2011年04月25日

「投資インデックス・ハンドブック」増補版

投資指標(インデックス)の概要をサラッと掴むのに最適

投資インデックス・ハンドブック(増補版)投資インデックス・ハンドブック
住友信託銀行インデックス・クオンツ運用部

金融財政事情研究会 2011-03
売り上げランキング : 331,896
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国内外の株式・債券からコモディティ、クレジット、REITに至るまで代表的な投資指標(インデックス)の概要をコンパクトに収録した良書。インデックスの「算出方法」「採用銘柄」「変動の特徴」等が見開き2ページでまとめられている様は、同じ住友信託銀行が刊行している『投資家のための金融マーケット予測ハンドブック』の長所を活かしているものと思われる。うろ覚えな際にサラッと概要を把握するのに最適この上なく、手元にあると何かと重宝する一冊。
今回の増補版では、リーマン・ショック後のインデックスの変動の推移のほか、採用銘柄の変更、算出方法の調整といった直近のトピックが網羅されているものの、収録されているインデックスの数(合計88)は変わらず。前版の所持者が敢えて買い替えに走る必然性は薄い気もするが、そこは好みによる。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2009/9/26): 「投資家のための金融マーケット予測ハンドブック」第4版



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2011年04月06日

「敗者のゲーム」原著第5版

インデックス投資家のバイブル リーマン・ショック後の世相を反映

敗者のゲーム 金融危機を超えて <原著第5版>敗者のゲーム ─ 金融危機を超えて <原著第5版>
チャールズ・エリス著、 鹿毛 雄二 訳

日本経済新聞出版社 2011-02
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「運用基本政策の堅持」「長期資産配分」の意義をお節介なまでにこんこんと説く、インデックス投資家のバイブル。とはいえ、本書で述べられている「敗者のゲーム」の概念をはじめとした資産運用に関する数々の考察は、インデックス投資家のみならず、あらゆるスタイルの投資家に重要な示唆を与えてくれること必至。「表現が回りくどい」「抽象論ばっかり」etcといった批判はあるものの、資産運用を語る上で外すことのできない「古典」としての地位は依然健在である。
今回の第5版も基本的なメッセージは変わらないものの、リーマン・ショック後の世相を反映してか、「投資信託をどう選ぶ」「2008年の大暴落」「資産家のためのアドバイス」の3章が新たに加わるなど、随所に加筆修正が為されている。



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2010年01月09日

「ご隠居と熊さんの年金資産運用の極意」

上方落語で学ぶ年金資産運用「高座」

ご隠居と熊さんの年金資産運用の極意ご隠居と熊さんの年金資産運用の極意
―ナニワの名跡「こうやっ亭ぶんさん」師匠の年金運用寄席高座―

増井 克行

金融財政事情研究会 2009-12
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かつて当BLOGでも取り上げた、年金資産運用を落語で解説する意欲作「広八亭分散(こうやってぇ ぶんさん)〜師匠が落語で語る年金資産運用」が、このたびめでたく書籍化の運びとなった。掲載元の「FundManagement」は季刊誌(年4回刊行)だけに、連載開始から4年半かけての書籍化には感慨深いものがある。

物語は、ご隠居の倅(せがれ)の商店が奉公人のための企業年金制度を作ることとしたため、知り合いの熊さんに運用執行理事就任を要請するところから始まる。年金資産運用のイロハを落ちを交えつつ解説する語り口は、そもそもズブの素人に資産運用を任せようとする受託者責任違反を補って余りある絶妙さ(汗)。また、本書には連載記事の第1〜17話が収録されているが、書籍化を機に、章構成を改めたり図表等を加筆するなど、読み易さへの配慮が為されている。年金基金の資産運用担当者にとっては、実務には勿論のこと、代議員会等における報告・説明の際にも大いに参考となるであろう。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/1/17): 落語と年金資産運用のコラボレーション



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2009年08月03日

「年金資産運用の手引き」

リスク管理に軸足を置いた年金資産運用 中級者向け

年金資産運用の手引き年金資産運用の手引き

年金シニアプラン総合研究機構 2009-07
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年金制度・年金資金運用の専門研究機関が刊行した手引書。タイトルこそ「手引き」と称しているが、刊行元自ら「客観性が高く、かつ専門性という点でも優れたものとなるよう」と自負しているだけあって、中級者以上向けの歯ごたえのある内容(悪く言えば不親切)となっている。全般的には運用手法よりもリスク管理に軸足を置いた構成となっており、金融危機以降の年金資産運用を考えるうえでは時宜に適ったものと言える。なお、本書の売りの一つである「実例紹介」だが、一口コラムの域を出ておらず残念ながら期待外れ(汗)。



