2011年08月31日

「IFRS保険契約」

保険の会計基準・監督基準に特化した一冊

IFRS保険契約IFRS保険契約
有限責任監査法人トーマツ
金融インダストリーグループ 編

清文社 2011-08
売り上げランキング : 171,639
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IFRS(国際財務報告基準)のコンバージェンス(収斂)・アドプション(適用)を控え、IFRSに関する書籍は雨後のタケノコの如く巷に氾濫しているが、こと保険の会計基準に特化した書籍は現在のところ本書だけ。米国会計基準(US-GAAP)との比較など会計に関する記述が充実しているのは勿論だが、本書はさらに健全性規制(ソルベンシーU)についても、過去の経緯から国際動向までつぶさに盛り込んでいる。保険会計および保険監督に関するトピックをサラっと調べるのに重宝する一冊。






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2011年05月07日

「概説 日本の生命保険」

生命保険に関する実務的・実態的テキスト

概説 日本の生命保険概説 日本の生命保険
ニッセイ基礎研究所

日本経済新聞出版社 2011-04
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日本生命が東京大学で開講した生命保険論の講義資料を加筆・修正したテキスト。生命保険および生保事業の基本的な仕組みから、生命保険を取り巻く環境の変化、生保業界が抱える経営課題とそれらへの取組まで幅広く網羅しており、しかも書物としても読み易いものに仕上がっている。生保業界の定番書として名高い「生命保険講座」(生命保険協会)は業界人以外には入手困難なだけに、その代替としても最適である。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/10/12): 「生命保険講座」
The企業年金BLOG(2011/3/27): 「生命保険の法務と実務」改訂版



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2011年03月27日

「生命保険の法務と実務」改訂版

生命保険の教科書兼百科事典 保険法施行に対応

生命保険の法務と実務(改訂版)生命保険の法務と実務(改訂版)
日本生命保険生命保険研究会

金融財政事情研究会 2011-03
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金融財政事情研究会(きんざい)「法務と実務」シリーズといえば、金融業に関するあらゆるトピックをこれでもかと網羅した圧倒的な分量と価格でその存在感を示しているが、その生命保険バージョンが本書。700ページに迫る分厚さに違わず、生命保険に関するあらゆるトピックが網羅されており、まさに生命保険の百科事典といった様相。業界の定番書として名高い「生命保険講座」(生命保険協会)は業界人以外には入手困難なだけに、その代替としても最適。
なお今回の改訂版では、保険法の施行、保険業法等の改正、銀行窓販の全面解禁、少額短期保険業制度の創設、金融ADR制度などの直近の動向に対応しているほか、章立ても大幅に改めている。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/10/12): 「生命保険講座」
The企業年金BLOG(2007/6/20): 「生命保険の法務と実務」



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2010年04月06日

「はじめて学ぶリスクと保険」第3版

保険論+リスクマネジメント論の定番教科書

はじめて学ぶリスクと保険 第3版はじめて学ぶリスクと保険 第3版 (有斐閣ブックス)
下和田 功

有斐閣 2010-03
売り上げランキング : 90,318
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リスクマネジメントという言葉が脚光を浴びるようになって久しい。近年は金融工学や会計学といった分野からの進出が目立っているが、リスクマネジメントを最も古くから探求してきたのは紛れもなく保険学であろう。本書は、リスクマネジメント研究に精通する保険学者・経済学者の手による、保険論とリスクマネジメント論のコラボレーションを試みた意欲作である。前半ではリスクマネジメントの全体像を、後半ではリスク移転手段の一つである生命保険・損害保険を取り扱っており、まさにリスクから出発する保険論を地で行く構成になっている。
なお、タイトルには「はじめて学ぶ」とあるものの、執筆者が複数にわたるせいか記述に濃淡がみられる(特に第4部「社会保障」は記述が冗長・・・汗)ほか、文体も硬いため、お世辞にも分かり易いとは言い難い。むしろ、中級者以上がリスクマネジメント論を「はじめて学ぶ」のに最適という意味ではないかと思われる(汗)。とはいえ、現在では保険・リスクマネジメント論の定番教科書としての地位を確固たるものとしており、今回の第3版では、保険法の制定や、前版以降の医療制度改正(後期高齢者制度の導入など)に関する記述が手当てされている。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/8/1): 「物語で読み解く リスクと保険入門」



