1.7%)が適用されるという事になるのだが・・・?
詳しい筋からの情報を求むm(__)m


※参考資料
○財務省令第25号「法人税法施行規則の一部を改正する省令」
 出典:官報(平成20年4月30日、特別号外第9号)
 ・冒   頭(Web官報より抜粋、p.240)
 ・該当部分(Web官報より抜粋、p.244下段)
 ・附   則(Web官報より抜粋、p.294)

企業年金制度における各利率の設定基準(日本年金数理人会) (pdfファイル)


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2008/3/11): 2008年度の企業年金の予定利率
The企業年金BLOG(2007/3/16): 企業年金の予定利率の算出根拠とは



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2008/03/11

2008年度の企業年金の予定利率


厚生労働省は3月5日、厚生年金基金および確定給付企業年金の財政検証に用いる2008年度の利率を告示した(厚生労働省告示第54〜56号、年企発第0305001号)。継続基準に用いる予定利率の下限は1.4%、非継続基準に用いる利率は2.27%となった。

ところで、企業年金の予定利率を語るにあたって「5.5%で固定されている硬直的な予定利率・・・」といった論調を未だに見かけるが、1996年以前ならともかく、現在も同じことを言っているようではお里が知れるというもの。1997年以降、継続基準の予定利率については、下限が設けられているほかは自由化されている。仮に2008年4月以降にDB制度を立ち上げたいのならば、予定利率は1.4%以上で設定すればOK。ただしその分掛金は高目となるが(汗)。各制度における下限予定利率の推移は以下のとおり。

◆継続基準の予定利率
 <年度> <厚年> <DB>   <算定根拠>
 1997年  4.0%   ──  10年国債応募者平均利回りの5年平均
 1998年  3.4%   ──        
 1999年  2.9%   ──        
 2000年  2.4%   ──        
 2001年  2.0%   ──        
 2002年  1.2%  1.2%  5年平均または1年平均のいずれか小さい率
 2003年  1.2%  1.2%       
 2004年  0.9%  0.9%       
 2005年  1.3%  1.3%       
 2006年  1.2%  1.2%       
 2007年  1.3%  1.3%       
 2008年  1.4%  1.4%       

 <年度> <適年>   <算定根拠>
 1997年  3.1%  10年国債応募者平均利回りの1年平均
 1998年  2.3%        
 1999年  1.5%        
 2000年  1.7%        
 2001年  1.7%        
 2002年  1.2%        
 2003年  1.2%        
 2004年  0.9%        
 2005年  1.4%        
 2006年  1.3%        
 2007年  1.7%        
 2008年  1.6%        



また非継続基準については、利率そのものは告示等で定められているものの、2003年以降は、当該利率に0.8〜1.2の調整率を乗ずることが可能となっている。非継続利率の推移は以下のとおり。

◆非継続基準の予定利率
 <年度> <厚年> <DB>   <算定根拠>
 1997年  4.75%   ──  20年国債応募者平均利回りの5年平均
 1998年  4.00%   ──  (小数点以下0.25揃え)
 1999年  3.50%   ──        
 2000年  3.00%   ──        
 2001年  2.75%   ──        
 2002年  2.50%  2.50%       
 2003年  2.23%  2.23%  (小数点以下0.25揃えを廃止)
 2004年  2.29%  2.29%  30年国債応募者平均利回りの5年平均
 2005年  2.20%  2.20%       
 2006年  2.17%  2.17%       
 2007年  2.20%  2.20%       
 2008年  2.27%  2.27%       



なお、上記の利回りは例年3月頃に告示または通知されるが、その根拠となる国債の応募者平均利回りは財務省Webサイトで発表されている。ただし毎月手作業で拾わねばならないのがチト辛い(汗)。


※参考資料
企業年金制度における各利率の設定基準(日本年金数理人会) (pdfファイル)

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/3/16): 企業年金の予定利率の算出根拠とは



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2007/12/28

2008年の最低責任準備金の予定利率


厚生労働省は12月21日、厚生年金基金の最低責任準備金の算定に用いる2008年の利率を3.10%と告示した(厚生労働省告示第422号)。最低責任準備金に付与する利率は、厚生年金本体の実績に基づき設定されることとなっており、今回の利率は、2006年度における厚生保険特別会計の年金勘定にかかる積立金の運用実績に基づき定められたもの。なお、特例解散における最低責任準備金の分割納付に用いる利率も、同様に3.10%と告示された(厚生労働省告示第423号)。

厚生年金基金の代行部分の予定利率については、1999年9月までは一律5.5%という固定利率だったものの、1999年10月以降は、厚生年金本体の運用実績に準拠した変動利率を用いている。08年利率が3.10%となるでであろうことは当BLOGでも既に報告済みであるため繰り返さない。99年10月以降の利率の推移は以下のとおり。

