2008/07/17
日本年金学会の研究会に初参加
本日は、日本年金学会主催の第3回研究会に初参加した。発表者は日本大学の宮里准教授と三菱総研の白石研究員。いずれも興味深い発表内容だったが、それ以上に面白かったのは発表後の質疑応答で、参加者同士が侃侃諤諤の議論を戦わせる光景(しかも発表者は半ばそっちのけ)は、この手の発表会にしては新鮮であった。もっとも、議論の中心を形成していたのは殆ど我が師匠であったが(汗)。
なお師匠は、研究発表の場でただ聞いているだけの人間は「情報泥棒」「情報乞食」だと断罪する御仁なので、当BLOG管理人もそんな汚名を着せられてはたまらないと、本日は必死にかぶりついて質問した次第。さて来週は、当BLOG管理人もいよいよ研究発表デビューを飾るわけだが・・・質問なんて要りませんから(汗)。
←気が向いたら是非クリック願います2008/03/09
勤務社労士と開業社労士の世界を概観
この土日は、勤務社労士と開業社労士の集いにそれぞれ顔を出して来た。ちなみに当BLOG管理人は、社労士試験には合格しているが開業登録も勤務登録も未だしていない有資格者という身分。これをペーパー社労士と言うらしい(汗)。
まず土曜日は、四半期毎に開催されている勤務社会保険労務士の私的な集いに馳せ参じた。一口に勤務社労士と言っても、所属企業の業態によってその業務内容は千差万別。また、社労士だからといって必ずしも人事・総務の部署に属しているとは限らない(当BLOG管理人もその一人)。自分の専門領域外の分野で活躍している方の話は、業態を問わず非常に参考になるし、刺激にもなる。もっとも、端から見たらただの飲み会だが(笑)。
日付が変わって本日は、開業社労士および開業予定者を対象としたセミナーに参加した。当BLOG管理人は独立開業など考えるべくもないヘタレな身だが、今回はテーマが「退職金コンサルティング」で、しかも講師が以前お世話になった瀧本透氏と蒲島竜也氏だったので、半ば野次馬根性で申し込んだ次第。退職金コンサル話も然ることながら、竹内睦氏による開業よもやま話が大変興味深かった。「始末の悪い客とは付き合わない」「値下げには一切応じない」といったやや傲慢に徹したスタイルは、神田昌典氏のそれに近い印象を受けた。どうやら成功する起業家の思考は、結果的に似通ってくるものらしい。
![]() | 非常識な成功法則 ――お金と自由をもたらす8つの習慣 神田 昌典 フォレスト出版 2002-06 売り上げランキング : 158 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
←気が向いたら是非クリック願います2008/03/06
「企業年金総合プランナー」は虚偽表示!?
昨晩は、首都圏某所にて行われたDCプランナーの勉強会に参加した。内容は適格退職年金(適年)移行のコンサルティングに関する模範的なものだったが、厚生年金基金に関する解説が滅茶苦茶。曰く、「総合型基金の人数ベース成熟度(受給者数/加入者数)は70%以上」「給付体系は短期勤務者に不利」などなど。不確かな事項には触れないというのもコンサルの見識ではあるが、したり顔でご高説を唱えた以上は、批判は免れまい。
まず総合型厚生年金基金の成熟度だが、直近の統計を見た限りでは、まだ40%台前半。こんなのちょっと調べれば直ぐ確認できるだろうに(汗)。また、短期勤務者に不利な給付体系というのは、おそらくS字カーブの事を指しているのだろう。DC(確定拠出年金)への移行を勧める際に良く用いられるのが「S字カーブを解消しましょう」というセールストークだが、給付建て制度(厚年基金・DB)であれば、べつに制度移行を伴わずとも給付設計をS字カーブから直線状に変えることは設計上自由なのである。むしろDCの方が、制度の性格上直線状な設計にならざるを得ないため、DBよりも給付設計は硬直的である。ここんとこ分かってるつもりで分かってないコンサルは意外と数多いので、要チェキラ。
◆S字カーブ