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2010年01月03日

「生命保険入門」新版

体系的な生命保険の入門書 5年間の蓄積を余す所なく披露

生命保険入門 新版生命保険入門 新版
出口 治明

岩波書店 2009-12
売り上げランキング : 3,416
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生命保険に関する入門用教科書というと、有斐閣『生命保険新実務講座』生命保険協会『生命保険講座』がまず思い浮かぶが、前者は刊行から約20年が経過しており古臭さは否めなく、また後者は業界人以外には入手困難であるなど、ファーストチョイスとしてはいまいち決め手に欠ける。一方、消費者向けのムック本の類は雨後のタケノコの如く出回っているものの、生命保険を真面目に学ぼうとする向きには物足りないことこの上ない。
本書は、実務家の視点から体系的に生命保険を学べる入門書として好評を博した『生命保険入門』の5年ぶりの改訂版。全体の構成は前版とほぼ同一だが、統計・データがことごとく最新の数値に更新されたほか、「国際動向(米・英・仏・独)」「保険負債の時価評価」「保険法の制定」「保険金不払い問題」「自由化15年の検証」「医療保険・年金保険への上手な加入」などのトピックが新たに強化された。その他の記述についても、野口悠紀雄『1940年体制』日本経済研究センター報告書の影響を色濃く受けたと思われる手当てが随所で為されており(旧版と読み比べると興味深い)、前版刊行から5年間の著者の蓄積が漏れなく反映されていると言っても過言ではない。実務家・研究者・消費者の各々のニーズを同時に満たすという意味では、本書はまさに生命保険の入門書の決定版であり、今回の新版の刊行によりその地位をより強固なものとした感がある。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/4/14): 「生命保険はだれのものか」
The企業年金BLOG(2006/10/14): 「生命保険入門」



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2009年08月01日

「物語で読み解く リスクと保険入門」

良くも悪くも物語(エピソード)が白眉

物語で読み解く リスクと保険入門物語で読み解く リスクと保険入門
米山 高生

日本経済新聞出版社 2008-12
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近年は金融工学や会計学といった分野からの進出が目立っているリスクマネジメント論だが、当該分野を最も古くから学術的に探求してきたのは保険学である。本書は、気鋭の保険学者が「リスクから出発する保険論」を旗印に、リスクおよび保険の概念を様々なエピソードを通して分かり易く解説している。
本書の白眉は、何といっても第2部「保険編」にある。トピックこそ「保険需要の考え方」「保険の価格について」「保険と相互会社」などと一見教科書的だが、実際に目を通してみると、明治期から戦後にかけての保険業界の変遷が鮮やかに描かれており、読み応えのある内容となっている。当時の保険証書や保険広告といった歴史的価値の高い写真・絵図が惜しげもなく披露されており、この種の書にしては楽しみながら読むことができる点が異色。元来は保険経営史研究を専門としている著者の博覧強記ぶりが存分に発揮されている。



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2009年04月16日

「マンガでわかる生命保険入門」

ポップな画風とは裏腹な波乱万丈の保険人生

マンガでわかる生命保険入門マンガでわかる生命保険入門
消費者支援機構関西 監修

住友生命保険相互会社 2009-01

保険会社消費者団体がタッグを組んで作成した生命保険に関するパンフレット。生命保険契約に関する手続、留意事項および専門用語等がマンガ形式で分かり易く解説されている。タイトルだけ「入ってはいけない」「今すぐやめろ」「〜の罠」と扇動的だが中身スカスカな市販本よりも遙かにためになる内容。もっとも、こうした冊子を作る前に、シンプルで分かり易い商品を開発するのが先決ではとのツッコミは免れないが(汗)。

ところで主人公のスミレだが、才色兼備のキョウコ先輩をさしおいてセイジと結婚するなどスミレとセイジでスミセイですかそうですか)序盤こそ順風満帆な人生だったが、その後は保険給付の事例を身を呈して解説するべく、胃潰瘍・子宮がん・脳卒中と疾病のオンパレードに見舞われる始末。読んでいて、病に伏して保険金を貰うよりも健康でいるほうが幸せだとつくづく思い知らされる(汗)。



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2009年04月14日

「生命保険はだれのものか」

前著『生命保険入門』のアップデート&口語版 より良質な入門書に進化

生命保険はだれのものか生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと
出口 治明

ダイヤモンド社 2008-11
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A5横書きからB6縦書きにサイズやレイアウトこそ変われど、基本的には前著『生命保険入門』の内容を下敷きとしているだけに、生命保険に関する一連のトピックを体系的に押さえているほか、より消費者・生活者の視点に立った分かり易い記述に改められている。生命保険を体系的かつ真面目に学ぶためのファーストチョイスには最適な一冊。
著者の既存の生保業界・生保会社に対するアンチテーゼ的提言は前著でも際立っていたが、提言だけでは不十分とばかりに、その後著者自らネット生保会社の立ち上げに東奔西走したのはもはや万人の知るところ。本書にもその形跡がしばし垣間見えるが、新会社創業までのより具体的な顛末については、近著『直球勝負の会社』に詳しい。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/10/14): 「生命保険入門」



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2008年12月25日

「備えあれば保険あり」'08−'09年度版

小冊子のセット販売 むしろ業界人向き!?