 <暦年>  <利率>
 1999年  年4.66% ※10〜12月のみ
 2000年  年4.15%
 2001年  年3.62%
 2002年  年3.22%
 2003年  年1.99%
 2004年  年0.21%
 2005年  年4.91%
 2006年  年2.73%
 2007年  年6.82%
 2008年  年3.10%



<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/8/15): 公的年金決算から見る代行部分の予定利率の動向
The企業年金BLOG(2007/3/16): 企業年金の予定利率の算出根拠とは
The企業年金BLOG(2006/12/14): 代行部分の予定利率は5.5%に非ず



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2007/10/17

2006年度の特例解散基金数


2005年度から鳴り物入りで導入された厚生年金基金の特例解散だが、ここ数年の資産運用の好転により基金の解散そのものが減少(04年度:81基金→05年度:30基金→06年度:8基金)していることから、特例解散制度もあまり利用されていないようだ。
ところで、特例解散基金数は@実際の解散基金数からA企業年金連合会が引き継いだ解散基金数を差し引くことで求められることは以前にも述べたが、06年度については以下の通り。

 @実際の解散基金数: 8基金
   出典:企業年金連合会「企業年金の現況」

 A企業年金連合会が引き継いだ解散基金数: 7基金
   出典:企業年金連合会「平成18年度 企業年金連合会業務報告書」(←40ページ)

 @−A = 8基金−7基金 = 1基金

以上から、06年度の特例解散基金数はわずか1基金であったことが判明。まあ、基金の解散が減ったこと自体は素直に喜ぶこととしますか。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/9/14): 統計から特例解散基金数を割り出す方法



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2007/08/15

公的年金決算から見る代行部分の予定利率の動向


厚生は黒字、国民は赤字 06年度公的年金決算 厚労省・社保庁 (jiji.com)
厚生労働省と社会保険庁は10日、公的年金の特別会計の2006年度収支決算を発表した。時価ベースの収支は、サラリーマンが加入する厚生年金が2兆8103億円の黒字、自営業者らが加入する国民年金が279億円の赤字だった。
(2007/8/10 時事通信)

前回に引き続き、公的年金決算から企業年金の動向を見ることとする。

決算発表資料の5ページの最下行には、厚生保険特別会計(年金勘定)の運用利回りが記載されているが、この数値は、翌年1〜12月の厚生年金基金の最低責任準備金(代行部分)に付す利率となる公算が大きい。
厚生年金基金の代行部分については、従来は一律5.5%固定という予定利率が用いられていたが、1999年10月以降は、厚生年金本体の運用利回り実績に準拠した利率を毎年洗い替えて用いることとされている。正式な数値は例年12月頃に厚労省より告示されるが、その根拠となる厚生年金の実績利回りは今回の決算発表に収録されているため、こちらを速報値に用いる業界人も多い。
今回の発表によると、平成18年度の厚生年金本体の運用利回りは「3.10%」となっており、平成20年(暦年ベース)の最低責任準備金に係る利率も3.10%と告示される可能性が高い。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/12/14): 代行部分の予定利率は5.5%に非ず



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2007/08/13

公的年金決算から見る代行返上の動向


厚生は黒字、国民は赤字 06年度公的年金決算 厚労省・社保庁 (jiji.com)
厚生労働省と社会保険庁は10日、公的年金の特別会計の2006年度収支決算を発表した。時価ベースの収支は、サラリーマンが加入する厚生年金が2兆8103億円の黒字、自営業者らが加入する国民年金が279億円の赤字だった。
(2007/8/10 時事通信)

公的年金の2006年度決算について、先日は運用状況の発表があったが、今回は保険料収入や年金給付といった財政状況を加味した収支決算の発表があった。公的年金の財政状況の解説は他の専門家に譲るとして、ここは企業年金ブログらしく、企業年金に焦点を絞って解説したい。

厚生年金・国民年金の平成18年度収支決算の概要(社会保険庁) (pdfファイル)

上記資料の4ページおよび5ページには、厚生保険特別会計(年金勘定)の収支状況が掲載されている。歳入科目の中に「解散厚生年金基金等徴収金」とあるが、これは、厚生年金基金から徴収した最低責任準備金(代行部分に係る資産額)を表している。かつては「解散厚生年金基金等徴収金」として解散基金から徴収した最低責任準備金の額を計上するための勘定科目だったが、1989年4月より解散基金の最低責任準備金は厚生年金本体ではなく厚生年金基金連合会(現:企業年金連合会)が徴収・給付代行する仕組みとなったため、しばしお蔵入りとなっていた。2003年9月より過去期間分に係る代行返上(いわゆる「過去返上」)が解禁されたことを受けて、返上基金より徴収した最低責任準備金を計上するための勘定科目として「解散厚生年金基金"等"徴収金」に姿を変えて復活した次第。なお、解散も代行返上も、最低責任準備金の算出ロジックは同一である。