──とまあ細かい所に苦言を呈してしまったが(汗)、百歩譲って、これが中小零細企業相手の中退共移行お手軽コンサルの話であれば、ここまでとやかく言うつもりは無かった。問題なのは、これが企業年金総合プランナー(笑)という肩書きを有する自称専門家が発したことである。いつの頃からか、日本商工会議所はDCプランナー資格の名称を企業年金総合プランナー(DCプランナー)という表記に変更した。いかにも「確定拠出だけでなく何でもござれ」的なアピールを狙ったのだろうが、前述の勉強会のような体たらくを目の当たりにすると、とてもじゃないが「企業年金」だの「総合」だのは名前負けどころか虚偽表示もいいところ。DCプランナーのままの方が、身の丈に合って専門的っぽいけどねえ。まあ背伸びは程々に(汗)。
←気が向いたら是非クリック願います2008/02/26
DCファンド教育アカデミーを観覧
本日開催されたNPO法人確定拠出年金教育協会主催のDCファンド教育アカデミーを観覧した。プログラムは、経済財政動向に関する基調講演を皮切りに、企業の実務担当者によるパネルディスカッションおよびDC制度の生みの親こと尾崎俊雄氏(現在は准教授として三重大学に出向中)による講演というラインナップ。
冒頭の基調講演「最近の経済財政政策の動向」は、「DC関連のテーマばかりでは何だからアクセントを付けよう」という主催者サイドの配慮が完全に裏目に出たgdgdな内容(汗)。パネルディスカッションでは、企業の実務担当者2名および野村資本市場研究所の野村亜紀子氏がそれぞれ持ちネタを披露するという形式。それにしても、野村氏の主張は「これからのDC運用のキーワードは自動化!」と相変わらず。単にライフサイクルファンドやらターゲットイヤーファンドやらを野村グループから売り出すための布石だろ。まあそういう意味では職務に忠実な御仁である(毒)。最後の尾崎氏の講演は、全般的には内容に目新しさはなかったものの、政策担当者は自己責任原則と投資教育に依然こだわりを示していることが覗え、前述の野村氏との対比が個人的には興味深かった。
なお本日の唯一の収穫は、パネルディスカッションで某年金基金の常務理事氏が披露していた投資教育用の手作り資料。担当者の経験と個性に裏打ちされた逸品。
←気が向いたら是非クリック願います2007/11/15
意外にも旬なテーマが揃っていた
第11回企業年金研究会を傍聴してきた。開催前は「報告書のフォローアップ」という触れ込みだったが、実際の議事次第を配布資料に沿って記すと以下の通り。
1.企業年金制度の施行状況の検証結果のフォローアップについて
(1)平成20年度税制改正要望について
(2)「確定拠出年金等の掛金の状況」について
(3)「確定拠出年金における投資教育のあり方に関する検討会」について
(4)「自動移換者問題関係者連絡協議会」について
2.その他
(1)「厚生年金基金における年金記録の適正な整備等について」
(2)「確定拠出年金等における年金記録の適正な整備等について」
(3)「国民年金基金における年金記録の適正な整備等について」
(4)「国民年金基金・国民年金基金連合会の年金支給について」
(5)「NTT企業年金規約不承認処分取消訴訟判決の概要」について
報告書のフォローアップについては、DCの掛金拠出に関する精緻な資料が出たほかは、企業年金連合会や国民年金基金連合会が開催している検討会等の開催状況を述べるに留まった。意外だったのは、議事の後半にて年金記録の管理に関する報告が多く為されたこと。年金記録問題が企業年金の分野にも影を落としている様が如実にうかがえた。まあ、この手の議論がこうした公開の場で行われること自体は素直に歓迎しておこう。
なお議事の最後では、NTT年金減額訴訟の東京地裁判決に関する報告が行われた。なんでも判決文の公表を原告側が差止め要望しており、現時点では判決要旨しか公表されないとのこと。注目を集めている裁判の割には検証記事になかなかお目にかかれなかったのだが、道理で・・・(汗)。
