2009年06月01日

「ビジネス・ゼミナール 経営財務入門」第4版

「証券分析」と「財務分析」の橋渡しに

ビジネス・ゼミナール 経営財務入門(第4版)ビジネス・ゼミナール 経営財務入門(第4版)
井手 正介、高橋 文郎

日本経済新聞出版社 2009-04
売り上げランキング : 16,545
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かねてよりコーポレートファイナンスの定番書として親しまれてきたロングセラーの改訂版。イマイチとっつき難いコーポレートファイナンスの概念を、「証券投資」と「財務分析」の両面から紐解いて解説する構成は相変わらずお見事。今回の第4版では、米国サブプライム問題に端を発した金融危機に関する記述や、「資産の証券化」「LBPとMBO」「グループ・子会社戦略」などのトピックが新たに加わり、その完成度は益々高まった。ファイナンスを志す学生や経営幹部必携の書とされているが、実は証券アナリスト試験(特に2次)対策の隠れた名著でもある。

<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/4/14): 「ビジネス・ゼミナール 経営財務入門」



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2009年03月15日

「退職給付制度再編における企業行動」

退職給付会計に係る実証研究の新約聖書

退職給付制度再編における企業行動退職給付制度再編における企業行動―会計基準が与えた影響の総合的分析
上野 雄史

中央経済社 2008-10
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退職給付会計の実証研究を生業とする研究者による博士論文。同時期に刊行された吉田和生著「退職給付会計情報の分析」に比べると、前半では各種退職給付制度の概要、給付債務の構成要素および退職給付会計基準そのものの検証等にページを割いており、実証分析は後半以降で扱うという構成をとっている。この手の研究者にしては珍しく、企業年金・退職金分野における定番の専門書にもつぶさに目を通しており、前半の制度論については年金基金役職員や金融機関担当者など業界人の目にも耐えうる内容となっている。



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2009年03月13日

「退職給付会計情報の分析」

退職給付会計に係る実証研究の旧約聖書

退職給付会計情報の分析退職給付会計情報の分析
吉田 和生

中央経済社 2008-08
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20年近く退職給付に関する会計情報の実証研究に携わってきた著者の集大成的な一冊。検証している内容は「年金積立と企業業績」「年金積立と税制・労働組合」「年金積立と株価」「米国基準による分析」など、当該研究領域における基礎的な研究対象および研究手法が一通り網羅されている。同テーマで論文を一丁仕上げようという大学院生・学部学生のファースト・チョイスに最適。




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2009年01月27日

「新年金財政シリーズ 退職給付会計」

退職給付会計の入門書として申し分なし

kisosiryo2006新年金財政シリーズ 「退職給付会計」第3版

企業年金連合会 編
2008-12

退職給付会計に関する入門書としては、当BLOGでは「新会計基準と厚生年金基金の対応」をこれまで推奨してきたが、現在では入手困難な上に、刊行から早9年を経過しており、直近の情勢を反映した入門書が登場するのを首を長くして待っていた。
本書は、企業年金連合会新年金財政シリーズの第一弾として刊行されたが、旧版に比べると、例えば、実際の有価証券報告書が巻末に収録されるなど、年金基金サイドだけでなく企業サイドを意識した内容に再構築されている。また、全般的に読み易さや分かり易さも向上しており、退職給付会計の入門書としての地位は当分磐石であると言っても過言ではない。



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2007年06月16日

「新版 退職給付会計入門」

年金制度から会計・税務までを一冊で網羅

新版 退職給付会計入門新版 退職給付会計入門―年金制度から税務処理まで
木原 俊夫

中央経済社 2005-01
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保険会社出身の税理士による退職給付会計の解説書。年金制度に関する解説はかつての著作「年金制度の改善プラン」を土台としているが、初っ端の「税法の視点」からみた年金制度の分類こそ斬新ではあるが、以降は前時代的な記述(例:厚年基金の天下り問題を論じるのに10年も前の新聞記事を引用、etc)が散見される。また、本論の退職給付会計に関する解説はQ&A方式で口当たりは一見良さげだが、いざ読んでみると、図示があるわけでもなく冗長な記述が続く。タイトルには「入門」とあるが、初級者にはやや敷居が高い。
とはいえ、会計士の実務基準のみならずアクチュアリーの実務基準についても言及するなど、ツボを良く押さえた構成であることは確か。中級以上の実務家向け。