さて、代行返上額の推移は以下の通りだが、返上基金数の減少を受けて返上額も年々減少していることが分かる。かつて、代行返上に踏み切った企業を「年金数理に関する判断能力と財務能力両方を備えた勝ち組企業」と賞賛した自称金融リテラシーサイトもあったが、こうしてデータで振り返ると、過去返上のピークが2004年度ってどんだけ底値売りなんだよ(汗)。

 <年度>  <返上額>  <過去返上基金数>
 2003年  3兆5364億円    203
 2004年  5兆3855億円    438
 2005年  3兆4568億円    121
 2006年     6800億円     21



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2007/05/25

適格退職年金の2007年3月末の状況


2012年3月に廃止(正確には税制優遇措置の廃止)されるため、その移行先について何かと議論される適格退職年金(適年)だが、このたび信託協会生保協会JA全共連の連名で直近の統計がリリースされた。

 ○企業年金の受託状況(平成19年3月末現在)

 20070525nenkin-jutaku2006.jpg

  ・信託協会のリリース
  ・生保協会のリリース
  ・JA全共連のリリース
 (注)上記3つのリリースはいずれも同じ内容。

上記の3団体が公表している「企業年金の受託状況」では、適年の他にも厚生年金基金と確定給付企業年金の状況も掲載されている。この2制度については厚生労働省や企業年金連合会からも精緻な統計数値が公表されるが、適格退職年金に関する統計は、事実上この「企業年金の受託状況」でしか把握できない。適格退職年金の監督官庁は国税庁だが、この辺の監督体制はかなりアバウト。適年が他の企業年金制度への移行を余儀なくされたのも、この点が問題視されたとの説もある。

さて本題に入ろう。上記によると、適格退職年金は2007年3月末で契約件数38,885件(前年度比▲6,205件)、加入者数516万人(前年度比▲61万人)。いずれも減少傾向にあるものの、減少幅は昨年よりむしろ小さくなっている(ちなみに前年度の減少幅は契約件数▲7,671件、加入者数▲88万人)。近年の資産運用の好調を受けて期限ギリギリまで様子見を決め込む企業が増えたことに加えて、金融機関サイドも同じく様子見モードに入ったように感じる。これを危機感の欠如と批判するのは容易いが、必要に迫られないと動けないのが人間の性というものよ(汗)。



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2007/03/16

企業年金の予定利率の算出根拠とは


厚生労働省は3月13日、厚生年金基金および確定給付企業年金の財政検証に用いる2007年度の利率を告示した。継続基準に用いる予定利率の下限は1.3%、非継続基準に用いる利率は2.20%となった。

ところで、企業年金の予定利率を語るにあたって「5.5%で固定されている硬直的な予定利率・・・」といった論調を未だに見かけるが、1996年以前ならともかく、現在も同じことを言っているようではお里が知れるというもの。1997年以降、継続基準の予定利率については、下限が設けられているほかは自由化されている。仮に2007年度にDB制度を立ち上げたいのならば、予定利率は1.3%以上で設定すればOK。ただしその分掛金は高目となるが。各制度における下限予定利率の推移は以下のとおり。

◆継続基準の予定利率
 <年度> <厚年> <DB>   <算定根拠>
 1997年  4.0%   ──  10年国債応募者平均利回りの5年平均
 1998年  3.4%   ──        
 1999年  2.9%   ──        
 2000年  2.4%   ──        
 2001年  2.0%   ──        
 2002年  1.2%  1.2%  5年平均または1年平均のいずれか小さい率
 2003年  1.2%  1.2%       
 2004年  0.9%  0.9%       
 2005年  1.3%  1.3%       
 2006年  1.2%  1.2%       
 2007年  1.3%  1.3%       

 <年度> <適年>   <算定根拠>
 1997年  3.1%  10年国債応募者平均利回りの1年平均
 1998年  2.3%        
 1999年  1.5%        
 2000年  1.7%        
 2001年  1.7%        
 2002年  1.2%        
 2003年  1.2%        
 2004年  0.9%        
 2005年  1.4%        
 2006年  1.3%        
 2007年  1.7%        



また非継続基準については、利率そのものは告示等で定められているものの、2003年以降は、当該利率に0.8〜1.2の調整率を乗ずることが可能となっている。非継続利率の推移は以下のとおり。

◆非継続基準の予定利率
 <年度> <厚年> <DB>   <算定根拠>
 1997年  4.75%   ──  20年国債応募者平均利回りの5年平均
 1998年  4.00%   ──  (小数点以下0.25揃え)
 1999年  3.50%   ──        
 2000年  3.00%   ──        
 2001年  2.75%   ──        
 2002年  2.50%  2.50%       
 2003年  2.23%  2.23%  (小数点以下0.25揃えを廃止)
 2004年  2.29%  2.29%  30年国債応募者平均利回りの5年平均
 2005年  2.20%  2.20%       
 2006年  2.17%  2.17%       
 2007年  2.20%  2.20%       



なお、上記の利回りは例年3月頃に告示または通知されるが、その根拠となる国債の応募者平均利回りは財務省Webサイトで発表されている。ただし、毎月手作業で拾わねばならないのがチト辛い(汗)。


