2008年08月27日

ネガティブな内容でなければ一面は飾れない!?

上場企業 年金積み立て不足額3.6倍 5年ぶり増 (NIKKEI-NET)
上場企業の年金の積立不足額が5年ぶりに増加に転じた。2008年3月期の不足額は7兆3162億円と前の期比3.6倍になった。昨年度は日経平均株価が約28%下落し、年金運用資産の4分の1程度を占める国内株式運用が振るわなかった。企業は積み立て不足を一定期間で償却、損益計算書に計上する必要があるため、将来、業績への負担が膨らむ可能性がある。
(2008/8/27 日経朝刊 1面)

そりゃ退職給付会計は時価評価が原則なのだから、運用環境が良ければ積立不足は減るし、逆に運用環境が悪ければ積立不足は増える。至極当たり前の事象であって、一喜一憂するほどの事ではない。しかし、退職給付会計に関する日本経済新聞の報道姿勢には疑問が多い。同トピックにおける直近3年間の報道記事を見れば一目瞭然↓

 ・2008年8月27日 (朝刊1面)「年金積み立て不足額3.6倍 5年ぶり増」
 ・2007年9月19日 (朝刊17面)「企業の年金積み立て改善」
 ・2006年9月8日 (朝刊17面)「年金積み立て不足 7割減」


ご覧の通り、昨年および一昨年のような運用環境が良好な時はベタ記事扱いで、今回のような悪い数値が出たときに限って一面で大々的に取り扱っている。しかも掲載時期も微妙に早める用意周到さ。単に数値の大小で一喜一憂する様は、とても日本を代表する経済専門紙の所業には非ず。こんなトンマな記事でも、日経の一面だというだけで真に受ける輩は多いだけに尚更始末が悪い。社労士やFPなどの専門家ですら例外ではない(ココとかココとか)。

あげくに、積立不足増加を受けて「確定拠出年金(日本版401k)への移行が加速しそうだ」ときたもんだ(苦笑)。移行させたくてしょうがないのは日経新聞だろうが。既に当BLOGでは何度も言及しているが、そんなに恣意的な報道をしてまでDCを広めたいのならば、まずは日経新聞自らが日本経済新聞厚生年金基金を解散してDCに移行するべきだろう。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2008/5/23): 金融のプロ(苦笑)ですら自身の老後準備には無頓着
The企業年金BLOG(2007/8/8): 確定拠出年金は隗より始めよ!?






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2008年08月19日

公的年金の資産運用に関する論点整理

運用益か、安定か 年金の積立金140兆円 (asahi.com)
公的年金の積立金140兆円は年金給付の貴重な財源だ。運用益が上がれば将来受け取る年金は増える。現在は国債が中心だが、「株式や海外投資を増やし、より高い収益を目指すべきだ」と、見直しを求める声が強まっている。どのような方法が望ましいのだろうか。(太田啓之)
(2008/8/19 朝日朝刊 3面)

本日の朝日新聞朝刊に掲載された上記の記事は、公的年金のみならず企業年金の資産運用を考える上でも「最低限これ位は押さえとけ」的なトピックが凝縮された良質な記事であった。主な特記事項は以下のとおり。

◆昨年度(07年度)は赤字だったが、累積ではまだ7兆円以上の黒字
◆運用環境が悪いと「リスクを取るな!」と叱られる(汗)
◆運用環境が良いと「もっとリスクを取れ!」とやはり叱られる(大汗)
◆優秀な専門家を揃えれば何とかなると思っているおめでたい有識者がいる
◆資産規模が巨額過ぎると機動的な運用は困難
◆さりとて小規模に分割しても余計な手数料がかかるだけ
◆国債を保有していれば安全というわけではない(インフレ等のリスク)


とりわけ、「資産規模が巨額過ぎると機動的な運用は困難」という点は、資産運用業界と世間一般とのギャップが最も大きいポイントである。GPIFが赤字を出した時にしか大騒ぎしない連中は、せめて本記事に目を通した上でものを言わないと、とんだ恥を晒すことになるので要注意。
それにしても、惜しむらくは本記事が未だ(8月19日22時現在)asahi.comに掲載されていないこと。こうした良質な記事こそ広く世に問うべきであるのに、理解に苦しむ。


<参考書籍>
The企業年金BLOG(2006/3/16): 「年金2008年問題」
年金2008年問題年金2008年問題―市場を歪める巨大資金
玉木 伸介

日本経済新聞社 2004-08
売り上げランキング : 254,568
おすすめ平均


The企業年金BLOG(2008/1/15): 「敗者のゲーム」
敗者のゲーム(新版)敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか
チャールズ・エリス

日本経済新聞社 2003-12-04
売り上げランキング : 4,073
おすすめ平均


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2008/7/7): 成績不振を逆手にSWF阻止!?
The企業年金BLOG(2008/5/29): プロは「雇う」ものではなく「委託」するもの
The企業年金BLOG(2007/8/1): これぞ分散投資の威力!?
  運用益か、安定か 年金の積立金140兆円 (記事全文)



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2008年08月11日

「分割受取」が最新トレンドだって!?

