2008/01/15

「敗者のゲーム」


資産運用を語る上で外すことのできない「古典」

敗者のゲーム(新版)敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか
チャールズ・エリス

日本経済新聞社 2003-12-04
売り上げランキング : 372
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

「運用基本方針遵守」「ポートフォリオ堅持」「長期運用」の意義をお節介なまでにこんこんと説いてくれる、インデックス運用派の経典。とはいえ、本書で述べられている「敗者のゲーム」の概念をはじめとした資産運用に係る数々の考察は、インデックス運用派のみならずあらゆるスタイルの投資家に重要な示唆を与えてくれること必至。「表現が回りくどい」「抽象論ばっかり」(特に運用基本方針について)etcといった批判はあるものの、資産運用を語る上で外すことのできない「古典」としての地位は依然健在である。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 23:30 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2007/05/24

「CFA受験ガイドブック レベル1」


受験ガイドとスタディノートの豪華2本建て

CFA受験ガイドブック レベル1CFA受験ガイドブック レベル1 第2版
大野 忠士

金融財政事情研究会 2007-04
売り上げランキング : 140,495

おすすめ平均
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

冒頭20ページこそタイトル通りCFA試験(証券アナリストの国際版みたいなもの)のガイドブックだが、残りのページは全て出題範囲をまとめたスタディノートとなっている。このスタディノートが何とも白眉で、投資理論、財務会計、経済学のエッセンスがここまで簡潔にまとめられた書籍は、日本の証券アナリスト試験対策書ではまずお目にかかれない。専門用語はもちろん日英両文併記。外資系金融機関との付き合いが多い企業年金の資産運用担当者ならば、CFAを受験しなくとも、辞書代わりに傍らに置いておくと何かと重宝する。
なお今回の第2版では、職業倫理・職業行為基準に関する改正が手当てされるとともに、文中の例題が直近のものに入れ替わっている。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 20:32 | Comment(2) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2007/03/20

「証券アナリストのための数学再入門」


古風な数学教師の趣(おもむき)

証券アナリストのための数学再入門証券アナリストのための数学再入門
金子 誠一

ときわ総合サービス 2004-04-30
売り上げランキング : 57,767
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

証券アナリスト試験を主催している日本証券アナリスト協会の幹部が書き下ろしただけあって、演習問題などは試験に特化した無駄のない作りとなっている。しかし本書の白眉は、一見無骨だがウィットに富んだ語り口にあると言えよう。まさに古風な数学教師の趣き。解説も、これまでの協会指定テキストの難解さ&とっつき難さに泣かされた身としては、信じられない親切丁寧さ。一介の天下り団体(失礼)が随分と思い切ったものだ。もっとも実は、近年の受験生減少(に伴う会費収入減)に泣かされているアナリスト協会による、合格率アップ(による会費収入増)策の一環だったりして!?

なお、「解説が丁寧=易しい」とは必ずしも限らないので、どうしても分からない箇所はとっとと飛ばし読みするが吉。念のため申し添えておく。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 13:04 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2007/02/19

「資産運用のカラクリ2」タブーとリスク篇


資産運用におけるリスク管理理論の隠れた入門書

資産運用のカラクリ2 タブーとリスク篇ホントは教えたくない資産運用のカラクリ2
タブーとリスク篇

安間 伸

東洋経済新報社 2004-05
売り上げランキング : 49,569
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

外観の胡散臭さとは裏腹に、中身は意外と硬派なことで人気を博している「資産運用のカラクリ」シリーズシリーズの第2弾。軽妙な語り口で素っ頓狂な主張をしているように見えて、実は理論的にはガチガチの正統派なのは前作と同様。
なお前作のテーマは「余計な手数料・税金は払わない」と完全に個人投資家向けの内容であったが、本作は「余計なリスクは取らない」がテーマだけに、企業年金をはじめ機関投資家の運用担当者にとっても示唆に富む内容が多い。特に第4章「資産と負債の結婚生活(ALMの話)」の内容は、年金運用で語られているデュレーション・マッチングやキャッシュフロー・マッチング、更に今風に言えばLDI(Liability Driven Investment)といったリスク管理理論のツボを見事に押さえている。それでいて読み物としての分かり易さ・面白さを損なっていないのは流石。例えるなら、神田昌典調で語る山崎元といったところか(笑)。