※参考資料
企業年金制度における各利率の設定基準(日本年金数理人会) (pdfファイル)
○10年国債応募者平均利回り (当BLOG作成)
 keizoku-rate.jpg
○20年・30年国債応募者平均利回り (当BLOG作成)
 hikeizoku-rate.jpg

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/11/3): 財政検証における継続基準・非継続基準とは
The企業年金BLOG(2006/12/14): 代行部分の予定利率は5.5%に非ず



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2007/01/10

追加調査に非ず、単なる帳尻合わせ


年金 公務員より多額 人事院追加調査 (YOMIURI ON-LINE)
上乗せ部分 民間より143万円
国家公務員と民間のサラリーマンが退職後に受け取る上乗せ年金(退職金含む)の総額について、人事院が追加調査した結果が6日、明らかになった。昨年11月の発表では、サラリーマンが約20万円、公務員を上回っているとしていたが、加入者が保険料を自己負担した本人負担分の年金額を新たに加えたところ、逆に公務員が約143万円上回ることとなった。
(2007/1/7 読売朝刊 2面)

人事院が昨年11月に発表した「民間企業の退職給付等の調査結果」は、その調査結果の怪しさで一躍話題になったことは記憶に新しいが、今般、政府・与党重鎮のお叱りを受けてその追加調査結果がまとまり、前回とは逆に"官高民低"の結果となったとの事。なお、現時点(10日)では追加調査結果が人事院サイトにupされていないため、上記記事の内容を基に話を進める。

kanmin_hikaku2.jpg

しかし肝心の見直し論点はというと、前回は企業年金(職域加算)部分について企業(国)負担分のみを計上していたものを、今回は加入者負担分も新たに計上したというトホホな内容。上図を見れば分かるとおり、民間企業の企業年金(厚生年金基金の代行部分は除く)は事業主が全額負担するのが原則で、加入者拠出を実施している例なんてごく稀。比較対照が企業拠出主体ならば、共済年金の職域加算部分についても本人負担分は控除して比較するのが当然である。比較対照の状態によって判断すべき事項であり、大臣だか与党幹事長だかが何て言ったかは知らないが、一義的に加入者負担分を考慮せよというのは暴論も甚だしい。

前回の調査結果の不備を徹底的に精査した結果というのならともかく、こんな小手先の見直しでは、有権者に迎合する政治家の意に沿った結論をひねり出したと揶揄されても仕方あるまい。「へいへい、そんなに文句があるんだったら、お望みどおりの結果(公務員の方が高い)って事にしてやらあ(ケッ)」という担当者の複雑な感情が伝わってくる(汗)。ともあれ、人事院からの正式発表を待ちたい。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/11/19): 退職金・企業年金は民高官低!?



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2006/12/14

代行部分の予定利率は5.5%に非ず


厚生労働省は12月12日、厚生年金基金の最低責任準備金の算定に用いる2007年の利率を6.82%と告示した(厚生労働省告示第651号)。最低責任準備金に付与する利率は、厚生年金本体の実績に基づき設定されることとなっており、今回の利率は、2005年度における厚生保険特別会計の年金勘定にかかる積立金の運用実績に基づき定められたもの。なお、特例解散における最低責任準備金の分割納付に用いる利率も、同様に6.82%と告示された(厚生労働省告示第652号)。

ところで、企業年金の予定利率を語るにあたって「予定利率が5.5%で固定されている制度は時代遅れ」といった論調を未だに見かけるが、10年前ならともかく、現在となってはそうした認識こそ時代遅れ。予定利率については下限が設けられているほかは自由化されたし、厚生年金基金の代行部分についても、1999年10月以降は、5.5%という固定利率ではなく、前述のとおり厚生年金本体の運用実績に準拠した変動利率を用いている。最低責任準備金の利率の推移は以下のとおり。

 <暦年>  <利率>
 1999年  年4.66% ※10〜12月のみ
 2000年  年4.15%
 2001年  年3.62%
 2002年  年3.22%
 2003年  年1.99%
 2004年  年0.21%
 2005年  年4.91%
 2006年  年2.73%
 2007年  年6.82%


なお上記の利回りは例年12月頃に告示されるが、その根拠となる厚生年金の実績利回りは例年8月頃に発表されるので、こちらを速報値に用いる業界人も多い。今回の数値(6.82%)も、下記ファイルにキチンと掲載されている。

厚生年金・国民年金の平成17年度収支決算の概要(社会保険庁) (pdfファイル)
 (↑6ページに今回の実績利回りが載っています)


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/3/16): 企業年金の予定利率の算出根拠とは



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2006/11/19

退職金・企業年金は民高官低!?