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2008年08月03日

「企業年金 資産運用の基礎」第3版

年金資産運用の入門書 記述が洗練

shisanunyokiso2企業年金 資産運用の基礎(第3版)

企業年金連合会 2008-06

企業年金の資産運用の入門書として定評のあった「厚生年金基金 資産運用の基礎」の5年半ぶりの改訂版。前版に比べると、章立てが全般的にスッキリし記述が洗練されたほか、「コーポレート・ガバナンス」「オルタナティブ投資」などここ5年間で新たに出てきたトピックも収録。年金資産運用について、基礎的なトピックは一通り網羅している。



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2008年01月15日

「敗者のゲーム」

資産運用を語る上で外すことのできない「古典」

敗者のゲーム(新版)敗者のゲーム(新版)
チャールズ・エリス

日本経済新聞社 2003-12
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「運用基本方針遵守」「ポートフォリオ堅持」「長期運用」の意義をお節介なまでにこんこんと説いてくれる、インデックス運用派の経典。とはいえ、本書で述べられている「敗者のゲーム」の概念をはじめとした資産運用に係る数々の考察は、インデックス運用派のみならずあらゆるスタイルの投資家に重要な示唆を与えてくれること必至。「表現が回りくどい」「抽象論ばっかり」(特に運用基本方針について)etcといった批判はあるものの、資産運用を語る上で外すことのできない「古典」としての地位は依然健在である。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2011/4/6): 「敗者のゲーム」原著第5版



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2007年05月24日

「CFA受験ガイドブック レベル1」

受験ガイドとスタディノートの豪華2本建て

CFA受験ガイドブックレベル1 第2版CFA受験ガイドブックレベル1 第2版
大野 忠士

金融財政事情研究会 2007-04
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冒頭20ページこそタイトル通りCFA試験(証券アナリストの国際版みたいなもの)のガイドブックだが、残りのページは全て出題範囲をまとめたスタディノートとなっている。このスタディノートが何とも白眉で、投資理論、財務会計、経済学のエッセンスがここまで簡潔にまとめられた書籍は、日本の証券アナリスト試験対策書ではまずお目にかかれない。専門用語はもちろん日英両文併記。外資系金融機関との付き合いが多い企業年金の資産運用担当者ならば、CFAを受験しなくとも、辞書代わりに傍らに置いておくと何かと重宝する。
なお今回の第2版では、職業倫理・職業行為基準に関する改正が手当てされるとともに、文中の例題が直近のものに入れ替わっている。



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2007年03月20日

「証券アナリストのための数学再入門」

古風な数学教師の趣(おもむき)

証券アナリストのための数学再入門証券アナリストのための数学再入門
金子 誠一

ときわ総合サービス 2004-04
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証券アナリスト試験を主催している日本証券アナリスト協会の幹部が書き下ろしただけあって、演習問題などは試験に特化した無駄のない作りとなっている。しかし本書の白眉は、一見無骨だがウィットに富んだ語り口にあると言えよう。まさに古風な数学教師の趣き。解説も、これまでの協会指定テキストの難解さ&とっつき難さに泣かされた身としては、信じられない親切丁寧さ。一介の天下り団体(失礼)が随分と思い切ったものだ。もっとも実は、近年の受験生減少(に伴う会費収入減)に泣かされているアナリスト協会による、合格率アップ(による会費収入増)策の一環だったりして!?