※著者の安間氏のサイト「WILD INVESTORS」はコチラ


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/6/26): 「企業年金のリスク管理術」
The企業年金BLOG(2007/2/18): 「資産運用のカラクリ」投資と税金篇



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 22:59 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2007/02/18

「資産運用のカラクリ」投資と税金篇


個人投資家が重視すべきは「税金」と「手数料」

資産運用のカラクリ 投資と税金篇ホントは教えたくない資産運用のカラクリ
投資と税金篇

安間 伸

東洋経済新報社 2003-04
売り上げランキング : 2,699
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

胡散臭いタイトル・レイアウト・文体から、当初は某ゴミ投資家シリーズの二番煎じかと見られていたものの、中身は硬派なことで人気を博している「資産運用のカラクリ」シリーズの第1弾。
本書の全般的なメッセージは「投資するなら税金・手数料に留意されたし」という、もはや言い古された感はあるものの至極真っ当な内容。タイトルから裏事情的なものを期待するととんだ肩透かしを食うことになるが、筆者のざっくばらんな語り口による解説は非常に分かり易い。刊行当時と現在とで税制が変更された部分もあるが、証券税制の入門書としては恰好の一冊。
なお個人的には、Part1第4章「金貸しになるかオーナーになるか」がオススメ。負債(デッド)と資本(エクイティ)の違いの説明から、転換社債、自己資本比率、レバレッジ、ROE、ROAといった専門用語の解説へと展開させて行く手法は白眉。

※著者の安間氏のサイト「WILD INVESTORS」はコチラ


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/2/19): 「資産運用のカラクリ2」タブーとリスク篇



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 21:07 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2006/10/26

「知っておきたい証券投資の基礎知識」


証券業界のお膝元から出たとは思えない公正さ

知っておきたい証券投資の基礎知識知っておきたい証券投資の基礎知識

東証アカデミー
2004-04

東京証券取引所が一般の投資家向けに開講している「東証アカデミー」の基礎コース用テキスト。業界団体が作成した当り障りの無いパンフレットと侮るなかれ、なんと監修者はかの山崎元氏。「手数料は確実なマイナス要因だ!」「仕組みを理解できない商品は買うな!」等々、証券業界を敵に回して憚らない山崎イズム全開の内容。業界のいわばお膝元である証券取引所からよくぞリリース出来たものだと感心してしまうくらい、投資家本位の公正な内容に仕上がっている。
それだけに作成時は事務局サイドとかなりスッタモンダがあったらしく、2005年度以降はカリキュラムから除外され(ちなみに2004年当時の講座案内がコチラに残っている)、本テキストも現在入手困難となっている。当BLOG管理人は、たまたま山崎氏が講師を勤めた某セミナーで入手することが出来たが、どうしても入手したい向きは、東証に直接尋ねる他ない。それでも駄目な場合は山崎氏の他の著作でも理論背景はある程度カバーできる。とはいえ、本書をこのまま絶版にするのは投資家にとっては手痛い損失。是非復刻を要請する。

余談だが、東証アカデミーの講座は、受講料(2,000〜4,000円)の割に高品質でオススメ。19:00開講のコースもあり、社会人でも会社帰りに利用可能なのは嬉しいところ。是非一度受講してみては如何だろうか。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 03:57 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2006/10/22

「マンガ LTCM」


金融工学の可能性と限界をサラッと描写

マンガ LTCMマンガ LTCM
清水アキラ 狩谷ゆきひで

パンローリング 2005-05-27
売り上げランキング : 55,316
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