年金受給「民間が公務員上回る」 人事院調査 (NIKKEI-NET)

人事院は16日、会社員の厚生年金と公務員の共済年金の一元化に伴う公務員の新たな年金制度の設計に向け、民間企業と国家公務員が受け取る年金や退職金の調査結果をまとめ、塩崎恭久官房長官に提出した。共済独自の上乗せ給付である「職域加算」を廃止した場合、民間の給付水準が公務員を約8%上回るため、格差を埋めるために国庫負担による新制度を作る必要があるとの見解も示した。

当BLOGでも以前触れた人事院による退職金実態調査の結果がこのほどまとまった。結果は官民格差どころか予想に反して民高官低となり、内閣官房長官に宛てた書簡では「不足分は国庫負担で(民間の企業年金に当たる)新制度を作る必要がある」と提言している。

まず初めに述べておくが、どうも「不足分は国庫負担で」というくだりで「税金を使うとは何事か!」と脊髄反射しているブログが散見される。しかし公務員とて一介の労働者。労働者を遇するのに雇用主(ここでは国や地方自治体)がある程度の出費(ここでは税金)を賄うことまで拒否するのは極論に過ぎよう。「公務員の処遇」の問題と「税金の無駄遣い」の問題を混同して批判するべきではない。

その上で本調査について言及すると・・・やっぱ怪しいわコレ(笑)。他の退職金統計と比較しても、民間企業の給付水準が過大評価されてるように感じる。この調査、不審な点もいささか多い。ポイントをまとめると以下の通り。

kanmin_hikaku.jpg

1.民間企業の企業年金は「退職金の振り替え」である
本調査では官民双方について「退職金+企業年金」の総額で比較しているが、そもそも民間の企業年金は退職金原資を移行したものであり、退職金原資の枠内で一時金受給か年金受給かを選択できるに過ぎない。そのため調査結果にあるような金額(2,980万円)を満額受給できるわけではない。一方公務員は退職金と共済年金の職域加算部分は別建てなので、双方とも満額受給が可能である。そもそも前提条件が違うもの同士を比較して「民間の方が高い」とのたまうのは我田引水もいいところ。しかし調査結果にはこの辺の違いをどう処理したかが明記されておらず、民間企業の退職給付水準はダブルカウントされている恐れがある。

2.割引率「2.20%」は妥当か
退職一時金は退職時に支払われた額を計上しているが、企業年金については、年金額だけでは評価が難しいため、本調査では、将来支払われる年金総額を現価換算した額を用いている。現価額で評価する事自体は真っ当である。だが問題は現価換算する際の割引率である。割引率が小さいほど現価は大きく計算される。本調査では、厚生労働大臣告示により定められている企業年金の最低積立基準額算出の割引率(平成17年度は2.20%)を用いたとあるが、上記の割引率は企業年金の解散・清算基準の算出に用いる保守的なものであり、企業年金に係る給付額が過大評価されている怖れがある。せっかく支給実態を調査したのであれば、実際に用いられている予定利率または給付乗率で割り引くのが筋ではないか。

3.「従業員規模50人以上」の実態は
企業規模50人以上6,232社(3,850社、回答率61.8%)を対象としたとあるが、実際はもっと大規模な企業に絞られているのではないか。今回の調査に当たってとある公務員系の労働組合では、「調査対象企業は1,000人以上とすること」などの要求を人事院に突き付けており、また今回の調査結果が出るやいなや「取組みを強化してきた結果である」などと誇らしげに語る始末。自分たちは大企業並みの待遇を受けて当然と考えているのか、或いは高水準な企業と比較する事により官民格差を小さく見せようと画策したのかは定かではないが、既得権益擁護のためなら集計方法に至るまで口を挟む緻密さ・勤勉さ、ぜひ本来の公務の方で発揮して欲しいものだ(汗)。

※人事院の調査結果はこちら


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/6/29): 企業年金・退職金に関する統計調査(総論)
The企業年金BLOG(2007/1/10): 追加調査に非ず、単なる帳尻合わせ



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2006/10/06

特定業種退職金共済の概要とその運用方針


(独)勤労者退職金共済機構は、中小企業退職金共済(中退共)の他に特定業種退職金共済なる制度を運営している。
特定業種退職金共済とは、中退共と同様の退職金給付を行う制度で、現在、建設業・清酒製造業・林業の3業種で実施されており、それぞれ建退共清退共(酒退共)林退共と呼ばれている。当該業種に属してさえいれば企業規模(人数・資本金)は問われないものの、被共済者(加入対象者)となれるのは期間雇用者のみである。
さて、そんな建退共・酒退共・林退共の基本ポートフォリオを中退共も併せて比較したのが以下の表である↓

      国内債券 国内株式 外国債券 外国株式 その他
 建退共  86.2%   5.3%   2.6%   2.6%  3.3%
 清退共  91.9%   4.1%   2.0%   2.0%  0.0%
 林退共  95.6%   2.6%   1.8%   0.0%  0.0%
 中退共  79.0%  10.0%   5.0%   6.0%  0.0%