つうことで、今回の企業年金研究会は委員8名中4名が欠席と低調な滑り出しだったものの、旬なテーマが多岐に扱われており、個人的には足を運んだ甲斐があったというもの。確定拠出年金の拠出限度額UPにしか興味の無い運管関係者には物足りなかっただろうが(笑)。なお次開催は年末か年明けの開催するとの事。まだ終わってなかったのね。
─────────────────────────
【2007.11.21追記】
第11回の資料が厚生労働省サイトにupされました。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/11/s1115-2.html
←気が向いたら是非クリック願います2007/11/06
てっきり完結したものと・・・
第11回企業年金研究会の開催について
標記研究会を下記のとおり開催いたします。
傍聴を希望される方は、下記5の申込要領によりお申し込み下さい。記1.日時:平成19年11月15日(木)10:00〜12:00
2.場所:東海大学校友会館「阿蘇の間」
千代田区霞ヶ関3−2−5 霞ヶ関ビル33階
(別添(PDF:291KB)の地図を御参照下さい。)
3.議題:(1)「企業年金制度の施行状況の検証結果」のフォローアップについて
(2)その他
昨秋に鳴り物入りで立ち上げられた企業年金研究会。去る7月に取りまとめられた報告書「企業年金制度の施行状況の検証結果」は、当初こそ包括的に論点整理された様が好感されたが、そのうち両論併記ばかりで結論なしという惨状が明らかになるに連れ、業界からはすっかりソッポを向かれた恰好となったのは記憶に新しいところ。数ヶ月前、当BLOGでもこの報告書を逐次解説しようかと検討したものの、早々にギブアップした次第(汗)。本報告書に関する詳細に渡る解説は、確定拠出年金コンサルティングのgorogorowin氏による長編力作をご参照いただきたい。
そんな折、突如告知されたのが上記の開催案内。税制改正要望に間に合わせるがためだけに強引に完結したものと思っていただけに、まさに青天の霹靂。しかも議題はフォローアップときたもんだ。果たしてどんな後日談が飛び出すのやら。ともあれ、仕事と論文執筆に追われてネタ枯れだった当BLOGにとっては思わぬ恵みの雨となった(汗)。
<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2007/7/10): 企業年金研究会の報告書がまとまる
←気が向いたら是非クリック願います2007/09/28
横浜国立大学の企業年金フォーラムを観覧
去る9月27日に開催された横浜国立大学の企業年金フォーラム「持続可能性の高い年金制度の構築」を観覧した。講演4つにパネルディスカッションというプログラムは、内容こそ盛り沢山だが、時間的にはかなりタイトであった。おかげで休憩時間は切り詰められて少ないわ、質疑応答は機会すら設けられなかった始末(汗)。
それにしても今回のフォーラム、大学主催とは思えないほど業界人(金融機関・年金基金)の「規制は緩く、税制優遇は厚く」的なエゴ剥き出し発言が随所に飛び交い、ある意味爆笑(苦笑)ものだった。とりわけ、主催者たる横国大のA教授(元信託銀行マンにして日本における資産運用理論の権威)の「企業の掛金拠出へのインセンティブを高めるために、一定水準以上の剰余金を企業に自由に利用させるべき」との発言には思わず( ゚д゚)ポカーン。年金積立金の目的外流用が企業年金制度の持続性を高めるという理屈は、当BLOG管理人のような凡人には到底理解の及ぶところではない(汗)。
ところで横浜国立大学と言えば、日本では2つしかない年金に特化した社会人大学院(MBA)を開講していることは、業界人ならば知る人ぞ知るところ。当BLOG管理人はもう一方の年金MBAに通学中だが、本フォーラム終了後は横国大MBAの現役学生・OB諸氏との懇親会に参加、有意義な意見交換を行うことが出来た。