知ってるようで知らない退職金の最新事情とは? (R25.jp)
最近、株主総会で役員退職金が廃止される企業が増えているというニュースをしばしば見かける。もしかして僕らの退職金もそのうちなくなったりして…なんて、ちょっと不安になり、退職金の現状を調べてみた。(中略)
(『R25』 2008/7/10 第199号)

R25のようなフリーペーパーで退職金が話題に上るとは珍しかったので目を通してみたのだが、このインタビューに答えている大学教授のコメントがどうにも的外れでいただけない。
(前略)「従業員の退職金は、企業が退職金制度を設けていれば、懲戒免職のとき以外、基本的には支払われます。しかし退職金制度の規定は全般的に見直される傾向にあり、従業員の退職金制度も、退職時にまとめて"一時退職金"として受け取るか、退職後に"企業年金"として分割で受け取るか、選択できる会社が増えています」(東京大学社会科学研究所・仁田道夫教授)(後略)
(上記記事より抜粋、太字強調は当BLOG管理人による。)

仁田教授は「企業年金として分割受取を選択できる企業が増えている」ことがあたかも最新のトレンドであるかの如く語っているが、これは見方が微妙というか一面的ではないか。2000年に入って以降は、代行返上や適年移行の荒波を受けて企業年金はむしろ解散・廃止がクローズアップされており、分割受取の選択肢は増えているどころかむしろ収縮しているように感じるのだが。それとも、退職給与引当金制度の廃止により一時金原資を企業年金制度に移行していることを指摘しているのだろうか。でもそれは選択肢(受取方法)の拡大がそもそもの目的ではない筈。ともあれ、このコラムには違和感を覚えた次第。

なお、仁田教授のご芳名をググってみると、どうやら労使関係・労務管理が本来の専攻らしい。企業年金と隣接する学問領域ではあるが、聞きかじりの知識でモノを語ることには慎重でありたいものだ(汗)。



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2008年07月07日

成績不振を逆手にSWF阻止!?

公的年金 運用マイナス6.41%に (NIKKEI-NET)
2007年度の公的年金の積立金の市場運用利回りがマイナス6.41%と5年ぶりにマイナスになったことが3日分かった。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を背景に、国内外の株安が直撃。運用損失は5兆8,000億円に達した。運用低迷が長引けば、将来の国民負担につながりかねない。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が4日午後に発表する。
(2008/7/4 日経朝刊 5面)

本件については、相場なんて上下して当然なんだからいちいち騒ぐな!」「累積黒字はまだ7兆4,000億円以上もありますが何か?」「市場ベンチマークを上回っているかどうかで判断しろ」等々、マスメディアやブロガー諸氏に対して言いたいことは山ほどあるが、連中にはおそらく何を言っても馬の耳に念仏。特にブロガー諸氏は、普段は「マスコミに振り回されない自律したオレ様」を自負しているくせに、こういうときはマスコミ報道を鵜呑みに騒ぐ始末(当BLOGにもこんな的外れなコメントが寄せられた)。こうした手合いは、おそらく今回の業務概況書には目すら通していまい。自身を賢者と思い込んでいる馬鹿ほど始末が悪いものはない(苦笑)。

さて当BLOG管理人が今回の報道でむしろ気になったのは、年度業務概況の公表時期。例年だと毎年7月下旬頃に公表されるのだが(2007年は31日発表、2006年は20日発表)、今回は7月第1週に公表という手際の良さ。しかも、5年ぶりかつ過去最高の大赤字というネガティブな内容なだけに、尚更不可解・・・と思いきや、前日にこんなニュースが↓


日本版政府系ファンド 自民チーム、中間報告まとめる (NIKKEI-NET)
日本版の政府系ファンド(SWF)創設を目指す自民党国家戦略本部の「SWF検討プロジェクトチーム」(座長・山本有二前金融担当相)は3日午前の会合で中間報告をまとめた。公的年金基金の一部にあたる約10兆円を運用の原資として切り離し、外国人を含む運用のプロが高い利回りの確保を目指すという内容を確認した。
(2008/7/3 日経夕刊 2面)

・・・もしかして、大赤字を逆手にとって「やはり積極投資はリスクが大きい→SWFなぞ100年早いわ!」という世論形成を狙ったSWF撲滅作戦だったりして!?(汗)


※参考資料:2007年度業務概況所(GPIF) (←pdfファイル)

※見識のあるサイト一覧
http://taki.air-nifty.com/fukumenkamen/2008/07/post_a848.html
http://otsu.seesaa.net/article/102326117.html
http://fund.jugem.jp/?eid=720

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2008/5/29): プロは「雇う」ものではなく「委託」するもの
The企業年金BLOG(2007/12/9): 赤字のときだけ大騒ぎ2
The企業年金BLOG(2007/8/1): これぞ分散投資の威力!?
The企業年金BLOG(2006/9/6): 赤字のときだけ大騒ぎ



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2008年05月29日

プロは「雇う」ものではなく「委託」するもの

公的年金運用 プロに (asahi.com)
経財会議 民間議員提案へ
制約が多く低い利回りに甘んじている公的年金150兆円の運用を、一流のプロに任せて効率化しよう――。政府の経済財政諮問会議の民間議員は23日の会合で、こんな提言をする。舛添厚生労働相も運用利回り向上には前向きの発言をしており、議論の行方が注目される。
(2008/5/22 朝日朝刊 7面)