LTCM(Long-Term Capital Management)と言えば、ノーベル経済学賞を受賞した大学教授や伝説的敏腕トレーダーらを擁したヘッジファンドのドリームチーム。94年の設立から当初4年間こそ年平均40%ものリターンを叩き出し名声を得ていたが、東南アジアやロシアでの相次ぐ通貨危機の煽りを受けて98年に破綻したことはつとに有名。LTCMの興隆から破綻までを綴った書としては、これまでにも「天才たちの誤算―ドキュメントLTCM破綻」「LTCM伝説―怪物ヘッジファンドの栄光と挫折」等があったが、これらのエッセンスを一冊にまとめたのが本書。マンガだけあって人間ドラマの描写が秀逸なのは勿論だが、トレードに関する解説も、読書の流れを妨げないよう難解な部分はあえて端折って基本事項のみに留めているあたり心憎い。一連の顛末をサラッと俯瞰するのに最適なだけでなく、企業年金の運用においても示唆に富む内容。本件に更に興味を持ったら、前述の2冊を読むと理解が更に深まること必至。

余談だが、LTCMの破綻については「ロシアの通貨危機」「図体がデカくなり過ぎた」「不得意な分野に手を拡げた」などが主な原因として良く挙げられるが、当BLOG管理人は、図らずも本書のとある一コマから破綻の兆候を見出してしまった↓


汚名を挽回するチャンスが欲しいと思っています」

「汚名?」


LTCM_omei.jpg

(以上、本書37ページより引用)

・・・なるほど、「名誉」ではなく「汚名」を挽回した故の顛末だったのか(汗)。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/10/23): LTCM破綻から学ぶアクティブ運用の留意点



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 21:57 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2006/10/04

「年金基金のための資産運用入門」


つかみはOK!なのだが・・・90年代初頭の名著

年金基金のための資産運用入門年金基金のための資産運用入門
山田 正次

東洋経済新報社 1992-11
売り上げランキング : 646,469
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

序章「ある運用委員会での議論」における、とある年金基金の運用委員会でのやりとりを綴った描写が圧巻。

「(運用機関は)プロなんだから下落局面でも何とかしろ!」
「年金は老後目的資金。元本保証・安全確実が第一だ。」
「年金は長期運用なんだから、リスクを取るべし!」


↑といった理事の面々がぶつける疑問は、運用初心者ならば誰もが「そうだそうだ」と思うものばかり。これに対して基金の常務理事は、上記の質問に親切丁寧かつ熱心に答えて一同納得、詳細は次章以降で──という"つかみ"で、読者はグッと本書の世界に引き寄せられるのだが・・・

ところが、その甘言に期待して次章以降をめくると、期待ハズレもいいところ。前述の生々しいやりとりとは裏腹に、教科書的な通り一遍の解説が羅列するのみで、これでは前出の理事たち(=運用初心者)を納得させるのは至難の業ではないか(教科書的な解説としては及第点の出来だが)。とはいえ、1990年代初頭に刊行された書籍にしては整理されており、また年金基金の役職員向けに書かれたおそらく最初の「運用入門本」という先駆者的な役割に敬意を表して★3つを献上する次第。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 20:30 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2006/08/16

「EXCELで学ぶファイナンス(2)証券投資分析」


「Excelを用いたリスク・リターン計算本」のパイオニア

証券投資分析EXCELで学ぶファイナンス〈2〉 証券投資分析
藤林 宏、矢野 学、岡村 孝

金融財政事情研究会 2001-10
売り上げランキング : 36,167
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

およそ金融機関の運用担当者であれば必ずや一度は手にするであろう、いわゆる「Excelを用いたリスク・リターン分析本」のパイオニア。Windows95が世に出た1995年に初版が刊行され、以降本書をパクったインスパイアした書籍は数多あれど、本書を凌駕するに至ったものはごく少数。
完成度の高さはもはや言うまでもないが、解説が平易な箇所とそうでない箇所で難易度のブレが大きく、途中で難解な項目にぶつかって立ち止まってしまう事もしばしば。そんな時は構わず次へ次へと読み進めるのが賢明。文体は硬くとっつき難い面もあるが、繰り返し丹念に読むことを怠らなければ、必ずや自身の血となり肉となるであろう。