なお、「解説が丁寧=易しい」とは必ずしも限らないので、どうしても分からない箇所はとっとと飛ばし読みするが吉。念のため申し添えておく。



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2007年02月19日

「資産運用のカラクリ2」タブーとリスク篇

資産運用におけるリスク管理理論の隠れた入門書

資産運用のカラクリ2 タブーとリスク篇ホントは教えたくない資産運用のカラクリ2
タブーとリスク篇

安間 伸

東洋経済新報社 2004-05
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外観の胡散臭さとは裏腹に、中身は意外と硬派なことで人気を博している「資産運用のカラクリ」シリーズシリーズの第2弾。軽妙な語り口で素っ頓狂な主張をしているように見えて、実は理論的にはガチガチの正統派なのは前作と同様。
なお前作のテーマは「余計な手数料・税金は払わない」と完全に個人投資家向けの内容であったが、本作は「余計なリスクは取らない」がテーマだけに、企業年金をはじめ機関投資家の運用担当者にとっても示唆に富む内容が多い。特に第4章「資産と負債の結婚生活(ALMの話)」の内容は、年金運用で語られているデュレーション・マッチングやキャッシュフロー・マッチング、更に今風に言えばLDI(Liability Driven Investment)といったリスク管理理論のツボを見事に押さえている。それでいて読み物としての分かり易さ・面白さを損なっていないのは流石。例えるなら、神田昌典調で語る山崎元といったところか(笑)。

※著者の安間氏のサイト「WILD INVESTORS」はコチラ


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/6/26): 「企業年金のリスク管理術」
The企業年金BLOG(2007/2/18): 「資産運用のカラクリ」投資と税金篇



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2007年02月18日

「資産運用のカラクリ」投資と税金篇

個人投資家が重視すべきは「税金」と「手数料」

資産運用のカラクリ 投資と税金篇ホントは教えたくない資産運用のカラクリ
投資と税金篇

安間 伸

東洋経済新報社 2003-04
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胡散臭いタイトル・レイアウト・文体から、当初は某ゴミ投資家シリーズの二番煎じかと見られていたものの、中身は硬派なことで人気を博している「資産運用のカラクリ」シリーズの第1弾。
本書の全般的なメッセージは「投資するなら税金・手数料に留意されたし」という、もはや言い古された感はあるものの至極真っ当な内容。タイトルから裏事情的なものを期待するととんだ肩透かしを食うことになるが、筆者のざっくばらんな語り口による解説は非常に分かり易い。刊行当時と現在とで税制が変更された部分もあるが、証券税制の入門書としては恰好の一冊。
なお個人的には、Part1第4章「金貸しになるかオーナーになるか」がオススメ。負債(デッド)と資本(エクイティ)の違いの説明から、転換社債、自己資本比率、レバレッジ、ROE、ROAといった専門用語の解説へと展開させて行く手法は白眉。

※著者の安間氏のサイト「WILD INVESTORS」はコチラ


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/2/19): 「資産運用のカラクリ2」タブーとリスク篇



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2006年10月26日

「知っておきたい証券投資の基礎知識」

証券業界のお膝元から出たとは思えない公正さ

知っておきたい証券投資の基礎知識知っておきたい証券投資の基礎知識

東証アカデミー 2004-04

東京証券取引所が一般の投資家向けに開講している「東証アカデミー」の基礎コース用テキスト。業界団体が作成した当り障りの無いパンフレットと侮るなかれ、なんと監修者はかの山崎元氏。「手数料は確実なマイナス要因だ!」「仕組みを理解できない商品は買うな!」等々、証券業界を敵に回して憚らない山崎イズム全開の内容。業界のいわばお膝元である証券取引所からよくぞリリース出来たものだと感心してしまうくらい、投資家本位の公正な内容に仕上がっている。
それだけに作成時は事務局サイドとかなりスッタモンダがあったらしく、2005年度以降はカリキュラムから除外され、本テキストも現在入手困難となっている。当BLOG管理人は、たまたま山崎氏が講師を勤めた某セミナーで入手することが出来たが、どうしても入手したい向きは、東証に直接尋ねる他ない。それでも駄目な場合は山崎氏の他の著作でも理論背景はある程度カバーできる。とはいえ、本書をこのまま絶版にするのは投資家にとっては手痛い損失。是非復刻を要請する。

余談だが、東証アカデミーの講座は、受講料(2,000〜4,000円)の割に高品質でオススメ。19:00開講のコースもあり、社会人でも会社帰りに利用可能なのは嬉しいところ。是非一度受講してみては如何だろうか。