←気が向いたら是非クリック願います2007/09/19
早稲田大学比較法研究所セミナーを観覧
本日は、たまたま縁あって早稲田大学比較法研究所主催の公開講演会を観覧した。テーマはアメリカの年金制度および医療制度の最新動向。
米国の医療制度といえば、マイケル・ムーア監督作品「SiCKO(シッコ)」が現在上映中だが、民間保険に頼る米国の医療制度の問題点を如実に表している秀作である。こうして見ると、日本の医療保険制度は、低い医療費(増加率は近年大きいが)で高い平均寿命を実現しているという意味では、他の先進諸国と比べても非常に優れた制度と言えよう。医療については、決して米国を模倣してはならないと思った次第。
←気が向いたら是非クリック願います2007/07/10
企業年金研究会の報告書がまとまる
前回のエントリで取り上げた記事を再掲↓
企業型401k、掛金の個人拠出解禁 (NIKKEI-NET)
厚生労働省の企業年金研究会(座長、森戸英幸上智大教授)は26日、報告書の骨子をまとめた。企業が導入した確定拠出年金(日本版401k)で、企業にしか認められていない掛け金拠出を会社員本人にも広げることを提言する。老後の所得保障を充実させるとともに、会社員の投資意欲を高めるのが狙い。同省は7月10日に報告書をまとめる方針。
(2007/6/27 日経朝刊 5面)
↑良―く読むと、企業年金研究会が報告書を取りまとめるとサラッと書かれてたので、本日慌てて傍聴しに行った次第。企業年金研究会というと、日経新聞を筆頭としたマスメディアは確定拠出年金(DC)の規制緩和についてしか報じないが、そもそもは「DB法・DC法施行後5年を契機とした制度の施行状況の検証」が同研究会の設立趣旨であり、DB(給付建て制度)についてもリスク管理やガバナンスなどについて言及しているほか、企業年金そのものの性格・役割や税制優遇のあり方など、企業年金に関する広範なトピックを包括的に取り扱っている。確定拠出年金はあくまでも各論に過ぎない。今般取りまとめられた報告書「企業年金制度の施行状況の検証結果」は、そんな同研究会の設立趣旨に相応しい包括的に整理された一冊に仕上がっている。論点については両論併記を旨としておりメッセージ性は薄いが、あくまでも論点整理が目的なのだからそれはそれで由。
ところが、これがマスメディアの手にかかると「本人拠出解禁!」「拠出限度額引上げ!」とアジビラばりのメッセージが前面に出るのだから恐れ入る。国語のテストで「今般の企業年金研究会の報告書の内容を要約せよ」という問題に対して「加入者拠出を解禁すべき」などと解答しようものなら部分点すら覚束ない。さて明日の朝刊にはどんな的外れな見出しが並ぶことか・・・(汗)
─────────────────────────
【2007.7.13追記】
報告書の本文および概要が厚生労働省サイトにupされました。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/07/tp0713-1.html
←気が向いたら是非クリック願います2007/06/28
金融業界は「寄附講座」流行りだが
主要12大学、06年度の寄付講座3割増 日経調査 (NIKKEI-NET)
企業や業界団体からの大学の寄付講座が増えている。全国主要12大学に日本経済新聞社が調査したところ、2006年度の講座数は前年度を約3割上回った。少子化で経営環境が厳しさを増しており、大学側は寄付講座の開設で、資金調達の多様化と学生への授業内容の魅力向上をアピールする狙い。採用難に悩む企業も自社の存在を学生に印象づける機会ととらえているようだ。
(2007/5/2 日経夕刊 1面)