以前当BLOGで「中退共の資産運用は公的年金よりも保守的」と書いたが、中退共の弟分である建退共・酒退共・林退共はそれを上回る保守っぷりであることがわかる。安全重視と言えば聞こえは良いが、ところが(基本ポートフォリオから導出される)期待収益率と予定利率とを比較すると、思わぬ姿が見えてくる↓

     @期待収益率 A予定利率  @−A
 建退共   1.62%   2.70%  ▲1.08%
 清退共   2.04%   2.30%  ▲0.26%
 林退共   1.67%   0.70%   0.97%
 中退共   2.60%   1.00%   1.60%


中退共・林退共は期待収益率が予定利率を上回っている一方、建退共・清退共は期待収益率が予定利率を下回っているという姿に二分している。中退共・林退共は累積損失を抱えているため、現在「累積欠損金解消計画」に基づきその解消に努めている。予定利率を低い水準に抑えているのもその一環だと思われる。
一方、理解できないのは建退共・清退共。いくら現在は累積欠損金が存在しないとはいえ、この状態(期待収益率<予定利率)では「逆ざやをどんどん出します!」と宣言しているようなもの。給付建て(確定給付型)ならまだしも、掛金建て(確定拠出型)制度でこの運用方針は果たしていかがなものかと。よく監督官庁(厚生労働省)が認めたものだ。

※中退共・建退共・清退共・林退共各制度の運用基本方針はこちら
※中退共・林退共の累積欠損金解消計画はこちら


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/9/29): 給付費からみる中退共と企年連の運用スタンスの違い



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2006/09/29

給付費からみる中退共と企年連の運用スタンスの違い


(独)勤労者退職金共済機構はこのたび中小企業退職金共済(中退共)の2005年度の事業決算および資産運用状況を公開、運用利回りは8.34%と過去最高を記録したことがわかった。05年度の年金運用は軒並み好調が伝えられているが、中退共もそのご多分に漏れず株高の恩恵に与った次第。

ところで中退共の運用利回り8.34%という数値、企業年金連合会(企年連)の22.70%や国民年金基金連合会の20.78%、さらに年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の14.37%と比べると、やや見劣りするように感じる。05年度の中退共の資産構成割合をみると、国内債券が全体の79%を占めている。同時期の企年連の国内債券比率が35.1%、GPIFの国内債券比率(市場運用分のみ)が48.36%であったことを考慮すると、中退共の資産運用は公的年金よりも保守的だと言える。では何故かくも保守的にならざるを得ないのだろうか? そこで、中退共の業務報告書および企年連の業務報告書から、それぞれの給付費および資産額の推移を比較してみた。

20060929benefit

中退共が支払う給付費(一時払・分割払の総額)は、年間3〜4千億円にのぼる。これは総資産の10%に相当する規模である。巨額のキャッシュアウトに備える必要があるため、国内債券など換金性・安全性に勝る資産の比率を高めざるを得ないという中退共の"お家の事情"が垣間見える。
一方企年連は、中退共に比べると給付費が少なく総資産が多いため、総資産に占める給付費の割合は2〜3%に過ぎない。そのため、国内株式・外国株式など換金性に劣るものの収益性が高い資産へのオーバーウエイトが可能となる。いわゆる「リスク許容度が高い」ってやつね。なお企年連の給付費が中退共よりも少ないのは、中退共は一時金支給が中心なのに対し、企年連は年金支給(分割払)が中心だからである。

とはいえ、企年連の受給者数・給付費は現在急速に増加中であり、今後も給付費の増加が続くようであれば、いずれは(中退共のように)国内債券比率を高める方向へと方針転換するかもしれない。そういう意味では、決算が好調だったからといって通算企業年金の予定利率の引上げといった大盤振る舞いをしている余裕はない筈だが・・・(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/7/24): 久々に目にした「積立余剰」「給付増額」という単語



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2006/09/14

統計から特例解散基金数を割り出す方法


厚年基金解散、特例利用は5件 05年度 (NIKKEI-NET)

財政難の厚生年金基金が積み立て不足のままでも解散できる「特例解散制度」を利用した厚年基金が、制度初年度となる2005年度にわずか5件にとどまったことがわかった。
特例解散は、法律で定めた解散に必要な水準の積立金を持たない厚年基金に対し、不足分を分割返上することなどを条件に解散を認める制度。経営悪化で母体企業が不足分を補てんできない場合などに適用される。
(2006/9/4 日経朝刊)

厚生年金基金は国の資産の一部を代行している関係上、基金を解散する際は、代行部分に相当する資産(最低責任準備金)を国に返還(実務上は企業年金連合会に移管)しなければならない。ところが、バブル崩壊後の資産運用の低迷により、積立金が最低責任準備金を下回る基金(いわゆる代行割れ基金)が続出、損失の穴埋めができない基金は解散したくても解散できない状況に陥っている──と巷間で取りざたされていた。
そんな、代行割れ基金のために創設されたのが、今回の記事にある特例解散制度。特例とは、平たく言えば「借金の分割返済」「計算方法変更による借金の一部減免」を認めるというもの。2005年度から鳴り物入りで導入されたものの、特例解散を利用したのは5基金とごく少数にとどまった。制度の複雑さも然ることながら、資産運用の好転で解散そのものが減少(04年度:81基金→05年度:30基金)したことも大きな要因ではないか。