数年前のマイナス運用時には「株なんかで年金を運用するな!」とヒステリックに叫んでいた連中(マスコミ、財界、学者等)が、今度は「運用のプロを雇って利回りを上げろ!」ですか(苦笑)。
日本の公的年金の運用利回りが低いというが、これは、前述の株式運用批判を受けて、利回りは低いが価格変動リスクも低い国内債券のウエイトを増やした結果である。リターンの高低を単純比較するのではなく、リスクに見合ったリターンが得られているかどうかで判断するというのは、投資理論の基礎のキなのだが。
また、運用のプロ(苦笑)というのも、そもそも何を以ってプロと定義しているのかが記事からは伺えず、単なる思いつき発言の域を出ていない。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が管理している運用資産(財投債含む)総額114兆円の内訳を見ると、自家運用(インハウス)で管理・運用を行っているのは国内債券パッシブファンドや財投債ファンドなど約36兆円(全体の30%)に過ぎず、残り70%は民間運用機関(信託銀行、投資顧問会社等)へ運用を委託している。つまり、運用のプロを高報酬で雇わずとも、業務委託という形で運用のプロを既に活用しているのだ(この中に"本物"がどの程度いるのかという問題はさておき)。
※資料:平成18年度業務概況書(pdfファイル)pp.76-77

運用の効率化は確かに喫緊の課題ではあるが、上記の現実すら踏まえず、「プロを雇えば全て解決!」と小学生レベルの幻想を振り撒くマスメディアや民間議員こそプロとしての知識・見識が欠如している(汗)。

なお本件の報道については、(株)日本生活設計(旧:企業年金研究所)のブログで的確な批判が為されている(ココとかココとか)。ここの社長は「役人に運用させるくらいなら国内債券のウエイトを90%超に引上げろ!」という徹底したアンチ厚労省派だけに、今回の報道についても惰性で役所叩きに回ると思っていたが、意外な反応であった。



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2008年05月23日

金融のプロ(苦笑)ですら自身の老後準備には無頓着

少々古い記事で恐縮だが、確定拠出年金(DC)の投資教育に関わる衝撃的な記述を発見してしまったので、敢えて取り上げることとする。

年金のイロハ(下)企業年金にも目配りを
企業に勤めている人ならば「厚生年金基金」や「確定拠出年金」といった企業年金にも加入している人が多いだろう。これらは国民年金や厚生年金に上乗せされる「三階部分」で、こちらにも目配りが必要だ。年金の基本的な仕組み第三弾は、種類が多く仕組みも複雑な「企業年金」について解説する。
(2008/05/11 日経朝刊 17面)

一読すると、週末の日経によくある何の変哲もないマネー解説記事なのだが・・・

(中略)もっとも積極的に運用する人は少数派で、多くは元本保証型商品を選ぶ傾向がある。加入者が投資先を選ばないと、自動的に預金として運用する設定の会社が多いのも一因だ。だが現在のように金利が低い状況では、預金だけで従来の確定給付型を上回る利回りを確保するのは難しい。
そのため確定拠出年金を採用した企業にとっては、社員に運用技術を身に付けさせることが課題。社員全員が同年金に加入する野村総合研究所は08年4月、何も選ばないと、株式と債券の両方を組み入れた「バランス型ファンド」に投資先が自動でなるような設定に変えた。「運用について考えてもらう機会をつくるのが狙い」(同社)だ。

・・・( ゚д゚)ポカーン

これが、DCの導入当時(2001年)に「これからは自己責任だ!」と旗を振り、当時の日本証券業厚生年金基金からグループ丸ごと脱退してみせた、自称金融プロ集団(苦笑)の成れの果てである(汗)。そんなにお任せ運用が好きならば、元居た基金に帰ればぁ!? と毒づきたいところだが、証券業基金は当時の三大証券グループ大量脱退の煽りを受け、2005年3月に敢えなく解散。余談だが、証券業基金といえばかつては総合型基金だけでなく日本の厚生年金基金のオピニオンリーダー的な存在だっただけに、解散時は業界でも話題になったものだ。いずれにせよ、(野村総研は実質的にはシステム会社だが)証券マンの長期的視野の欠落ぶりを裏付けるエピソードがまた一つ増えた。
なお、本件を嬉々として取り上げる日経新聞は、401k導入を煽る一方で自身は厚生年金基金をひっそりと運営していたりする。株屋と株式新聞は同じ穴の狢だと思っていたが、社員の退職給付に限って言えば、日経の方がより狡猾かも(汗)。


<今回のまとめ>
@野村證券グループの一角を担う野村総研の社員ですら、自身の
  老後準備のための資産運用には無頓着。
Aそれを恥じ入るどころか、「新しいチャレンジでござい」とばかりに
  マスメディアに公開してしまう厚顔さ(汗)。



<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2008/2/26): DCファンド教育アカデミーを観覧
The企業年金BLOG(2007/12/1): 自己責任原則の敗北を意味するDCの「自動化」
The企業年金BLOG(2007/8/8): 確定拠出年金は隗より始めよ!?
The企業年金BLOG(2006/11/17): DC運用は「自己責任」から「委託責任」へ?
The企業年金BLOG(2006/11/14): 『米国人は投資上手』なんて幻想?