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2006年10月22日

「マンガ LTCM」

金融工学の可能性と限界をサラッと描写

マンガ LTCMマンガ LTCM
清水アキラ 狩谷ゆきひで

パンローリング 2005-05-27
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LTCM(Long-Term Capital Management)と言えば、ノーベル経済学賞を受賞した大学教授や伝説的敏腕トレーダーらを擁したヘッジファンドのドリームチーム。94年の設立から当初4年間こそ年平均40%ものリターンを叩き出し名声を得ていたが、東南アジアやロシアでの相次ぐ通貨危機の煽りを受けて98年に破綻したことはつとに有名。LTCMの興隆から破綻までを綴った書としては、これまでにも「天才たちの誤算―ドキュメントLTCM破綻」「LTCM伝説―怪物ヘッジファンドの栄光と挫折」等があったが、これらのエッセンスを一冊にまとめたのが本書。マンガだけあって人間ドラマの描写が秀逸なのは勿論だが、トレードに関する解説も、読書の流れを妨げないよう難解な部分はあえて端折って基本事項のみに留めているあたり心憎い。一連の顛末をサラッと俯瞰するのに最適なだけでなく、企業年金の運用においても示唆に富む内容。本件に更に興味を持ったら、前述の2冊を読むと理解が更に深まること必至。

余談だが、LTCMの破綻については「ロシアの通貨危機」「図体がデカくなり過ぎた」「不得意な分野に手を拡げた」などが主な原因として良く挙げられるが、当BLOG管理人は、図らずも本書のとある一コマから破綻の兆候を見出してしまった↓


汚名を挽回するチャンスが欲しいと思っています」

「汚名?」


LTCM_omei.jpg

(以上、本書37ページより引用)

・・・なるほど、「名誉」ではなく「汚名」を挽回した故の顛末だったのか(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/10/23): LTCM破綻から学ぶアクティブ運用の留意点



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2006年10月04日

「年金基金のための資産運用入門」

つかみはOK!なのだが・・・90年代初頭の名著

年金基金のための資産運用入門年金基金のための資産運用入門
山田 正次

東洋経済新報社 1992-11
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序章「ある運用委員会での議論」における、とある年金基金の運用委員会でのやりとりを綴った描写が圧巻。

「(運用機関は)プロなんだから下落局面でも何とかしろ!」
「年金は老後目的資金。元本保証・安全確実が第一だ。」
「年金は長期運用なんだから、リスクを取るべし!」


↑といった理事の面々がぶつける疑問は、運用初心者ならば誰もが「そうだそうだ」と思うものばかり。これに対して基金の常務理事は、上記の質問に親切丁寧かつ熱心に答えて一同納得、詳細は次章以降で──という"つかみ"で、読者はグッと本書の世界に引き寄せられるのだが・・・

ところが、その甘言に期待して次章以降をめくると、期待ハズレもいいところ。前述の生々しいやりとりとは裏腹に、教科書的な通り一遍の解説が羅列するのみで、これでは前出の理事たち(=運用初心者)を納得させるのは至難の業ではないか(教科書的な解説としては及第点の出来だが)。とはいえ、1990年代初頭に刊行された書籍にしては整理されており、また年金基金の役職員向けに書かれたおそらく最初の「運用入門本」という先駆者的な役割に敬意を表して★3つを献上する次第。



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2006年07月18日

「実務家が答える 年金基金資産運用相談室」

実務家による実務家のための年金運用実践書

年金基金資産運用相談室実務家が答える 年金基金資産運用相談室
山口 登 編著

東洋経済新報社 2005-07-29
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これまで年金運用の書籍といえば学者金融機関によるものが大勢であったが、本書は文字通り日本の年金基金で資産運用実務に携わっている実務家らにより書かれたものである。年金運用というとっつき難いテーマを扱う関係上、文体は学術的でお世辞にも分かり易いとは言い難い。その点では「企業年金マネジメントの考え方と実務」(山口登著)に比べるとやや敷居が高い感はある。そのため、本書を頭から通読しようとすると途中で挫折する可能性大。むしろ、自分が携わっている業務に該当する部分からつまみ食い(読み)して行った方が良いかも。なお個人的には、第3章「運用機関の選定・評価・モニター・解約」が有益であった。

ともあれ、運用規制の緩和が始まって十余年、退職給付会計の導入や代行返上といった大変革の荒波に揉まれつつも、わが国の年金基金の実務家のレベルは着実に上がっていることを証明する一冊である。執筆者一覧は以下の通り。