ところで上記の記事はプレスリリースを受けてのものだが、実は新聞報道に頼らずとも、公知の統計数値で特例解散基金数を把握する方法がある。通常解散と特例解散の(制度上の)最大の違いは、解散基金の最低責任準備金が企業年金連合会ではなく国に直接移管されることである。そのため、@実際の解散基金数A企業年金連合会が引き継いだ解散基金数の差分が特例解散基金数ということになる。2005年度は以下の通りであった。

 @実際の解散基金数: 30基金
   出典:企業年金連合会「企業年金の現況」
 A企業年金連合会が引き継いだ解散基金数: 25基金
   出典:企業年金連合会「企業年金連合会業務報告書」(←36ページ)

以上から、@−A = 30基金−25基金 = 5基金となり、冒頭記事の特例解散基金数と一致する。もっとも、Aの出所となる「企業年金連合会業務報告書」は年1回更新であるため、速報性に欠けるのが難点だが(汗)。まあ業界トリビアつうことで。



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2006/07/04

企業年金・退職金に関する統計調査(各論)


前回のエントリで企業年金・退職金に関する統計調査を一通り紹介したが、今回は各論ということで、それぞれの統計調査の特徴について述べたい。


就労条件実態調査 →直近の調査:2003年実施
 ・実施主体:厚生労働省(大臣官房統計情報部)
 ・実施時期:4・5年毎
 ・サンプル数:約5,300社(2003年調査)

かつての「賃金労働時間制度等総合調査」が2001年にリニューアル。労働時間・週休制に関する統計は毎年更新されているが、退職給付(一時金・年金)に関する調査は4・5年毎の実施(福利厚生・出向といった他のテーマとのローテーション)。更新頻度が低いのがネックだが、退職金に関する統計としては最大のサンプル数を誇る、最もメジャーな存在。


民間企業退職金実態調査 →直近の調査:2002年9月実施
 ・実施主体:総務省(人事・恩給局)
 ・実施時期:5年毎
 ・サンプル数:3,380社(2002年9月調査)

「国家公務員の退職手当に関する検討のための基礎資料」という位置付けからか、「退職金の官民比較」が最大の売り。調査項目は「就労条件総合調査」に見劣りしないものの、いまいちマイナー感は否めない。


退職金・年金に関する実態調査 →直近の調査:2002年9月実施
 ・実施主体:(社)日本経済団体連合会
 ・実施時期:隔年
 ・サンプル数:272社(2002年9月調査)

ご存じ日本経団連による調査。日本経団連というネームバリューと隔年実施という更新頻度の高さでから何かと重宝されがちだが、実はサンプル数は意外と少ない(汗)。従業員数500人以上の企業が約70%を占めるなど、比較的大企業が中心。


退職金・年金及び定年制事情調査 →直近の調査:2003年実施
 ・実施主体:中央労働委員会
 ・実施時期:隔年
 ・サンプル数:295社(2003年調査)

本統計調査を知っている向きは、よほどの退職金統計ヲタク(汗)。「労働争議の調整のための参考資料」という位置付けから、対象企業は労働組合を有する従業員数1,000人以上の大企業のみ。こちらもサンプル数は少なめ。


中小企業の賃金・退職金事情 →直近の調査:2004年12月実施
 ・実施主体:東京都(産業労働局)
 ・実施時期:隔年
 ・サンプル数:1,220社(2004年12月調査)

タイトルにある通り、中小企業のみを対象とした統計。各都道府県でも同様の統計を取り扱っているので、興味のある向きは是非。


モデル退職金・年金制度調査 →直近の調査:2005年実施
 ・実施主体:産労総合研究所
 ・実施時期:隔年
 ・サンプル数:219社(2005年調査)


退職金・年金制度総合調査 →直近の調査:2004年実施
 ・実施主体:労務行政研究所
 ・実施時期:隔年
 ・サンプル数:319社(2004年調査)


上記2調査はそれぞれ交互に隔年実施しており、共通項も多いのでまとめて取り上げる。両者とも、退職給付制度の併用状況や退職金額の規模を企業毎(一部実名)に横断的に把握できる点がウリ。産労総合研究所は「退職金・企業年金ハンドブック」で、労務行政研究所は「労政時報別冊 退職金・年金事情」でそれぞれ調査結果を公表している。価格は高いものの、関連記事はなかなかの読み応え。

退職金・企業年金ハンドブック65歳雇用時代の退職金・企業年金と高齢者雇用
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<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/6/29): 企業年金・退職金に関する統計調査(総論)



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2006/06/29

企業年金・退職金に関する統計調査(総論)