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2008年04月02日

「期間の短縮」は「給付の縮減」と同義なのだが

確定拠出年金 加入期間短縮 提言へ (NIKKEI-NET)
諮問会議民間議員 株式市場活性化狙う
政府の経済財政諮問会議の民間議員は1日の会合で、株式市場の活性化策を提言する。個人による投資を活発にするため、確定拠出年金(日本版401k)で60歳から年金をもらうのに必要な10年間の加入期間を撤廃か短縮するよう求める。株式を長期保有する場合に適用する税制の優遇措置など、国内の株式市場に家計の資金が流れる仕組み作りを要望する。
(2008/4/1 日経朝刊 5面)

新年度早々、エイプリル・フールかと見紛うトホホな記事を目にしてしまった。確定拠出年金の加入期間の撤廃・短縮が個人投資を活性化させるというロジックは、つまるところ短期売買の推奨でしかない。その一方で、舌の根も乾かぬうちに「長期保有する場合は税制優遇」とくるのだから恐れ入る。短期売買か長期保有かどっちやねん。こんな相反する矛盾した内容を孕んだ提言など、相手にするだけ時間の無駄。良い子は決して相手にしてはいけません(笑)。
なお、私的年金においては、加入期間と年金額は比例するのが常識。株価が上がったところで、老後の所得原資が枯渇するのでは本末転倒もいいところ。また、このような低レベルの提言を諌めるどころか、株価上昇・401k普及の抜本策とばかりに持ち上げる日経新聞の程度もたかが知れ(汗)。



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2008年03月25日

ガソリン値下げの代わりに特別法人税が復活!?

暫定税率:期限切れ目前(1) 暮らし混乱必至 (毎日jp)
租税特別措置法改正案に盛り込まれた揮発油(ガソリン)税など暫定税率の期限切れまで残り1週間に迫った。与党は24日も打開を模索したが、民主党に修正協議を突っぱねられ、年度内成立の見通しは立たない。このまま「ガソリン値下げ」に追い込まれれば、国や地方財政への波及は必至だ。4月末に可能となる衆院での再可決も容易ではなく、政府・与党は苦しい立場に追い込まれつつある。与野党協議の行方や、国民生活への影響を探った。
(2008/3/25 毎日朝刊)

「ガソリン25円値下げ」だの「ガソリン値下げ隊」だのという民主党のポピュリズム溢れるフレーズが虚しく響く昨今の暫定税率問題。ガソリン税ばかりが注目されているが、全ての暫定税率が切られた場合、ガソリン以外にも国民生活に影響が及ぶものが多い(下図参照)。

zantei-zeiritsu.jpg (出典:毎日新聞Webサイト)


ところでこの暫定税率問題だが、実は企業年金にとっても対岸の火事では済まされない。国会での審議が現在ストップしている租税特別措置法改正案だが、実はこの法案には、2008年度の税制改正大綱で決定された特別法人税(退職年金等積立金に対する法人税)の課税停止措置の延長規定もひっそりと盛り込まれている。つまり、当該法案が年度末までに可決されないと、法律上は特別法人税が復活(正確には「凍結解除」)することとなる。まあ、法案成立が次年度に持ち越しとなったとしても遡及適用で凌ぐとは思うが、少なくとも、企業年金関係者は「ガソリン値下げだワーイ」などと浮かれている場合ではないことは確か。


<関連資料>
所得税法等の一部を改正する法律案要綱(財務省) (pdfファイル)
 (↑上記8.(9)B(18ページ下段)参照)

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/6/28): 特別法人税に関するQ&A
The企業年金BLOG(2007/9/3): 財形給付金・財形基金にも課税される特別法人税



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2008年01月25日

「自分の職歴ぐらい覚えてろ」というのは酷な注文かね?

ねんきん特別便、70万通を再送付 厚労相方針 (NIKKEI-NET)
舛添要一厚生労働相は22日、誰のものか分からない「宙に浮く年金記録」の持ち主とみられる人に送る「ねんきん特別便」の内容を全面的に見直し、送付済みの約70万通はすべて送り直す方針を明らかにした。社会保険庁は記録漏れの可能性が高い人を優先して特別便を送っている。だが書類を見ても自分の年金記録漏れに気づかない事例が多発しているため。
(2008/1/23 日経朝刊 5面)

2004年改正法で、公的年金の加入履歴通知サービスとして「ねんきん定期便」が導入されたが、それとは別に、年金記録漏れ対策として導入されたのが今回話題の「ねんきん特別便」である。しかし、ねんきん特別便を受け取った者の多くが「訂正なし」と回答していることが問題視されているという。マスコミは例によって結果論でしか批判していないが、記事を続けて読むと、何とも言えない違和感が漂う↓

特別便にはどんな年金記録が漏れているのかは書かれていない。全国の社会保険事務所などに問い合わせても勤務先などが分かるヒントを教えない仕組みになっていた。不正受給を防ぐためだが、特別便を受け取った人は自分の過去の勤務先などを正確に思い出さない限り、「宙に浮く年金記録」は自分の年金記録にならない。
(前掲記事より抜粋。太字は当BLOG管理人の強調。)

「どんな年金記録が漏れているのかは書かれていない」
「過去の勤務先などを正確に思い出さない限り自分の年金記録にならない」

・・・至極真っ当な措置だと思うが何か?