 ・山口登(JTB企業年金基金)
 ・相川弘行(富士通企業年金基金)
 ・石田英和(大阪ガス財務部)
 ・河原信次(東芝企業年金基金)
 ・古谷芳秀(全国情報サービス厚生年金基金)
 ・御厨東雄(NEC企業年金基金)



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2006年07月14日

「企業年金マネジメントの考え方と実務」

年金基金による年金基金のための資産運用実践書

企業年金マネジメントの考え方と実務企業年金マネジメントの考え方と実務
山口 登

PHPエディターズグループ 2004-11
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年金運用の書籍というと、ただでさえとっつき難い上に、

 ・官公庁や業界団体の刊行物にありがちな「概要は以上、あとは知らん」本
 ・金融機関やコンサルによる「ウチと契約したらもっと噛み砕いて説明しまっせ」本
 ・野党議員や労組系にありがちな「株は博打だ、ケシカラン!」本
 ・国家破産や預金封鎖など終末論(ハルマゲドン)を煽る「ハルマゲ本」


──といったパターンが殆どで、年金運用の当事者である年金基金自身が、投資理論を踏まえた上でどう行動するべきかについて述べた書籍は、これまで皆無であった。
そんな折、満を持して刊行されたのが本書。これまで年金運用の世界では「分散投資」「長期投資」「運用基本方針の遵守」etcが喧伝されて来たものの、2000年から02年までの3年連続マイナス利回り局面では実際に効果があるんやろか?と訝しがる向きも少なくなかった。かつては当BLOG管理人もその一人だったりした(反省)。
しかし著者は、その重要性を説くだけに留まらず、2003年以降の運用利回りの回復を以ってその有効性を見事に実証して見せた。こうした理論と経験則の相乗効果が本書にこれ以上ない説得力を与えている。また、類書では概して軽んじられがちな「受託者責任」についての考察も手厚く、資産運用管理の適正な執行のためには欠くべからざる概念であることを改めて認識させられた。

ともかく、年金資産運用を語る上で欠かせない書として、今後広く読み継がれてしかるべき一冊。特に、以下の事例に心当たりのある業界関係者は、本書を熟読のうえ猛省すべし!

<2003年>          <2006年>
4月の株価 7,000円台    3月の株価 17,000円台
   ↓                 ↓
債券のウエイトを高める    株式のリバランス売りを怠る
   ↓                 ↓
7月以降株価が高騰       4月以降株価が急落
   ↓                 ↓
株価上昇の恩恵に与れず   株価下落をモロに被る
   ↓                 ↓
(+д+)マズー           (+д+)マズー




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2006年06月26日

「企業年金のリスク管理術」

「リスク管理」という切り口で語る企業年金の現在(いま)

企業年金のリスク管理術年金基金・財務担当者のための
企業年金のリスク管理術

岡本 卓万

中央経済社 2005-12
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これまで企業年金におけるリスク管理といえば、資産運用など資産(Asset)サイドに関するものしか議論の俎上に載らなかった。しかし本書では、退職給付会計など負債(Liability)サイドに関するリスク管理や、企業年金そのものの運営管理(いわゆる年金ガバナンス)にも言及しており、タイトル通り「企業年金のリスク管理」全般を扱った内容。「これ(本書)以上の混み入ったお話は、是非当行のコンサルティングをご利用下さい♪」といった営業的な意図が垣間見えなくもないが、そうした目論見を差し引いても上質な一冊に仕上がっている。章ごとにトピックが簡潔にまとめられているため、気になるトピックを拾い読みする使い方もアリ。



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2006年06月24日

「年金運用の実際知識」

骨太な年金運用の実務書

年金運用の実際知識年金運用の実際知識
山崎 元

東洋経済新報社 1997-11
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理論的かつ歯に衣着せぬ論調で運用業界に名を馳せている山崎元氏による、年金運用のスポンサーを対象とした実務書。全般的には、前著「ファンドマネジメント」を年金運用向けに再構築した内容。「年金運用だからといって他の運用と異なる点は無い」「長期投資=リスク軽減なんて嘘っぱち」などなど、世に広く蔓延する年金運用の常識に理知的に異議を唱えるものの、著者の論理的に妥協を許せない性格ゆえか、ややもすると「あれもダメ、これもダメ」と全否定の袋小路に陥りがち。この生真面目さが著者の長所でもあり短所でもあり、一読者としては惜しみなく賞賛するものの、会社の同僚としてはつい敬遠してしまいそう(汗)。