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2006年11月25日

「会計のことが面白いほどわかる本」会社法対応版

天使とウサギが紐解く会計の「本質」

会計の基本の基本編会社法対応 会計のことが面白いほどわかる本
<会計の基本の基本編>

天野 敦之

中経出版 2006-07-01
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以前当BLOGで紹介した「会計のことが面白いほどわかる本」が、会社法施行に対応して5年半ぶりにリニューアル! 前版は、それまで日商簿記3級に2回連続不合格(注:それ以来怖くて受験できず)をくらうほど会計オンチだった私を、一転して会計の魅力に目覚めさせてくれる契機となった一冊。天使とウサギのほんわかした語り口こそ平易だが、内容は非常に高度かつ本質的。会計の役割・本質をここまで噛み砕いて丁寧に解説した入門書は他に見たことがない。今までの会計入門書は一体何だったのか!
なお会計の基本の基本編では、貸借対照表の「資本の部」が「純資産の部」に変更されるなど、会社法施行に対応した手当てが為されている。


会計基準の理解編会社法対応 会計のことが面白いほどわかる本
<会計基準の理解編>

天野 敦之

中経出版 2006-07-01
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一方、会計基準の理解編は「会社法対応」を謳っているものの、申し訳程度の幾つかのコラムと中小企業の会計指針が加わった他は、前版とさほど変更は無い。まあ前版の完成度がそれだけ高かったという事で。



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2006年08月30日

「決算書でわかる儲けの極意」

財務分析(デュポン・システム)の超入門書

決算書でわかる儲けの極意決算書でわかる儲けの極意―3倍株投資法
佐々木 洋

サイビズ 2004-11
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ムック調の装丁「儲けの極意」「世界3位の投資実績」という煽り文句からして、よくある胡散臭い成功自慢本と思われがちだが、さに非ず。中身は財務分析、とりわけデュポン・システムについて書かれた真っ当な解説書である。
デュポン・システムとは、ROE(株主資本利益率)を「売上高純利益率」「総資産回転率」「財務レバレッジ」に分解する等という代表的な財務分析手法。証券アナリスト試験では頻出事項だが、このような"教科書的"な手法を個人投資家の株式投資向けに解説したのはおそらく本書が初めて。「決算書を読め」とは投資の世界では良く言われるが、ではプロは決算書のどこをどう実際に読んでいるのか──というノウハウ(めいたもの)の一端をチラチラと垣間見せる構成が秀逸。「所詮は机上の空論」だの「附属のExcelシートの性能がイマイチ」といった批判もあるが、財務分析に関する良質な入門書であることは確か。
なお、本書の手法で実際に儲けられるかどうかはまた別のハナシなのであしからず。

余談だが、著者の佐々木洋氏のメルマガ「10秒で読む日経!」は全般的に高品質でオススメ。以前当BLOGで話題にした時はこんな感じだったが(汗)、当BLOG管理人は現在も愛読している。

※著者の佐々木氏のサイトはこちら



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2006年05月10日

「MBAバリュエーション」

"コーポレートファイナンス"の理解への第一歩

MBAバリュエーションMBAバリュエーション 日経BP実戦MBAシリーズ2
森生 明

日経BP社 2001-10
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表紙に恥ずかしげも無くデカデカと掲げられたMBAの3文字をもって「なんだ、MBAブームに乗っかった便乗本か」と早合点してはいけない。中身はコーポレートファイナンス、とりわけ「企業価値の算定」に特化した高品質な入門書である。

コーポレートファイナンスを学び始める際に、いきなりブ厚い専門書から取り組むというのも一つの見識ではあるが、例えるなら仮免ドライバーがいきなりカーレースに挑むようなもので心許ない(汗)。そこで、「まずは家の周囲で地道に訓練しよう」とする堅実派におあつらえ向きなのが本書。全ページに目を通すのが億劫であっても、せめて基礎編(第1〜3章)だけは目を通すべし。特に以下の3点は目から鱗モノ。

 @企業価値をc/(r-g)という数式に置き換えるメリット
 A純資産(資本)と時価総額の違いを図示した図表3-4
 Bブランド(無形の営業資産)失墜が時価総額減少を引き起こす仕組みを
  図示した図表3-5・3-6


──これらを抑えるだけでも、その後のコーポレートファイナンスへの理解が早まること必至。2001年の刊行だが古臭さを感じさせないのは、ひとえに骨組みがしっかりしているからである。
本書の根底にあるのは、配当割引モデルにしろEBITDA倍率にしろ、これらはビジネスの共通言語であり、商売相手を説得するためのツールに過ぎないという事。「世の中数字だけで割り切れるものではない」と達観ぶるのは勝手だが、ことビジネスの世界においては、そうした振る舞いは、共通言語に則った円滑なコミュニケーションを図ろうとしない不誠実な行為なのだ。



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2006年04月27日

「新会計基準と厚生年金基金の対応」

新会計基準と厚生年金基金の対応新会計基準と厚生年金基金の対応

社会保険広報社 2000-05
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僅か20ページ少々のリーフレットではあるが、退職給付会計を扱った古今東西の書籍の中では最も敷居の低い一冊。著者は某大手食品メーカーの年金基金の元常務理事だけあって、企業財務と年金制度の双方に精通しているのが強み。そのため、新会計基準の経緯やあらましだけでなく、年金基金サイドから見た退職給付会計の留意点についても上手くまとめられている。後者が充実している書籍はそうサラにはない。