古い記事で恐縮だが、企業や業界団体がスポンサーとなって設置される寄付講座(大学によっては寄附講座とも寄付講義とも称する)が増加しているとのこと。当BLOG管理人も先日全労済&東工大のシンポジウムを観覧したが、保険業界だけでみても、損保ジャパン&東大、あいおい損保&早大、三井生命&青学大&早大、日本興亜損保&中大などなど、枚挙に暇がない。大学サイドは「寄附金の調達」「学生集め」、企業サイドは「優秀な学生の青田刈り」という双方の思惑が見事に相まった企画である。講師の中には、業界人も目を見張る著名人が紛れ込んでいる場合があるので、これまた油断ならない。できれば社会人も来訪し易い時間帯に開講して欲しいものだが。
ところで、リリース当初は気にも留めなかったのだが、あいおい損保&早大の講義一覧のうち7月5日の欄に目をやると、現在まさに渦中の人物の名が↓

展望って・・・(汗)
・・・つうか予定通り来訪・講演してくれるのだろうか。
それだけが気懸かりである(汗)。
←気が向いたら是非クリック願います2007/04/23
全労済・東工大シンポジウムに参加
去る4月21日に東京工業大学で開催された公開シンポジウム「高齢化社会とリスクマネジメント」に行って来た。パネリストの顔ぶれが豪華だったのが印象深く、パネルディスカッションは期待通りの盛り上がりであった。難を言えば、基調講演の講師(厚労省の局長)のパワーポイントが当日の配布資料と内容が著しく異なっていたことくらいか。
なお本シンポジウムと並行して、全労済による寄付講義「生涯設計のためのリスク管理と労働福祉」が行われているとのこと。当BLOG管理人も参加してみたいのだが、平日16:30からというのがネックである(汗)。それにしても、近年は金融機関による寄附講座だの寄附講義だのが流行りですなあ。
←気が向いたら是非クリック願います2006/10/10
企業年金に関するイベント2連発
10月10日といえば、古くは「体育の日」、最近では「マグロの日」やら「萌えの日」やら色々あるようだが、企業年金業界では注目すべきイベントが立て続けて催された。
○ 厚生労働省 「企業年金研究会(第1回)」
厚生労働省が
会場に足を踏み入れると、傍聴者数は約30名ほど。発表から開催までの周知期間が短かったせいか、鳴り物入りで導入された割にはいまいちの人数。本日は第1回ということもありさほど活発な議論は交わされなかったものの、やはり議論の大半は確定拠出年金に集中していた。確定給付がらみの論点は支払保証制度の導入是非くらい。これでは日経新聞の見出しを笑えませんなあ(汗)。とはいえ、行政主催の会議だけにレジュメ・資料の完成度の高さはピカイチ。データ収集には有用な機会となった。なお資料等は順次Webで公開予定とのこと。
○ 企業年金連合会 年金フォーラム「確定拠出年金 さらなる発展に向けて」
一方こちらは、昨年改名してから確定拠出年金制度へのアピールが著しい企業年金連合会によるイベント。今回の売りは、何と言っても先日公表されたばかりの「確定拠出年金に関する実態調査」。前述の企業年金研究会でも結果概要が発表されていたが、興味深いデータが目白押しなので、詳しくは企年連サイトを参照されたし。
こちらのフォーラムは、事前の広報活動が功を奏してか300名を超える盛況ぶり。もっとも、件の実態調査の結果発表以外は、テーマといいパネリストの顔ぶれといい
─────────────────────────
【2006.10.17追記】
企業年金研究会の第1回資料はこちら
←気が向いたら是非クリック願います2006/01/31
官公庁主催の適年移行セミナー
先週から今週にかけて、東京労働局や中小企業庁といった官公庁が適格退職年金の移行問題に関するセミナーを相次いで主催した。お役所主催のセミナーに期待する事といえば、レジュメ・資料の完成度の高さである。面白みには欠けるものの、記述や数値は正確でかつ出所が確かなので、場合によっては凡百の書籍よりも有用である。レジュメさえ入手すれば、セミナーに参加した目的の80%は達成されたも同様と当BLOG管理人は思う。では、それぞれのセミナーについて雑感を述べたい。
○ 東京労働局 セミナー「適格退職年金移行問題」 (1/23開催)