ともあれ、お世辞にも分かり易いとは言い難いものの、企業年金の資産運用でメシを喰おうと志す者ならば、是非傍らに置いて繰り返し読むべき一冊。1997年の刊行にもかかわらず些かも陳腐化していないのは、本書の完成度の高い証左。



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2006年06月22日

「ファンドマネジメント」

ファンドマネージャーを「目指す」&「選ぶ」ための実践書

ファンドマネジメントファンドマネジメント―マーケットの本質と運用の実際
山崎 元

金融財政事情研究会 1995-12
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理論的かつ歯に衣着せぬ言動で業界に確固たる地位を築いている山崎元氏の初の単行本。「ファンドマネージャー(FM)のための教科書」を標榜しているだけあって、とっつき難く骨太な内容だが高品質。資産運用の理論・技術・管理やパフォーマンス評価の具体的な手順等についてファンドマネージャーの視点から解説されており、プロが投資理論を実践の場でどう活用(あるいは取捨選択)しているのかといったノウハウめいたものが垣間見えて参考になる。また、ファンドマネージャーの選び方・評価についても詳細に触れられており、ファンドマネージャーを志す者は勿論、年金基金など資産を委託する側にとっても有益な一冊。1995年の刊行にも関わらず、本書を凌駕する類書が未だ現れないことからも、その完成度の高さが伺い知れよう。

山崎氏といえば、資産運用業界に蔓延する「常識」に理詰めで異を唱える姿勢が好評を博しているが、そのスタイルは既にこの頃より健在。『「何故この銘柄を買ったのか」には雄弁に答えられても、「この銘柄のウエイトが●%である理由」を説明できないようではFM失格』と平然と言い切ってしまう妥協の無さは、一読者としては拍手喝采モノではあるものの、いざ職場の上司・同僚として対峙すると、手強いというかヤな奴と感じるかもしれない(汗)。


※著者の山崎氏のBLOGはこちら
※楽天証券経済研究所の山崎氏のレポートはこちら



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2006年06月20日

「年金運用ガイドブック」

高品質な資料集 もっと宣伝を!

年金運用ガイドブック年金運用ガイドブック

第一生命保険相互会社 2005-04

第一生命による法人顧客向けガイドブック(非売品)。ポートフォリオ理論から各資産クラス(株式・債券など)の各論、更に年金ALMやオルタナティブ投資に至るまで、年金運用に関する直近のトピックが一冊に凝縮されている。お世辞にも初心者向けとは言い難いものの、中級者以上にとっては使い勝手の良い資料集となっている。第一生命に運用を委託している企業年金の担当者ならばぜひ請求しておきたい。

なお、当BLOG管理人は本書の存在を日経金融新聞の記事で知ったわけだが、新聞や業界誌で宣伝してる割には、第一生命のHPのどこを探しても本書に関する言及が皆無であった(汗)。結局、保険加入者用のコールセンターを介するなどして何とか入手に成功したわけだが、せっかく良い冊子なのだから、もっとアピールしても良いと思うのだが。。。



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2006年03月16日

「年金2008年問題」

「公的」ゆえに求められる資産運用のあり方とは?

年金2008年問題―市場を歪める巨大資金年金2008年問題―市場を歪める巨大資金
玉木 伸介

日本経済新聞社 2004-08
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2001年度以降の財政投融資改革により、公的年金積立金の運用は厚生労働省(正確には傘下の独立行政法人)による市場運用へと移行することとなった。積立金の全額償還が完了し、完全な全額自主運用が開始されるのが2008年であることから、著者はこれを「2008年問題」としている。しかし、公的年金積立金の運用は@政府が投資主体となることA資金規模が巨額過ぎること──という2つの特性ゆえに、民間の資産運用とは異なる次元の問題が山積している。

本書は、これら議論のための基本的な概念整理を目的としている。まだ問題提起のみに留まってる部分も多々あるものの、国民的に広く議論を興して解決策を模索しようという意欲が滲み出ており、この問題の論点整理には最適な一冊。少なくとも、「株式投資反対」を叫んでれば済むような単純な問題では無いことだけは声を大にして言っておく。



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