当BLOG管理人は、本書のおかげで退職給付会計のイロハを理解することができた。特に、新会計基準における企業のB/S・P/Lと退職給付制度のB/Sの連関を図示した(図ー2)は必見。それに比べて、本来専門家であるはずの監査法人が出している書籍の小難しいことといったら・・・(汗)



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2006年04月14日

「ビジネス・ゼミナール 経営財務入門」

「証券分析」と「財務分析」の橋渡しに

ビジネス・ゼミナール 経営財務入門ビジネス・ゼミナール 経営財務入門 第3版
井手 正介 高橋 文郎

日本経済新聞社 2006-04
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かねてよりコーポレートファイナンスの定番書として親しまれてきたロングセラーの改訂版。イマイチとっつき難いコーポレートファイナンスの概念を、証券投資と財務分析の両面から紐解く解説は相変わらずお見事。さらに今回の第3版では、M&Aの本格化や会社法施行といった最新のトピックについてもキッチリ手当てされており、その完成度は益々高まった。ファイナンスを志す学生や経営幹部必携の書とされているが、実は証券アナリスト試験(特に2次)対策の隠れた名著でもある。

余談だが、旧版刊行時はバブル崩壊後の右肩下がりの時期だっただけに、本書に対して「所詮は机上の空論よ」と斜に構えがちな向きが多かったように思う。そんな不遇の時代を脱却し、日本経済が回復しつつある現在(2006年)に改訂版が世に出たのは、まさに時宜に適ったものである。景気の後退・回復の両局面を体験した今こそ、本書が広く世に受け入れられる土壌が整ったと言えるだろう。



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2006年02月16日

「非常識会計学!」

会計理論をサラッと体系的に掴める秀作!

非常識会計学!非常識会計学!―世界一シンプルな会計理論
石井 和人 山田 真哉

中央経済社 2005-05
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タイトルの仰々しさに騙されてはいけない。内容は非常識どころかガチガチの正統派で、奇をてらったタイトルに頼らずとも会計理論の入門書として普通に通用する硬派な一冊である。それでいてこの分かり易さはスゲエ、すご過ぎる、つうかまさに反則モノ。およそ会計の世界に足を踏み入れようとする者にとっては、今後は必読の定番書になること必至。専門知識や最新用語の羅列だけで悦に浸っている他の凡百の類書には、本書のインク染みでも煎じて飲ませるべし!

・・・とまあ、会計理論の書籍としては秀逸この上ない訳だが、それ故に、感じずにいられない事がある。ハッキリ言って「女子大生会計士の事件簿」とのタイアップは必要だったのか? 章末ごとに小説が挿入される構成は、お世辞にも読み易いとは言い難い。章毎ごとに読書の流れが中断されてしまうため、人によっては読んでてイライラしてくること必至。また、本書の章構成と小説の内容が全く噛み合っていない事もイライラに拍車を掛ける。まだ本論がイマイチな内容であったならば、小説とのタイアップで体裁を保つという相乗効果を活用できたものを、なまじ本論も小説も内容が秀逸なだけに「両雄並び立たず」的な統一感の無さを感じてしまう。例えるなら、世界ランク1位と2位のテニスプレイヤーのペアが必ずしもダブルス世界最強とは限らないようなものか。

とはいえ、本書の「骨太さ」と「分かり易さ」の絶妙な調和はそれでもなお魅力的であり、また小説も読み応えがあることから、アマゾンでは迷わず五つ星の評価を付けた。



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2005年12月29日

「会計のことが面白いほどわかる本 会計の基本の基本編」

天使とウサギによる会計談義

会計のことが面白いほどわかる本 会計の基本の基本編会計のことが面白いほどわかる本 会計の基本の基本編
天野 敦之

中経出版 2001-04
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それまで日商簿記3級に2回連続不合格(汗)をくらうほどの会計オンチだった当BLOG管理人を、一転して会計の魅力に目覚めさせる契機となった一冊。会計の役割・本質について対話形式で丁寧に解説しており、会計を学ぶ第1冊目としては最適。いきなり簿記の問題集に取り組むのも一つの手だが、その前に本書で会計の本質に触れておくと、その後の理解が加速すること必至。本書に出会わなかったら、証券アナリスト試験の「財務分析」は到底クリアできなかったであろう。まさにタイトルに偽り無しを実体験した次第。なお姉妹編に「新会計基準の理解編」もあり、コチラもなかなかの出来。


<関連エントリ>
The企業年金BLOG(2006/11/25): 「会計のことが面白いほどわかる本」会社法対応版



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