備えあれば保険あり備えあれば保険あり<'08−'09年度版>
生命保険文化センター

生命保険文化センター 2008-12
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業界団体がこれまでに刊行した小冊子の中から、人気の高い冊子を集めたセット商品。一般消費者を意識して作成したとの事で、生命保険や税金などの基本的な仕組みが分かり易く描かれているほか、数年前からはamazonをはじめ大型書店での販売にも踏み切っている。もっとも、保険に加入するだけのために本書を購入する向きはそうは居ないだろうが(汗)。むしろ保険会社職員やFP(ファイナンシャル・プランナー)などの業界人こそ、改めて読み返すと多くの示唆が得られること必至。なお個人的には、「ねんきんガイド」「生命保険と税金の知識」が白眉。



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2008年11月15日

「保険論」第2版

学部生向け定番教科書の後継者的存在

保険論 第2版保険論 第2版
大谷 孝一(編集)
江澤 雅彦、李 洪茂、土田 武史、中出 哲(著)

成文堂 2008-10
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大学学部における保険論の教科書といえば、かつては鈴木辰紀著「新保険論」が定番だったが、その後継者的存在が本書。編著者は鈴木教授の弟子達が中心となっている上に、第1部で総論、第2部で各論(海上保険・火災保険・自動車保険・生命保険・社会保険)という構成までもそっくり踏襲している。とはいえ、保険制度全般について基礎から最近動向まで一冊で学べる書籍はなかなかないだけに使い勝手は良い。保険論を専攻する学生はもとより、保険業界に身を置く者にとっては最適な教科書といえよう。
なお第2版では、データや地震保険料率等が最新のものにアップデートされたほか、誤字脱字がかなり改善された(←これが主目的だという噂も・・・汗)。



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2008年01月09日

「現代保険経済」

保険学を専攻する大学院生のバイブル

現代保険経済現代保険経済 第8版
水島 一也

千倉書房 2006-04
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保険学を専攻する大学院生のバイブルとしてつとに有名な一冊。保険論と金融・経済論を絡めた著作は現在でこそ珍しくないが、その嚆矢となったのが本書。1979年の初版刊行以来、保険業を取り巻く諸情勢を反映し版を重ねてきた。第8版では、生・損保会社の不払い問題にも言及している。「直近の情勢をいちいち反映しなくても十分なのに」「節立てが大雑把で読み難いしまとめ難い」といった批判はあるものの、本質的かつ骨太な論説から得られる知見は多い。読み返せば読み返すほど新たな発見が得られるという意味では、もはや「古典」の域に達したと言っても過言ではない。



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2007年09月17日

「保険税務のすべて」

保険税務の百科事典

保険税務のすべて (平成19年度版)保険税務のすべて (平成19年度版)
榊原 正則

新日本保険新聞社 2007-07-21
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タイトルの通り、保険税務に関わるあらゆる事項を体系的・包括的に収録した一冊。トピックの中心は生命保険だが、1300ページ強にも及ぶ電話帳サイズなだけに、企業年金や個人年金の税制に関する記述も充実しており、他の類書の追随を許さない。保険会社の経理・税金担当者ならば必ずや傍らに置いているという業界人必携の書。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/2/7): 「個人年金税務ハンドブック」



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2007年06月20日

「生命保険の法務と実務」

生命保険の教科書兼百科事典

生命保険の法務と実務生命保険の法務と実務
日本生命保険生命保険研究会

金融財政事情研究会 2004-10
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金融財政事情研究会(きんざい)「法務と実務」シリーズといえば、金融業に関するあらゆるトピックをこれでもかと網羅した圧倒的な分量と価格でその存在感を示しているが、その生命保険バージョンが本書。その700ページを超える分厚さに違わず、生命保険に関するあらゆるトピックが網羅されており、まさに生命保険の百科事典といった様相。業界の定番書として名高い「生命保険講座」(生命保険協会)は業界人以外には入手困難なだけに、その代替としても最適。なお百科事典なので通読には不向きである旨付記しておく。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/10/12): 「生命保険講座」
The企業年金BLOG(2011/3/27): 「生命保険の法務と実務」(改訂版)