なお本書では難し過ぎて歯が立たないという向きには、以前当BLOGでも紹介した「資産運用のパフォーマンス測定」「ゴミ投資家のためのインターネット投資術入門」がオススメ。

※販売元サイトから正誤表(pdfファイル)がUPされています。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 17:42 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2006/07/18

「実務家が答える 年金基金資産運用相談室」


実務家による実務家のための年金運用実践書

年金基金資産運用相談室実務家が答える 年金基金資産運用相談室
山口 登 編著

東洋経済新報社 2005-07-29
売り上げランキング : 163,449
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

これまで年金運用の書籍といえば学者金融機関によるものが大勢であったが、本書は文字通り日本の年金基金で資産運用実務に携わっている実務家らにより書かれたものである。年金運用というとっつき難いテーマを扱う関係上、文体は学術的でお世辞にも分かり易いとは言い難い。その点では「企業年金マネジメントの考え方と実務」(山口登著)に比べるとやや敷居が高い感はある。そのため、本書を頭から通読しようとすると途中で挫折する可能性大。むしろ、自分が携わっている業務に該当する部分からつまみ食い(読み)して行った方が良いかも。なお個人的には、第3章「運用機関の選定・評価・モニター・解約」が有益であった。

ともあれ、運用規制の緩和が始まって十余年、退職給付会計の導入や代行返上といった大変革の荒波に揉まれつつも、わが国の年金基金の実務家のレベルは着実に上がっていることを証明する一冊である。執筆者一覧は以下の通り。

 ・山口登(JTB企業年金基金)
 ・相川弘行(富士通企業年金基金)
 ・石田英和(大阪ガス財務部)
 ・河原信次(東芝企業年金基金)
 ・古谷芳秀(全国情報サービス厚生年金基金)
 ・御厨東雄(NEC企業年金基金)



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 20:07 | Comment(2) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2006/07/14

「企業年金マネジメントの考え方と実務」


年金基金による年金基金のための資産運用実践書

企業年金マネジメントの考え方と実務企業年金マネジメントの考え方と実務
山口 登

PHPエディターズグループ 2004-11
売り上げランキング : 332,048
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

年金運用の書籍というと、ただでさえとっつき難い上に、

 ・官公庁や業界団体の刊行物にありがちな「概要は以上、あとは知らん」本
 ・金融機関やコンサルによる「ウチと契約したらもっと噛み砕いて説明しまっせ」本
 ・野党議員や労組系にありがちな「株は博打だ、ケシカラン!」本
 ・国家破産や預金封鎖など終末論(ハルマゲドン)を煽る「ハルマゲ本」


──といったパターンが殆どで、年金運用の当事者である年金基金自身が、投資理論を踏まえた上でどう行動するべきかについて述べた書籍は、これまで皆無であった。
そんな折、満を持して刊行されたのが本書。これまで年金運用の世界では「分散投資」「長期投資」「運用基本方針の遵守」etcが喧伝されて来たものの、2000年から02年までの3年連続マイナス利回り局面では実際に効果があるんやろか?と訝しがる向きも少なくなかった。かつては当BLOG管理人もその一人だったりした(反省)。
しかし著者は、その重要性を説くだけに留まらず、2003年以降の運用利回りの回復を以ってその有効性を見事に実証して見せた。こうした理論と経験則の相乗効果が本書にこれ以上ない説得力を与えている。また、類書では概して軽んじられがちな「受託者責任」についての考察も手厚く、資産運用管理の適正な執行のためには欠くべからざる概念であることを改めて認識させられた。

ともかく、年金資産運用を語る上で欠かせない書として、今後広く読み継がれてしかるべき一冊。特に、以下の事例に心当たりのある業界関係者は、本書を熟読のうえ猛省すべし!