確かに、これまでの社会保険庁の数々の不手際は非難されても致し方ない。しかし、誰のものとも分からない記録まで開示せよと言うのは、情報漏洩を推奨しているのと同じ。これで「なりすまし」が横行したら、マスコミは責任を取るのか? いや、おそらく情報漏洩の片棒を担いだことを棚に上げて「またしても社保庁が!」と責任転嫁するに決まっている。まあ、それぐらい厚顔無恥なのがマスコミのマスコミたる所以か(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/9/10): 問題は申請主義ではなく周知の不徹底だ



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2007年12月15日

単なる「金持ち優遇税制」要望は通用しない

401kは「ゼロ回答」 特法税凍結3年延長 税制改正大綱 (jijicom)
13日公表された与党の2008年度税制改正大綱で、企業年金税制の改正要望に関する検討結果が分かった。運用実績に応じて将来の給付額が変動する確定拠出年金(日本版401k)の見直しについて、大綱は従業員負担で掛け金を上乗せする「本人拠出」解禁などの要望をすべて見送った。
一方、年金積立金に課税する「特別法人税(特法税)」については、今年度で凍結の期限が切れた後も3年間、凍結を延長することが認められた。
(2007/12/13 時事通信)

企業年金に関する税制改正要望でよく話題に上るのが「確定拠出年金(DC)の税制優遇の拡大」「特別法人税の廃止」だが、今回公表された与党の税制改正大綱ではそのどちらも叶わず、現状維持となった。
とりわけDC関連では、「拠出限度額の引上げ」「本人拠出(いわゆるマッチング拠出)の解禁」など例年にない力の入れようだったが、あえなく長期検討事項(という名の先送り)に。DC業界関係者の嘆きが聞こえてくるようで、当BLOG管理人にとっては実に心地良い(笑)。

よく「月額4万6千円の拠出限度額は低い」と言われるが、果たして本当だろうか。4万6千円とはいえ、30年間掛ければ1656万円(4万6千円×12月×30年)、40年間では2208万円もの貯蓄が可能だ。拠出限度額を引上げたところで、その恩恵を享受するのは(多額の拠出が可能な)高額所得者のみである。それに、企業型では限度額いっぱいまで掛けている人間が加入者全体の5%にも満たない状態(←出典:コチラの2ページ)な上に、企業拠出でカバーできない分を「マッチング」だのと称して加入者に自腹切らせようってところに、業界および企業サイドの本音が見え隠れする。
このように、特定の高所得者・高収益企業のみを利するような税制改正は、わが国では到底容認されない(そういう意味での良心は、意外にもわが国には根強く残っている)。DC関連の税制優遇要望が一向に認められないのは、その点への配慮が著しく欠けているからである。そもそも、終身給付すら義務付けられていない制度を他の金融商品よりも税制優遇しなければならない理由って何だろうね?


<関連資料>
平成20年度税制改正大綱・予算編成大綱・予算重要政策(自民党)
平成20年度税制改正の概要(厚生労働省)



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2007年12月09日

赤字の時だけ大騒ぎ2

公的年金の市場運用利回り、7―9月期はマイナス1.8% (NIKKEI-NET)
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(年金運用法人)が5日発表した2007年7―9月期の市場運用実績によると、運用利回りは1.80%のマイナスで、1兆6328億円の損失が発生した。運用利回りがマイナスとなったのは06年4―6月期以来、5四半期ぶり。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響で、株安や円高が進んだことが主因だ。
(2007/12/6 日経朝刊 5面)

2006年度は3兆7千億円の黒字を叩き出した年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)だが、2007年7-9月期は運用利回りがマイナス1.80%と5四半期ぶりの赤字となった。今回の報道を受けて、例によってWebの世界では「役人にギャンブルをさせるな!」(注:厳密には役人じゃないんだけどねw)と怒り心頭のブログが散見されるが、はて、GPIFの成績は言われるほど酷いものなのだろうか? つうことで、過去の四半期ごとの運用収益を以下にプロットしてみた。

  年  四半期  運用収益(億円)
 2002 4-6   ▲8,343
      7-9  ▲11,768
      10-12 ▲1,419
 2003 1-3   ▲4,347
      4-6    20,855
      7-9     3,597
      10-12  10,469
 2004 1-3    12,304
      4-6     3,900
      7-9     ▲572
      10-12   9,934
 2005 1-3    10,581
      4-6     8,591
      7-9    31,240
      10-12  34,509
 2006 1-3    12,455
      4-6   ▲20,032
      7-9    23,609
      10-12  23,795
 2007 1-3     9,032
      4-6    23,752
      7-9  ▲16,328


上記のデータを参照した限りでは、おおむねマーケットに準拠した動きとなっており、累計では莫大な黒字を確保している事がうかがえる。それにしても、運用が好調なときはウンともスンとも言わないくせに、低調なときに限ってギャアギャア騒ぐ輩が後を絶たないのはどうしたことか。こうした態度は、子育てて言えば長所を誉めることなく欠点ばかり指摘して悦に浸っているダメ親そのものである。マスメディアの報道を鵜呑みにしている様をわざわざネットで公言することもあるまいに(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/8/1): これぞ分散投資の威力!?
The企業年金BLOG(2006/9/6): 赤字のときだけ大騒ぎ



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2007年10月24日

規制が嫌なら税制優遇を返上すればぁ?

退職者の企業年金 NTTの減額認めず (NIKKEI-NET)
「経営悪化なし」東京地裁判決
NTTグループ67社が、退職者の企業年金減額を厚生労働省が承認しなかったのは違法として、国に処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁の定塚誠裁判長は19日、「減額がやむを得ないほどの経営悪化はない」などとしてNTT側の請求を棄却した。
法律に基づく企業年金の国の処分を巡る初の司法判断。定塚裁判長は年金を減額できる条件として「経営悪化により、企業年金を廃止するのを避けるためやむを得ない場合」との厳格な基準を示した。その上で、2004年度までの3年間、NTT東日本とNTT西日本で合計約1000億円の当期利益を継続的に計上したことを挙げ「給付減額がやむを得ないとはいえない」と結論付けた。
(2007/10/20 日経朝刊 1・5面)