何でも昨年11月にも同じテーマで2回ほど開催したそうだが、好評につき追加開催したとのこと。「労働局主催のセミナーは資料が充実している」とかねてより耳にしていたが、確かに噂に違わぬ充実ぶりだった。表や統計の大半は「企業年金に関する基礎資料」からの引用だが、きちんと出典を明らかにしてる点は由。なお前半は某生保の年金数理人氏による制度説明と適年移行の現状、後半は中退共の課長氏による中退共制度の紹介であった。
○ 中小企業庁 経営安定対策室 企業年金セミナー (1/31開催)
主催は中小企業庁とあるが、企画進行は大和総研が受託とのこと。ところが講師はどっかのコンサル事務所の社労士で、これが酷かった。レジュメは誤字脱字だらけだわ、事実誤認は甚だしいわ、アンタ本当に専門家ぁ?っていうレベル。特に「ここ数年の適格退職年金制度の減少は、大企業が率先して移行した事によるもの」と言ってたが、適年は300名未満の制度が全体の9割を占めており、実際には加入者規模の小さい制度の減少が著しいことは専門家であれば周知の事実(下図参照)。
聞くだけ時間の無駄なので、とっとと会場を後にした次第。まあ「企業年金制度移行事例集」なる冊子を入手できただけ由としよう。とはいえ、あの程度で官公庁から講師依頼をGETできるとは、もしかして退職金コンサルって気楽な稼業!? ←んな事ァない
─────────────────────────
【2006.6.8追記】
上記で紹介した「企業年金制度移行事例集」が中小企業庁サイトにUPされました。
詳細はコチラ。
<関連エントリ>
The企業年金BLOG: 「企業年金制度移行事例集」
←気が向いたら是非クリック願います2006/01/13
RIETI政策シンポジウム「日本の年金制度改革」 実施報告
昨年12月15・16日に開催されたRIETI政策シンポジウム「日本の年金制度改革」に出席した件については過去の記事(2005年12月14日、2005年12月16日)でも触れたが、こちらも配布資料の公開と動画配信が始まったので紹介しておこう。
「日本の年金制度改革:16年度改正の評価と新たな改革の方向性」
・配付資料を掲載
・動画配信を開始
海外から高名な学者を招聘するわ、同時通訳付きだわ、おまけに動画配信。さすがは政府系シンクタンク。金のかけ方が半端でない。ともあれ、当シンポジウムについては資料も動画も全面公開されてることだし、私の無粋なコメントよりも自身で原典に当たった方が宜しいかと(←逃げを打ってますハイ)。お世辞にも分かり易いとは言えないものの、それはそれで新たな知見を得られること必至。
←気が向いたら是非クリック願います2006/01/12
商工会議所年金フォーラム2005 実施報告
昨年12月7日に開催された「商工会議所年金フォーラム2005」の実施報告が商工会議所年金教育センターのサイトにいつの間にかupされていたので紹介しておこう。
12月7日の商工会議所年金フォーラムの資料を掲載しました。
(商工会議所年金教育センター)
私も当フォーラムに出席したのだが、大半の講演は「労使のコミュニケーションが大事」という一般論に終始していた。労使協議の重要性は至極ごもっともなのだが、当フォーラムに足を運ぶくらい意識の高い参加者ならば、それは前提の上で来ていると思うのだが(汗)。一参加者としてはやや不満の残る部分もあったが、上記の報告サイトでは、各講演で使用されたレジュメ等もpdfファイルで公開されており、
なお当BLOG管理人が注目したのは中小企業への確定拠出年金制度の普及割合。パネルディスカッションでは、厚労省の課長氏は「企業型DC実施企業の78%は300人未満の企業である」として中小企業への普及ぶりをアピールしていた(パネルディスカッション資料3ページ下段参照)。一方、基調講演を行ったニッセイ基礎研究所の臼杵氏は「全国の中小企業数で比べると、中小企業のDC導入割合は1%にも満たない」と述べていた(基調講演資料7ページ下段参照)。
このように、人によって捉え方が異なる部分も比較できて興味深い。
←気が向いたら是非クリック願います