<2003年>          <2006年>
4月の株価 7,000円台    3月の株価 17,000円台
   ↓                 ↓
債券のウエイトを高める    株式のリバランス売りを怠る
   ↓                 ↓
7月以降株価が高騰       4月以降株価が急落
   ↓                 ↓
株価上昇の恩恵に与れず   株価下落をモロに被る
   ↓                 ↓
(+д+)マズー           (+д+)マズー



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2006/06/26

「企業年金のリスク管理術」


「リスク管理」という切り口で語る企業年金の現在(いま)

企業年金のリスク管理術年金基金・財務担当者のための
企業年金のリスク管理術

岡本 卓万

中央経済社 2005-12
売り上げランキング : 266,451
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

これまで企業年金におけるリスク管理といえば、資産運用など資産(Asset)サイドに関するものしか議論の俎上に載らなかった。しかし本書では、退職給付会計など負債(Liability)サイドに関するリスク管理や、企業年金そのものの運営管理(いわゆる年金ガバナンス)にも言及しており、タイトル通り「企業年金のリスク管理」全般を扱った内容。「これ(本書)以上の混み入ったお話は、是非当行のコンサルティングをご利用下さい♪」といった営業的な意図が垣間見えなくもないが、そうした目論見を差し引いても上質な一冊に仕上がっている。章ごとにトピックが簡潔にまとめられているため、気になるトピックを拾い読みする使い方もアリ。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(1)
Category | 書評:年金資産運用

2006/06/24

「年金運用の実際知識」


骨太な年金運用の実務書

年金運用の実際知識年金運用の実際知識
山崎 元

東洋経済新報社 1997-11
売り上げランキング : 722,759
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

理論的かつ歯に衣着せぬ論調で運用業界に名を馳せている山崎元氏による、年金運用のスポンサーを対象とした実務書。全般的には、前著「ファンドマネジメント」を年金運用向けに再構築した内容。「年金運用だからといって他の運用と異なる点は無い」「長期投資=リスク軽減なんて嘘っぱち」などなど、世に広く蔓延する年金運用の常識に理知的に異議を唱えるものの、著者の論理的に妥協を許せない性格ゆえか、ややもすると「あれもダメ、これもダメ」と全否定の袋小路に陥りがち。この生真面目さが著者の長所でもあり短所でもあり、一読者としては惜しみなく賞賛するものの、会社の同僚としてはつい敬遠してしまいそう(汗)。

ともあれ、お世辞にも分かり易いとは言い難いものの、企業年金の資産運用でメシを喰おうと志す者ならば、是非傍らに置いて繰り返し読むべき一冊。1997年の刊行にもかかわらず些かも陳腐化していないのは、本書の完成度の高い証左。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 00:38 | Comment(3) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2006/06/22

「ファンドマネジメント」


ファンドマネージャーを「目指す」&「選ぶ」ための実践書

ファンドマネジメントファンドマネジメント―マーケットの本質と運用の実際
山崎 元

金融財政事情研究会 1995-12
売り上げランキング : 131,339
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

理論的かつ歯に衣着せぬ言動で業界に確固たる地位を築いている山崎元氏の初の単行本。「ファンドマネージャー(FM)のための教科書」を標榜しているだけあって、とっつき難く骨太な内容だが高品質。資産運用の理論・技術・管理やパフォーマンス評価の具体的な手順等についてファンドマネージャーの視点から解説されており、プロが投資理論を実践の場でどう活用(あるいは取捨選択)しているのかといったノウハウめいたものが垣間見えて参考になる。また、ファンドマネージャーの選び方・評価についても詳細に触れられており、ファンドマネージャーを志す者は勿論、年金基金など資産を委託する側にとっても有益な一冊。1995年の刊行にも関わらず、本書を凌駕する類書が未だ現れないことからも、その完成度の高さが伺い知れよう。

山崎氏といえば、資産運用業界に蔓延する「常識」に理詰めで異を唱える姿勢が好評を博しているが、そのスタイルは既にこの頃より健在。『「何故この銘柄を買ったのか」には雄弁に答えられても、「この銘柄のウエイトが●%である理由」を説明できないようではFM失格』と平然と言い切ってしまう妥協の無さは、一読者としては拍手喝采モノではあるものの、いざ職場の上司・同僚として対峙すると、手強いというかヤな奴と感じるかもしれない(汗)。


※著者の山崎氏のBLOGはこちら
※楽天証券経済研究所の山崎氏のレポートはこちら



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 00:47 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2006/06/20

「年金運用ガイドブック」


高品質な資料集 もっと宣伝を!