NTTの確定給付企業年金を巡る訴訟については当BLOGでも何度か取り上げたが、このたび地裁レベルではNTT側が敗訴した模様。NTTが給付減額を画策した2002年当時の年金・退職金の積立不足は3兆円超と言われていたが、直近の財務諸表(←81ページ参照)を見ると積立不足(未払退職年金費用)は1兆5000億円にまで減少しており、こうした環境の変化も作用したように思う。

ところで、本件について「一民間企業の労使合意に行政がいちいち介入するな」とする見解が散見される(ココとか)。確かに一面的には正しい指摘である。かくいう当BLOG管理人もかつてはそんなふうに考えていた時期があった。しかし、税制優遇を伴わない社内預金制度や自社年金制度ならそうした理屈も成り立つが、確定給付企業年金制度は掛金の損金算入をはじめ数々の税制優遇措置を享受していることを見過ごしてはならない。税制優遇(実質的には国から補助金を受けているのと同義)を受ける以上は、民間企業であっても公的な責任を背負わざるを得ない。年金支給のために税金を減免して貰いながら本来の目的を果たさないというのは、補助金の不正受給と同じである。給付減額の要件が厳格なのは、受給権保護も然ることながら、税制優遇の不正利用を防ぐためでもある。

それに対して「年金制度のために企業が潰れたら元も子もないではないか」という反論が予想される。しかし、企業年金は借入金や社債と同様、後日他人に対して支払うべき債務(他人資本)である。契約社会で「借入金返済のために企業が潰れたら元も子もない」「社債の利払いのために企業が潰れたら元も子もない」という抗弁が通用する筈もないのに、企業年金に限ってそれを認めろというのは珍妙な話だ。契約変更の自由とは、後出しジャンケンまで容認するものではあるまい。

それでも「労使の好きにさせろ」「行政は口を挟むな」と言うのなら、税制優遇とは無縁な社内預金制度・自社年金制度に移行すれば良い。これらの設立・廃止はそれこそ企業の自由だし、行政からも余計な介入はされまい。規制されたくないが税制優遇は欲しいというのは企業のエゴに過ぎない。まあ、本件については企業にも受給者にもどちらにも与するつもりはないので、あとは当事者同士で勝手にやってくれ(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2010/6/14): NTT企業年金減額訴訟が結審したわけだが
The企業年金BLOG(2006/5/6): 企業年金減額、NTTが行政提訴
The企業年金BLOG(2006/2/23): NTTの年金減額、厚労省認めず



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2007年10月09日

法令に精通してなくても「ミスター年金」ですかそうですか

「ミスター年金」長妻氏、舛添厚労相は「お役所の答弁」 (asahi.com)
民主党の「ミスター年金」、長妻昭氏が9日の衆院予算委員会で、舛添厚生労働相と初対決した。たたみ掛けるように詰める長妻氏に対し、対話路線を打ち出す福田政権の看板閣僚である舛添氏は、丁寧な答弁を重ねた。ただ、内容は「安全運転」路線で、長妻氏は委員会後、「大臣になった途端に普通の大臣になったな、と。お役所の答弁で、もう少し枠をはみ出して欲しかった」と記者団に語った。一方の舛添氏は「公務がある」として、委員会直後の取材には応じなかった。

国会議員なら、立法をしろ立法を。

瑣末な批判・質問ばかり繰り返して、その内容を法案提出などで反映しようとしない輩のどこが「ミスター年金」なのだろうか。例えるなら、井筒監督を「ミスター映画」、田中眞紀子を「ミセス政治」と称するくらい的外れというもの(汗)。現在の長妻議員ミスター年金ではなくミスター年金不祥事発掘人でしかない。真にミスター年金を目指すならば、まずは国民年金法・厚生年金保険法の条文・政省令の精読から始めていただきたい。それが出来ないなら、潔く議員バッジを外すべき。国会議員の本分は立法であってジャーナリストの真似事ではない筈。


※そんな長妻議員へのオススメ書籍

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2007年09月10日

問題は申請主義ではなく周知の不徹底だ

企業年金未払い 「申請主義」を盾にした怠慢だ (YOMIURI ONLINE)
またしても、年金制度の信頼を損なう出来事である。
厚生年金基金を持つ企業の中途退職者などを対象に業務を行う「企業年金連合会」が、受給資格者124万人に対して、計1544億円の年金を未払いのままにしていることがわかった。
企業年金連合会は、理由を「本人の請求がないから」としている。社会保険庁と同様、「申請主義」を盾にした言い逃れに過ぎない。60歳以上の受給対象者400万人のうちの、実に3分の1が請求していないのが現状だ。権利を知らせ、請求を促す業務に怠慢があったということだろう。
(2007/9/7 読売朝刊)

社会保険庁の年金記録問題が、とうとう企業年金にも飛び火した。企業年金連合会(旧厚生年金基金連合会)は10〜15年未満の短期で企業年金を脱退した者(中途脱退者)に対して年金支給を行う組織だが、こうした中途脱退者は、勤続期間が短くなればなるほど転居・転職を繰り返す傾向にあるので、住所の把握が困難となるのは致し方ないところ。まあ、今回の騒動で「年金請求もれを許すな!」という大義名分は立ったので、対策のための予算・人員の確保は容易になるであろう。また連合会の積立不足が解消した後だったことも不幸中の幸い。むしろ良い機会なのでは。