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2006年12月01日

「銀行窓販のための保険販売に強くなる本」

窓販特化本に非ず、あくまでも商品解説書

銀行窓販のための保険販売に強くなる本銀行窓販のための保険販売に強くなる本
―生保・損保・簡保・共済のアドバイスのポイント―

赤堀 勝彦

金融ブックス 2004-11
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「どうせ銀行窓販が解禁されたってんで出した便乗本だろ?」とタカをくくっていたのだが、意外や意外、生保・損保商品の解説書としては良く整理されている。それもそのはず、本書は同じ著者による「保険のしくみがわかる本」の改訂版的な位置付けで、旧版に「保険窓販」「コンプライアンス」の章を追加した構成(そういう意味では「便乗」との指摘はあながち的外れでもない)。また、この種の書籍にしては簡保・共済(JA共済・全労済など)に関する解説が手厚いのが特徴。本書を読んで窓口での販売実績が伸びるかはともかく、商品知識の整理には有用。なお文体は無味乾燥なため、通読するよりは辞書的に参照する使い方がベターかも。



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2006年10月14日

「生命保険入門」

体系的・学術的に生命保険を学べる入門書

生命保険入門生命保険入門
出口 治明

岩波書店 2004-06
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生命保険に関する入門用教科書というと「生命保険新実務講座」(有斐閣)「生命保険講座」(生命保険協会)がまず思い浮かぶが、前者は刊行からかなりの年数が経っており、後者は業界人向けで入手が困難であるなど、ファーストチョイスとしてはいまいち決め手に欠ける。一方で、消費者向けのムック本の類は雨後のタケノコの如く出回っているものの、生命保険を体系的かつ真面目に学ぼうとする向きには物足りないことこの上ない。
そんな中刊行されたのが本書。業界のオピニオンリーダー(の1人)による著作だけに、生命保険に関する一連のトピックをつぶさに押さえており、教科書としての完成度は高い。それでいて、決して業界寄りの姿勢ではなく時には苦言を呈するあたりに、著者の保険に対する想いと公正さが感じられる。もっとも(生保と競合関係にある)簡保に対する弁舌はやや荒いけど(笑)。巻末の参考文献紹介も初学者にとっては有用。



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2006年10月12日

「生命保険講座」

業界御用達 生命保険の基本テキスト集

生命保険講座生命保険講座(全8冊)

生命保険協会

生命保険の業界団体である生命保険協会が業界人向けに開催している「生命保険講座」のテキスト(8分冊)。およそ生保業界に携わる者ならば必ずや一度は目を通した事があるはず。研修用テキストだけあって、生命保険に関する全てのトピックが体系的に網羅されており、生命保険を実務的・学術的に学ぶには最適な構成。惜しむらくは、業界向けであるため一般人が入手するのは非常に困難なのが玉に瑕。一般にも販売すればいいのに。
なお全8冊のラインナップと当BLOG管理人の雑感は以下の通り。

「生命保険総論」
 以下7冊のダイジェスト版。業界の概要を一掴みするのに最適。
「生命保険計理」
 保険料・責任準備金の算出方法など保険数理に関する解説。
「危険選択」
 危険回避のための統計的・制度的手法について解説。
「約款と法律」
 民法・商法から保険業法・約款まで法律的なトピック中心。
「生命保険会計」
 一般の会計原則と生保特有の会計原則の2本立て。
「生命保険と営業」
 定期・終身など商品解説がメイン。営業に関する解説はただの飾り(汗)。
「生命保険と税法」
 前半3分の2は単なる税制の解説。残り3分の1だけ読んどけ。
「資産の運用」
 生保運用の歴史や諸外国の状況に関する記述が手厚い。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/6/20): 「生命保険の法務と実務」
(↑市販本だが「生命保険講座」の代替に最適)



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2006年09月11日

「アクチュアリーの書いた生命保険入門」

生命保険の本質を分かり易く紐解く

アクチュアリーの書いた生命保険入門アクチュアリーの書いた生命保険入門
坂本 嘉輝

績文堂出版 2003-07
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生命保険関係の書籍と聞くと、「保険契約見直しムック本」か、「保険会社への怨み骨髄暴露本」といったパターンが殆どで、保険の意義や役割を真正面から説いてくれる書籍にはなかなかお目にかかれないのが実情である。そんな中、保険数理の専門家であるアクチュアリーが一般人に向けて書いたのが本書。公平・公正な情報を分かり易く伝えようとする著者の意気込みが感じられ、実際本当に分かり易い。保険に加入する前には必ず目を通しておきたい一冊である。
また本書は、生保のオバチャンやファイナンシャル・プランナー(FP)の力量を判断する試金石としても有用。本書のレベル以下の回答すらままならない営業担当者には、速やかにお引き取り願った方が賢明であろう。



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