年金運用ガイドブック年金運用ガイドブック

第一生命保険相互会社
2005-04

第一生命による法人顧客向けガイドブック(非売品)。ポートフォリオ理論から各資産クラス(株式・債券など)の各論、更に年金ALMやオルタナティブ投資に至るまで、年金運用に関する直近のトピックが一冊に凝縮されている。お世辞にも初心者向けとは言い難いものの、中級者以上にとっては使い勝手の良い資料集となっている。第一生命に運用を委託している企業年金の担当者ならばぜひ請求しておきたい。

なお、当BLOG管理人は本書の存在を日経金融新聞の記事で知ったわけだが、新聞や業界誌で宣伝してる割には、第一生命のHPのどこを探しても本書に関する言及が皆無であった(汗)。結局、保険加入者用のコールセンターを介するなどして何とか入手に成功したわけだが、せっかく良い冊子なのだから、もっとアピールしても良いと思うのだが。。。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 23:27 | Comment(0) | TrackBack(1)
Category | 書評:年金資産運用

2006/03/16

「年金2008年問題」


「公的」ゆえに求められる資産運用のあり方とは?

年金2008年問題―市場を歪める巨大資金年金2008年問題―市場を歪める巨大資金
玉木 伸介

日本経済新聞社 2004-08
売り上げランキング : 292,952
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

2001年度以降の財政投融資改革により、公的年金積立金の運用は厚生労働省(正確には傘下の独立行政法人)による市場運用へと移行することとなった。積立金の全額償還が完了し、完全な全額自主運用が開始されるのが2008年であることから、著者はこれを「2008年問題」としている。しかし、公的年金積立金の運用は@政府が投資主体となることA資金規模が巨額過ぎること──という2つの特性ゆえに、民間の資産運用とは異なる次元の問題が山積している。

本書は、これら議論のための基本的な概念整理を目的としている。まだ問題提起のみに留まってる部分も多々あるものの、国民的に広く議論を興して解決策を模索しようという意欲が滲み出ており、この問題の論点整理には最適な一冊。少なくとも、「株式投資反対」を叫んでれば済むような単純な問題では無いことだけは声を大にして言っておく。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 18:04 | Comment(0) | TrackBack(1)
Category | 書評:年金資産運用

2006/01/06

「厚生年金基金 資産運用の基礎」


資産運用の定番書のエッセンスを凝縮!?

shisanunyokiso2厚生年金基金 資産運用の基礎(第2版)

企業年金連合会
2002-12

企業年金の新任担当者向けの入門書。文字通り「年金運用」について一通りのトピックを網羅している。また、政策アセット・ミクスの策定や運用機関の評価についての記述は、生意気にも名著「敗者のゲーム」を多分に意識している感がある。まあ「敗者のゲーム」は長期投資家にとって都合の良い内容のオンパレード神聖不可侵の経典だしね。巻末ではExcelを用いて効率的フロンティア(有効フロンティア)の描き方を紹介しているが、こちらも良書「Excelで学ぶファイナンス」をインスパイアしたような感じ。

なんか定番書の良いとこ取りが過ぎるように思うが(汗)、ともあれ、一介の業界団体の書物にしては良くまとまっている。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 23:26 | Comment(0) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2005/12/24

「資産運用のパフォーマンス測定」


入門と実務の絶妙なバランス

資産運用のパフォーマンス測定資産運用のパフォーマンス測定―ポートフォリオのリターン・リスク分析
砺波 元

金融財政事情研究会 2000-08
売り上げランキング : 40,077
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