ところで、大多数のマスコミはいわゆる「申請主義」を目の敵にしている。これまでにも生損保の不払い問題や、公的年金の記録漏れ問題でも同様の主張を展開しているが、とあるサービスを享受するために利用者がサービス提供元に対して申請を行うのは当然である。宅配ピザだって電話しなければ届けてはくれないし、新聞だって購読申込をしなければ配達されない。申請主義に係る昨今のマスメディアの論調は「購読申込者か否かに関わらず新聞を配達しまくれ」と言っているようなもの。これを年金でやると過誤払いや年金着服が頻発するのは必至。問題は申請主義そのものではなく申請を呼びかけずに放置してきた事にある。そのへんを混同してはいけない。


【追記】それでもなお「申請主義はケシカラン」とのたまう方々へ
申請せずとも年金が支払われるという夢のような方法は無い訳ではない。それはズバリ、国民総背番号制の導入である。とりあえず氏名・性別・生年月日・住所・基礎年金番号の5項目が管理されていれば、理論上は不可能ではない。しかし申請主義を攻撃する輩に限って、管理社会反対だの情報統制社会反対だのとうるさいからねえ(苦笑)。蕎麦屋に出前を注文する時に、自分の住所・氏名を告げるだろ普通? 年金もまた然り。いいかげんに「利便性とプライバシーは両立しない」という現実を直視すべき。



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2007年08月08日

確定拠出年金は隗より始めよ!?

大手金融機関 ばらつく401k導入 (日経金融新聞)
導入企業数が9千社に迫り、本格普及し始めた確定拠出年金制度(日本版401k)。メガバンクや信託、証券、保険など大手金融機関は「確定拠出年金は成長ビジネス」と位置づけ、制度の運営受託や運用商品の提供を競い合う。ところが取引先に導入を薦めながら、自らは新制度に二の足を踏んでいる金融機関もあり、対応は割れている。
(2007/8/8 日経金融新聞 3面)

紙面では確定拠出年金(DC)マンセー!を声高に叫んでおきながら、自らは厚生年金基金で安定運用している新聞社にだけは言われたくない。
以上、今週の「お前が言うな」コーナーでした(汗)。


※参考資料
企業年金連合会会員名簿(pdfファイル) ←会員番号1771を参照
 
 大手金融機関 ばらつく401k導入 (記事全文)



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2007年08月01日

これぞ分散投資の威力!?

公的年金運用、4年連続で黒字 06年度、累積10兆円超す (NIKKEI-NET)
厚生年金と国民年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人は31日、2006年度の資産運用状況を発表した。市場運用などによる収益は3兆7608億円で、前身の「年金資金運用基金」(05年度末で解散)から4連続で黒字を達成した。ユーロ高などで外国株式の運用が好調だったのが主因。この結果、累積黒字は初めて10兆円を超えた。
(2007/8/1 日経朝刊 4面)

公的年金の資産運用を司る年金積立金管理運用独立行政法人年金積立金(GPIF)の前年度の資産運用状況が発表された。昨年12月にはライブドアへの損害賠償提訴で失笑を買ったものの、トータルでは3兆7千億円の黒字を確保した次第。
ところで、よくライブドアの件を以って「GPIFの運用能力に疑問符」云々と脊髄反射するブロク(ココとかココとか)が散見されるが、何とも短絡的な思考である。保有銘柄の幾つかが紙屑と化してもトータルで黒字を確保できているというのは、逆に考えるとまさに分散投資効果が効いている証左である。今後も相場変動や外野の声に惑わされる事なく、一喜一憂せず分散投資に励んで欲しいものである。

未だに「投資=デイトレード」の感覚で年金運用を語る輩が後を絶たない(全国紙の記者ですら)ので補足しておくと、年金運用とは、信託銀行や投資顧問会社などの運用機関に委託する「委託運用」が主流である。つまり年金基金の役割は鵜飼いでいえば「鵜匠」のようなもの。魚をより多く捕まえられる優秀な鵜(運用機関)の発掘・管理が主な仕事であって、鵜匠自らが魚を捕まえに川に飛び込むことはしないのと同じ。ましてや特定銘柄の全力買いを指示することはまずない(表向きは)。



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2007年07月27日

年金もゴルフも虚偽申請がスタンダード!?

民主党・さくらパパ 年金履歴の虚偽申請を「奨励」 (KOCHI-MINPO ONLINE)
参議院全国比例区選挙に民主党公認で立候補している「さくらパパ」こと横峰良郎氏が、年金納付履歴の確認時に虚偽の申請を奨励する発言を行いました。
この発言は7月21日夜、高知市九反田の中央公民館で開かれた同党の武内則男・高知選挙区候補との合同個人演説会で飛び出したもので、「年金なんかみんな言えばいいんですよ。みんな65歳以上の人が言って、はい私納めてましたと、納めてなくても言ってもいいと思います。言ってもいい」と述べました。
民主党は参院選にあたって「消えた年金」を解決するために「調査の上でなお納付記録が確認できない場合でも、一方的に立証責任を被保険者・受給者に押しつけずに、申し出を前提に尊重する」(民主党年金第一次緊急補償策)という政策を掲げています。
(2007/7/21 高知民報)

もしかして本業(ゴルフ)でも過少申告してたりして・・・(汗)