人事院、民間企業の退職金実態調査 (NIKKEI-NET)
人事院は22日、国家公務員の新たな退職給付制度を検討するため、民間企業の年金や退職金の実態を調査すると発表した。2010年に国家公務員共済年金の上乗せ給付(職域加算)を廃止することに伴う措置。7月3日―9月8日に調査し、年内に結果をまとめる。対象は常勤従業員数が50人以上の事業所約6200社とする。
これまで民間企業の退職金調査は5、6年ごとに実施してきたが、共済年金の職域部分も含めた比較調査は今回が初めてとなる。
(2006/6/23)

人事院では毎年「民間企業の勤務条件制度等調査」を実施しているが、今年は退職給付(企業年金・退職一時金)の調査も併せて行うとのこと。公的年金一元化に伴う共済年金の職域部分廃止の絡みで、検討のための基礎資料にするんだと。

なお、退職金・企業年金を統一的に扱った既存の統計調査は、他にも下記のものがある。特に退職金の官民比較と言えば総務省の調査が先行しているだけに、人事院が既存の統計調査とどのように差別化を図るのか俄然注目が集まる。全国の退職金統計マニアは要チェキラ!(←居ねーよそんな奴)


<企業年金・退職金に関する統計調査一覧> ※直近の調査年次にリンク

○就労条件総合調査(厚生労働省) 4・5年毎実施
○民間企業退職金実態調査(総務省) 5年毎実施
○退職金・年金に関する実態調査(日本経団連) 隔年実施
○退職金・年金及び定年制事情調査(中央労働委員会) 隔年実施
○中小企業の賃金・退職金事情(東京都) 隔年実施
○モデル退職金・年金制度調査(産労総合研究所) 隔年実施
○退職金・年金制度総合調査(労務行政研究所) 隔年実施


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/7/4): 企業年金・退職金に関する統計調査(各論)
The企業年金BLOG(2006/11/19): 退職金・企業年金は民高官低!?
The企業年金BLOG(2007/1/10): 追加調査に非ず、単なる帳尻合わせ



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2006/06/18

機関投資家の株式売買動向(2006年1-3月期)


去る6月15日に資金循環統計日本銀行)の2006年1-3月期の数値が公表された。

20060618kabu_torihiki.jpg

さて2006年1-3月期の主な機関投資家(年金・生保・郵貯・簡保)の株式売買動向を見ると(上表)、全部門が見事に売り越している。特に企業年金と公的年金はいずれも1兆円近くを売り越しており、結果的には、当時喧伝されていた「年金のリバランス売り」を実証した格好となった。とはいえ、同時期の日経平均株価は16111.43円(12/30)から17059.66円(3/31)と堅調に上昇していることから、「年金の売り」が株価にマイナス寄与したとまでは断言できない。

なお6月16日現在の日経平均は14,879.34円と3月末から約12%も下落しており、現時点ではリバランスを行う必要の無い水準に落ち着いているものと思われる。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG: 機関投資家の株式売買動向(2005年9-12月期)



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2006/05/26

適格退職年金の2006年3月末の状況


2012年3月に廃止(正確には税制優遇措置の廃止)されるため、その移行先について何かと話題の適格退職年金(適年)だが、このたび信託協会生保協会JA全共連の連名で直近の統計がリリースされた。

 ○企業年金の受託状況(平成18年3月末現在)

20060526nenkin-jutaku2005.jpg

  ・信託協会のリリース
  ・生保協会のリリース
  ・JA全共連のリリース
 (注)上記3つのリリースは内容はいずれも同一。

上記の3団体が公表している「企業年金の受託状況」では、適年の他にも厚生年金基金と確定給付企業年金の状況も掲載されている。この2制度については厚生労働省や企業年金連合会からも精緻な統計数値が公表されるが、適格退職年金に関する統計は、事実上この「企業年金の受託状況」でしか把握できない。適格退職年金の監督官庁は国税庁だが、この辺の業務はまさに投げっ放しジャーマン状態。適年が他の企業年金制度への移行を余儀なくされたのも、一説にはこの監督体制のアバウトさが問題視されたとの指摘もある。

さて本題に入ろう。上記によると、適格退職年金は2006年3月末で契約件数45,090件(前年度比▲7,671件)、加入者数567万人(前年度比▲88万人)と、いずれも減少傾向にあるものの、減少スピードはさほど上がっていない。
一方、この統計で当BLOG管理人が目を見張ったのが資産残高。前述のとおり契約件数が約7千件減少したにも関わらず。今回の発表では時価残高が17兆2,718億円(前年度比+890億円)と、ごく僅かではあるが増加している。つまり、それだけ資産運用が好調だったということか。

以上から、適年移行については、まだまだ様子見の企業が多いように感じる。その上資産運用が好調とくれば、危機感を持てという方が無理な注文か(汗)。とはいえ、当BLOG管理人はどっかの弱小コンサルタントみたいに「早く対応しないと大変な事になるYO!」と煽るさもしい真似はしない主義なのでご安心を(笑)。



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