当BLOG管理人が資産運用実務において最も役に立った書籍がコレ。以前紹介した「基礎から学べる投資・運用関連数式集」と同じ著者による一冊。資産運用におけるリスク・リターンの計算方法に特化した書籍としては最高の分かり易さを誇る。投資理論関連の書籍を読んでいて一度は目にしたことのあるデュレーションベータトラッキングエラーといった専門用語の概念を簡易な例題を用いて解説しており、例題を実際に手で解くことにより実感できる仕組みが秀逸。また、同じ時間加重収益率でも厳密法修正ディーツ法の違いなど、取り扱っている項目も実務を多分に意識しており心憎い。業界の新入社員・新任担当者にオススメの一冊。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 21:47 | Comment(2) | TrackBack(0)
Category | 書評:年金資産運用

2005/12/12

「基礎から学べる投資・運用関連数式集」


試験対策用だけでは勿体ない

基礎から学べる投資・運用関連数式集基礎から学べる投資・運用関連数式集
砺波 元

金融財政事情研究会 2003-01
売り上げランキング : 134,154
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

年金基金やらで資産運用業務に携わると、まずはポートフォリオ理論、とりわけ分散投資の重要性をこんこんと説かれるのが通例。その効果(結果)先日紹介した本で認識できるとして、ではそのプロセス、すなわち最適ポートフォリオの導出に用いられる分散・標準偏差・相関係数といった統計的数値はどのように算出されるのだろうか?

──そんな疑問に分かり易く答えてくれるのが本書。資産運用に関わる基本的な数式が見開き2ページにうまく収められている。そもそもDCプランナー試験の受験生向けに刊行されただけに、「数字なんて見るのもイヤ!」という向きには丁度良いレベルに仕上がっている。試験対策ならば、2・3・5章を押さえておけばOK。

ただし、整理されてて見易いが故に、一通り眺めただけで分かったような錯覚に陥る危険性があるのでその点注意が必要。そのためにも演習問題をタンマリと付けて欲しかったのだが・・・。 



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 23:23 | Comment(0) | TrackBack(1)
Category | 書評:年金資産運用

2005/12/11

「ゴミ投資家のためのインターネット投資術入門」


史上最"易"の現代投資理論の入門書(第1章のみ)

4840215456ゴミ投資家のためのインターネット投資術入門
海外投資を楽しむ会

メディアワークス 2000-03
売り上げランキング : 9,011
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

「インターネット投資術」だなんていかにもなタイトルに騙されてはいけない。中身は「現代投資理論」と「外債投資」に関する真っ当な解説書である。特に現代投資理論を扱った第1章は圧巻の一言。第1章だけを抽出すればまさに史上最"易"の現代投資理論の入門書である。

Excelを用いたポートフォリオ理論の解説書は数あれど、本書の解説の分かり易さはその中でもダントツ。また、マーコヴィッツやシャープ、さらにマルキール(ウォール街のランダム・ウォーク)やエリス(敗者のゲーム)に至るまで、現代投資理論の主要トピックについてもキッチリ網羅(おまけに複雑系の話まで!)。まさに、名著「Excelで学ぶファイナンス」「証券投資の思想革命」のエッセンスを凝縮しながらも分かり易くした充実の内容である。

ただ惜しむらくは、やはりタイトルの羊頭狗肉さだろうか。実際の内容は現代投資理論と外債投資なのに、言うに事欠いて「インターネット投資術」ってアンタ・・・(汗)。まあ、刊行時(ITバブルの絶頂期!)の状況を考慮すると致し方なかったのだろうが。

ともあれ、第1章を読むだけでも本書を手に取る価値は十分にある。年金基金の資産運用業務の新任担当者のみならず、証券アナリスト受験生にもオススメ。なお、第2章以降の評価については各自で判断されたし。



 ←気が向いたら是非クリック願います
posted by tonny_管理人 at 23:57 | Comment(0) | TrackBack(1)
Category | 書評:年金資産運用