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2007年07月17日

本人拠出解禁では解決しない自動移換問題

確定拠出年金、運用放棄7割増 (NIKKEI-NET)
転職で手続き忘れなど 制度周知の課題浮上
確定拠出年金(日本版401k)制度で資金を運用しながら転職などで手続きを忘れ、「運用放棄」と見なされている人が2006年度に8万638人いることがわかった。国民年金基金連合会の調べで判明したもので、前年度より7割程度増えている。公的年金の記録漏れが問題となるなかで、制度の運営がうまくいかないもうひとつの年金問題ともいえそうだ。
(2007/7/16 日経朝刊 3面)

確定拠出年金(DC)制度の特徴の一つに、転職してもDC資産を持ち運び出来るというポータビリティがあるが、これが全く機能してネーヨというのが上記の記事。持ち運び先(移換先)の選択肢は一昔前に比べると増えてはいるのだが、移換手続きは原則として加入者本人が行わねばならない。これを6ヶ月以内に行わないと国民年金基金連合会に資産が自動的に移換される。この自動移換者数が2006年度末で約8万人と、正規の個人型DC加入者数(約6万人)よりも遥かに多いのだから始末が悪い。

手続きが煩雑なのか、はてまた企業・金融機関の説明がなっていないのかは定かではないが、こんな状態で加入者拠出を解禁したらどうなることやら(汗)。金融機関や企業サイドは、拠出限度額拡大だの本人拠出解禁だのを唱えるよりも、転職者への制度説明の徹底が先決だろうに。そうした取組みすら行わずに、ひたすら「本人拠出で身銭を切らせれば自ずとDC制度への関心が高まる」と夢想するDC業界関係者を見るにつけ、どんだけぇ〜(他力本願な連中なんだか)と突っ込まずにはいられない今日この頃(汗)。



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2007年07月11日

予想通り恣意的な見出しが並んだ件

厚労省研究会、401k掛け金の個人拠出解禁を提言 (NIKKEI-NET)
厚生労働省の企業年金研究会(座長・森戸英幸上智大教授)は10日、確定拠出年金(日本版401k)の規制緩和を求める報告書をまとめた。企業が導入した401kについて、企業にしか認めていない掛け金拠出を会社員にも解禁することなどを提言した。会社員の老後の所得保障を充実し、投資意欲を高めるのが狙い。
(2007/7/11 日経朝刊 5面)

企業型401kに本人拠出解禁 制度見直しへ報告書 厚労省研究会 (jiji.com)
厚生労働省の企業年金研究会(年金局長の諮問機関)は10日、企業年金制度の見直しに関する報告書をまとめた。確定拠出年金(日本版401k)のうち、企業が掛け金を拠出する企業型401kについて、従業員負担で掛け金を上乗せする「本人拠出」を解禁することが目玉。厚労省は報告書に基づいて見直し案をまとめ、2008年度税制改正要望に盛り込む方向。早ければ来年の通常国会に関連法改正案を提出したい考えだ。
(2007/7/10 時事通信)

昨日の企業年金研究会の報告書を受けての翌日の新聞報道だが、見事に先日のエントリで予見した通りの展開に。どんだけ一直線なんだか(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/7/10): 企業年金研究会の報告書がまとまる
The企業年金BLOG(2007/7/5): 経済団体が加入者拠出にご執心なのは何故?



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2007年07月05日

経済団体が加入者拠出にご執心なのは何故?

企業型401k、掛金の個人拠出解禁 (NIKKEI-NET)
厚労省研が報告書骨子、投資意欲向上狙う
厚生労働省の企業年金研究会(座長、森戸英幸上智大教授)は26日、報告書の骨子をまとめた。企業が導入した確定拠出年金(日本版401k)で、企業にしか認められていない掛け金拠出を会社員本人にも広げることを提言する。老後の所得保障を充実させるとともに、会社員の投資意欲を高めるのが狙い。同省は7月10日に報告書をまとめる方針。
(2007/6/27 日経朝刊 5面)

企業型DCの本人(加入者)拠出解禁については以前にも勇み足報道があったが、さて今回はどうなのだろう。去る6月19日に閣議決定された「経済財政改革の基本方針2007」(pdfファイル)において「(中略)投資促進の観点から、確定拠出年金における拠出の在り方の見直しを検討する」との一文が盛り込まれたことが後押しになるのだろうか。

それにしても今回の決定にはいささか違和感を覚える。まず、加入者拠出が投資意欲向上に繋がるって、んなわけねーだろ(苦笑)。企業型DCしか話題に上がらないが、企業年金の無い会社の従業員や自営業者等が対象となる個人型DCは元より加入者拠出なわけだが、個人型DCが大盛況だという話は寡聞にして存じない。
更に、加入者サイドではなく経済団体(企業サイド)が加入者拠出を要望する理由って何!? 従業員の老後を真に憂いているならば、企業型と個人型とを問わず、まずは拠出限度枠そのものの引上げor撤廃を求めるのが筋だと思うが。これでは「あわよくば加入者に企業拠出の肩代わりをさせよう」という悪巧みと揶揄されても仕方あるまい。

念のため申し添えておくが、当BLOG管理人は決して加入者拠出解禁に反対なわけではない。自助努力支援という観点では歓迎すべき方向性だとは思う。しかし、(企業拠出だろうと加入者拠出だろうと)DC市場が拡大しさえすれば万々歳という金融機関ならともかく、いやしくも年金コンサルタントを自称するならば、「解禁マンセー」を能天気に叫ぶあまり本質を見失う愚は犯したくないものだ(戒)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/1/15): DC本人拠出解禁!・・・は『ガセ』でした
The企業年金BLOG(2007/1/11): 「中途引出し緩和」より「ポータビリティの充実」を



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