社会保障は経済成長に貢献している!? 初の実証分析による反論
![]() | 社会保障と日本経済 ―「社会市場」の理論と実証 (総合研究現代日本経済分析 1) 京極 高宣 慶應義塾大学出版会 2007-07 売り上げランキング : 148,699 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
近年は、財界・経済学者・マスコミ等を中心に「社会保障が日本経済の足を引っ張っている」という論調が幅を利かせているが、そうした昨今の風潮に真っ向から反論を試みたのが本書。
「社会保障制度の発展が様々なルートで日本経済を底支えしている」という主張は、これまでも局所的に展開されてきたが、ともすると観念的な主張のみに終始し、数値的な根拠を伴った反論はこれまで皆無であった。著者もまた、過去の講演や著作等ではデータ等を省略することが多かったが、本書では、これまで掲載を簡略化していた膨大な数値・データ等を惜しげもなく全収録したため、400ページを超える大著となったが、説得力は増した。これまで経済学者からの一方的な批判に対し、実証分析を以って反論に転じたのは、おそらく本書が初ではないか。 その他にも、社会保障を論ずる上で示唆となる考察がテンコ盛りで、今後わが国の社会保障を語る上で外せない定番となること必至。経済学に疎い社会保障学者は勿論のこと、社会保障に疎い経済学者にも是非目を通して貰いたい一冊。なお、本書で語られている社会保障の経済効果は、以下の通り。
◆生活安定効果(年金等の社会保障給付が消費を下支え)
◆所得再分配効果
◆労働力保全効果(医療制度が労働力の創出・保全を下支え)
◆産業・雇用創出効果(医療・介護業界の経済波及効果は公共事業以上)
◆内需拡大効果(地域経済で最も成長著しいのは介護産業)
◆資金循環効果(年金積立金は金融資本市場への資金供給源)
─────────────────────────
【追記】
「細かい数値はいいから著者の主張のエッセンスを知りたい」という向きには、以下の資料・書籍をオススメしておく。
<第11回厚生政策セミナー(主催:国立社会保障・人口問題研究所)>
○資料(pdfファイル)
○講演録(pdfファイル)
<書籍>
![]() | 社会保障は日本経済の足を引っ張っているか 京極 高宣 時事通信出版局 2006-11 売り上げランキング : 59,438 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |









